男の正体
目を覚ました花夜、男は一体何者なのか…
「うーん……」
パチリと目を覚ます、肩にかかった羽織が落ちた事に気が付き、さっきまでのことを思い出す。
「そっ、そうだ!!あの幽霊!!!」
そこまで言ったところで台所から声がした
「だから幽霊じゃねぇっての」
じゃあなんなんですか!!という疑問を口にする前に、目線を下げ少し考える。
この人は、多分最初ネックレスを私に投げるかして渡した。
けれどあの場で拾ったとして私のだとは分かるまい。
昨日の猫を追いかけている時か、朝おばあちゃんに事情を話してる時を少なくとも見ていなければ、ネックレスが私のものだとわかるわけが無いのだ。
それはその…つまり…
「ストーカー……?!?!」
「なんでだよ!!!」
頭をチョップされた。
痛い……
「俺は!!あの社の主!」
「?つまり土地の管理してる人的な何かですか?」
そう返すと、男は頭を抱えた。
そして、こちらを見つめこういったのだ
「神様」
………………ストーカーよりやばかった。頭が残念というか、ネジが5、6本お亡くなりになってるタイプの人だった。
素早くスマホを取り出し、110番を打ち発信ボタンに指をかけながらジリジリ後ずさる。
「不審者じゃねえって!!本当に神様!!!!」
そう言われるとますますあやしい。
「今なら見逃しますから帰って……!!ネックレスに関しては凄くありがとうですけど……!」
すると埒が明かないといったふうに
男が指を鳴らす
「ほんとに人の話聞かないなお前!!ほら!!」
ぼふんと音をたてて煙が現れる。
煙が晴れると男の姿は無く。
そこには6本足で、6つの尾の生えた白いキツネがちょこんと座っていた。