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3/19

出会い

社を目指す花夜。

しかしだいぶ迷い、結局昼前に……

マップを見ながらなのに、かなり迷った気がする。

気がつくと時間は午前11時を回っていた。

たかが5キロのはずなのに、なぜこんなにたどり着けなかったのか。

へとへとになった花夜は、やっと着いた社の近くにある古ぼけた木製ベンチに腰掛けた。

持ってきた水を飲みながら、目線をキョロキョロさせてひなたを探そうとする。

「んー……そんな簡単には見つからないか…。」


立ち上がろうとした時、足元をするりと何かが通り抜けた

「わ?!」

驚いて尻もちをついた花夜を見つめていたのは、ふわふわとした毛を持った、茶色い狐だった。

クリクリとした目でこちらを見つめたかと思うと、ふいっと社を向き歩き出す。

キツネをあまり見た事がなかったため、思わずそろそろとついて行くと、社の前まで来てしまった。

ボロボロの社は、昼間でもだいぶ怖い。

しかし花夜の追っていたキツネは、その下にするっと入って行った。


床下を見ると、数匹の同じ色をしたキツネがゴロゴロとくつろいでいた。

珍しそうにこちらを見ている子はいるが、逃げようとはしない。

突然現れたもふもふに、花夜は当初の目的をすっかり忘れ頬を緩ませる。

かわいい。きつね最高。かわいい。

そのうち1匹の子狐が、花夜の方に歩いてきた。

恐る恐る撫でようとすると、小さい鼻先でフンフンと手を嗅ぎ、頭を擦り寄せる。

「あ……天国だわ」

もふもふと子狐を撫で続ける花夜。

狐たちとひとしきり遊び続けた花夜は、また夕暮れになって来ている事に意識が向いていなかった。

すると、子狐はコンとひと鳴きして手から離れると

社の中に歩いていった。

こちら見つめる子狐に不思議と来いと言われている気がして

そろりそろりと社をのぞく。


中は外から見るよりは崩れていないが、ホコリを被ってやはりボロボロだ。

屋根が落ちてくるような気配はないので、意を決して中に入る。扉は全開にして。


「きつねさん〜…戻っておいで〜…」

逃げ腰になりながら、子狐に手を伸ばす


ーコツンッー

「いたっ」

頭に何かが落ちてきた

それは、ひなたがくわえていってしまったはずの

花夜のネックレス。

「え?!?!」


探し物が突然見つかり、落ちてきたであろう方向を見つめるが、いくら覗き込んでもあるのは古ぼけた天井だけ。

え、わかんないけど

「見つかって良かった……かな??」

いつの間にか子狐はいなくなっていたので

社の外に出る。


くるりと社をふりかえる。

不思議とさっきまでよりかは怖くはない。

それに、もしかしたら…

バッグからお財布を取り出し、5円取り出すと壊れかけの賽銭箱に投げ入れ、手を合わせる。

「お邪魔しました。大事なネックレス見つかりました、ありがとうございます。」


親切な神様でもいたのかもしれない。

そう思いながら、振り返って帰ろうとする。


「どういたしまして。」



………………え?


ギギギと効果音でも付きそうな感じで振り向く花夜

そこには白い髪をした着物の男が立っていた。

ーーさっきまで誰もいなかったのに。


「ぁぁぁぁあ?!」


花夜は驚きのあまりポロリとネックレスをおっことし、また猛ダッシュして家に帰る。

ガチャリとカギをかけて、一息つく。

「いいい、一体なんなの…?」

ソファーにへたり込む。あそこに人なんていなかった。

なのになんで、まさか、幽霊……?????


ガラリとベランダの窓が開く。

「落し物してんぞー。」

そこにはさっきの男がいた

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛悪霊退散ーーーー!!!!」

花夜はバッグに入れていた塩のケースを開け

中身を力の限り男になげつける。

見事に顔面にクリーンヒットし、よろめく男

「いってぇえ!!?え?!なにこれ甘!!?」


中身は砂糖だった。


「おわった……ごめんよお父さん……娘は幽霊にやられて死にます……。」


男は信じられないと言った顔で花夜を見つめ、怒り心頭といったように怒鳴る。

「誰が幽霊だ!!!俺はな!!!…………ん?」


が、花夜にその声が届く事はない。見事に気絶しているからである。


「仕方ねぇなぁ……」


気絶した花夜に羽織を着せ、片手に持ったペンダントを弄りながら

起きるのを待つのだった。


花夜の前に現れた謎の全体的に白い男、彼は一体…?

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