表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/19

お迎え

「ツキさんの家ってどこにあるんですか?」


「んー、俺の家は結構奥の方だよ。田舎。」


奥の方……と言われても分からないが

たぶん遠いのだろう。

「今日中に着きますかね?」

「大丈夫だって。迎え呼んでるから。」


迎え?車とかだろうか。

見渡すと町は大正時代のような雰囲気で、車のようなものもチラチラと見える。


「そんなもん使わねぇよ、この建物の上に行くぞ。」


そう言うとツキさんは赤いレンガ造りのビル?のような建物のエレベーターに乗る。


「見た目大正なのに、設備は現代チックなんですね!」


「あ〜、街の見た目は、単に俺たちが住みやすいからこうなだけなんだ。」


なるほど…

エレベーターを降り、屋上に出る。

上から見た街は現世の夜景とはまた違う、不思議な美しさがあった。


街をみながら、ツキさんは続ける。


「まぁ、現代化したい派と、そう出ない派がいて、間をとった結果こうなったんだよ。」


妖怪にも色々いるらしく、ほの暗いところじゃないと落ち着かない人も多いとか。


「座敷わらしがビルのオフィスとかにいたら笑うだろ?」


例えがシュールだけど

確かになんかダメな気がする。

「ところで、お迎えってここに来るんですか?」


「おお、もう見えたぞ」


入口を振り返るが、誰もいない。


「どこ見てんだよ、上だよ上。」


「は?」


瞬間、体が中を浮く


同時に、どんどん小さくなるビルと街。


「あああぁぁぁあ?!?!」


上空何メートルだろうか。

私は鳥のような何かに…くわえられていた

下を見ると、足らしきものにツキさんがブラブラと捕まっている。


「ちょ!!!私めっちゃくわえられてるんですけど!!」


「しょうがねぇだろ、お前腕力無さそうだし。落ちるぞ」


ツキさんはともかく、今の私はどう見てもでっかい鳥に捕まったエサとかだ。

鳥の顔を見ようにも、風が強すぎて目がこれ以上開けられない。


「もう少しの辛抱だからな〜。」

「…………」


ジェットコースターも顔負けな急降下をする鳥のクチバシで、わたしは意識を手放すのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ