11/19
帰宅
今回短いです。
「ええっと……つまり、アレは私にもともと引っ付いてたって訳じゃないんですね?」
とりあえずお客用のクッションとお茶を出して、ツキさんと向き合う。
あぁ、呼び方は、本当に神様だと分かったし、何よりとんでもなく年上だった為、ツキさんと呼ぶことにした。
……まだ口に出して呼んでいなくてよかった。
お茶を飲みながら、ツキさんは頷く。
「あぁ、ついでにいうなら目をつけられたのはつい2週間前くらいだな。」
「ず、随分具体的ですね…?」
私が聞き返すと、彼はおもむろに立ち上がり、玄関の扉を開けた。
「……こいつが教えてくれた。」
そこには、ちょこんと座るひなたちゃん。
「ひなたちゃん……?どうして」
部屋に入ってくるひなたを膝の上にのせ、ツキさんを見る。
話せば長くなるが、と前置きをして
今回の事の全てを話し始めた。
それは、とても悲しい話だった。