〜1冊のノートで繰り返される惨劇に抗え〜
エピソード1『ノート』
暗い…
目覚めるとそこは暗闇。
手元は薄っすら見えるが、1メートル先となると全く見えない。
一体ここは何処だろう。
何をしていたかを思い出そうとするが、何も覚えていない。
『!?』
突然激しい頭痛が走る。
手で頭を抑えようとすると、自分が何かを持っていることに気がついた。
『なんだこれは…』
それは一冊の古びたノートだった。
サイズはA4だろうか。
かなり年季が入ったように見える。
タイトルは無いが、大きく文字が書いてあった。
ー必ずこれを読め。読まなければお前は死ぬー
なんとも恐ろしい事が書いてある。
新手のイタズラだろうか。
一ページ目を巡った。
ー最後に君に会いたかった。幸せに生きてくれ。このノートが君に届くことを祈る。ー
かなり急いで書いたのだろうか。
走り書きになっており、読むのに苦労した。
また、文字はとても弱々しい。
君とは誰だろうか。
『誰かに向けたポエム集なのかな…』
二ページ目をめくる。
ーああ、目眩がする。もう長く無い。誰だかわからないが、さっきのページと全く同じ事が頭に浮かんできた。これは受け継がれてきた遺書のようなものなのかもしれない。君は無事かな…。これをみた人、お前は生きろ。なんとしても。ー
さっきよりは文字が長い。
ここに書いてあるメモは総じて切羽詰まった状況下で書かれたようだ。
次のページをめくるとそこにはシンプルなメッセージが書いてあった。
ー逃げろ、ドアを目指せー
『なんだ…?』
その瞬間、ガシャンとう金属が外れたような音とともに部屋に明かりが灯された。
眩しさに慣れていない目をゆっくりと開ける。
『な…これは…』
辺りは一面血まみれだった。