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第零話 前提
かつて、地球には四人の«最強»が居たという。
曰く、万の軍勢を相手に果敢に戦い、無限の槍にも死ななかった男。
曰く、手に持った全ての武器に適正を見せ、数多の武器と共に紛争を終わらせた女。
曰く、誰にも気づかれることなく王宮に忍び込み、腐敗していた国のトップを皆殺しにした女。
曰く、人々に最も知られる伝説の主人公であり、聖剣を操った男。
この四人は地球でも突出した強さを誇っていた。
そして神は、今最も危うい世界へ彼ら四人を送った。
地球すら滅ぼしかねない力が四つ。
その先に待つのは希望の未来か、はたまた絶望の破滅か。
それはこの物語のきっかけをつくった神にすら予想出来ない、不確定な要素である。
これは、決して正義の物語ではなく、まして英雄の物語でもない。
これは、ただの人間が越えられない壁へ挑む話である。