どうやら異世界
10000pv超えました。
とても嬉しいです。
ブックマークや評価などをして下さった皆さん、本当にありがとうございます。
最近、とても重要なことに気づいた。
それは、私が転生した先が異世界だということ。
私はこれまで、自分は地球上のどこか知らない国へ転生したものだと思っていた。
あの日まではーーーー。
それは、ある日の午後。眠気を誘うような穏やかな風に私とアリアさんがついウトウトとしていたところ、突然 ガッシャーン という大きな音がした。
何があったのかと、音のした方を見ると、一人のメイドさんが床に落ちて割れてしまった皿を見て、顔を真っ青にしていた。
この状況から察するに、先程の大きな音は、彼女が皿を割ってしまった時の音だろう。
「申し訳御座いません!」
メイドさんはそうアリアさんに頭を下げると、
「すぐに片付けをいたしますのでーーーー。」
と言って、急いで皿を拾おうと、割れた皿の破片に無造作に手を伸ばした。
あ、そんな風に触ったらーー
っと思った時にはすでに遅く、
「ーーっ!」
ポタポタと彼女の指から血が流れていた。
どうやら相当深く切ってしまったようだ。
彼女は、自分の二度の失態に身体を震わせるが、
「大丈夫よ。落ち着いて。」
というアリアさんの穏やかな声に、はっとしたようだった。
驚きで瞳を見張る彼女にアリアさんは優しく微笑えんだ。
「こんなに血が出て、痛いでしょう?」
アリアさんはそう言うと、メイドさんの手を自分の手で包んだ。
そしてーーー
《汝の傷を癒せ給え》
瞬間、優しい光が辺りを包んだ。
とても暖かく、心地よいものだった。
「これで大丈夫なはずよ。」
そう言うアリアさんの声に、まさかとは思いつつもメイドさんの指を見てみると、先程まであった傷は綺麗に塞がっていた。
それが、私が初めて見た魔法。
そして私の転生した世界が、魔法の存在する異世界だということに気づいた出来事だ。