プロローグ1
ビルとビルの間の路地裏。遠すぎて大通りの街灯の光も喧騒も聞こえてこない。そこを1人の男が走っている。口にはちょび髭を生やしたポッチャリした男だ。
額には脂汗が浮かんでいる。
カツーンカツーンと音がする。振り返ると、フードを被った男が靴音を鳴らしていた。ビル風が吹き荒れ、フード男のマントを靡かせた。
「う、動くな!」
髭男が手に持っていた銃の照準を男の額に合わせる。
しかし、男は止まらずに歩いてくる。
「う、動くな・・」
髭男は引き金に指をかけ思いっきり引いた。その瞬間、銃口から弾が飛び出し高速でフード男に接近する。しかしその弾が男の額を貫通することは無く直前で静止し浮いている。
「な・・・な・・・」
これには、髭男も狼狽して後ずさる。
フードの男がてをつきだした。
丁度デコピンをするように、中指を親指に引っかけている。
すると、今まで静止していた弾がこちらを振り返った。
「ひっ・・・待てっ・・・この情報が欲しいんだろ?もっ、持ってけよ。」
髭男の手には、メモリーカードが乗っている。
「・・・」
フード男は静かに手を下ろし、それを奪い取った。
「・・・上出来だ・・・」
次の瞬間浮いていた弾が髭男目指して飛んでいき見事、男の額に命中。ゆっくりと倒れていく髭男。
一瞬フード男は、悲しそうな目をしたがスグにいつもの冷徹な目に戻った。男の死を確認するとくるりと踵を返してゆっくりとその場を去った。
2回目にして新シリーズです(w)
今回は、プロローグはかなり重めでしたが基本ワチャワチャします。たまに重いかも?
その辺未定の作家見習いです。
どうぞ私めの拙作を読んでいただければと思います。