青の青年
始めまして、参と言います投稿はゆっくりと投稿するつもりですがよろしくお願いします。
「皆今日もよく生き残ってくれた、各々好きにしてくれ解散!!」
リーダーの声に周りの集団は返事を返し酒場から出ていく、また酒を追加するよう店員に頼む者がいた。
その集団の一人ダンはモンスター退治で疲れた体を癒す為宿場へ向かう。
酒場からでて表通りに入る、目的の場所は路地裏だが路地を通ると報酬金を渡せとおねだりしてくる奴がいて面倒なのだ。
目的の宿屋は城の周りにあるカジノの近くの路地裏に商売している、自分が立っているのは門の近くにある酒場だ城の方に向かって行けば楽だが。
「客引きがうぜぇ」
酒場や娼館や危ない薬を紹介してくる奴らは雑踏の中にいるのに俺を狙ってやって来る、断れば引くからましだが、たまに奴隷を買えと言う商人は一番嫌いだ。
「臭いし、すぐに引かんし」
「お兄さん、消臭魔法使える子いるけどどうよ」
お前の事言ってんだよ、奴隷商は人や魔族の臭いが入り交じって臭いんだ。
声をした方を見ると青年が立っていた、周りはそこがまるでなかったかのように避け、歩いている。
「(関わったら面倒だな)」
青年は群青色の髪で前髪は短く側面が耳を隠す為だけに髪が長い、服は半裸で腕がピッチリと布が覆われ色のサリエルに厚いブーツを履いている。
「いやいいよ、これから行く宿屋には熱い風呂があんだ、そこで臭いは落とすよ」
「そうかい?じゃあ背中を流す子とか、体を乾かしてくれる子とかさ一杯いるよ、ほら来いよ」
「おい、クソガキ!」
青年の奴隷商人はダンの腕を掴み、人混みを掻き分けて行く、ダンは周りを気にせず踏ん張り足を止めさせようとするが、止まらない。
「てってめえ力強いな!!オーガか」
「ハーフだけどね、お兄さんも強いねぇさすが毎日モンスター倒してるだけある」
「冗談だったんけど!」
青年は顔だけ振り向くと、髪で隠れていた耳を晒した少しだけ尖り先が赤黒く染まっている、成人男性が全力で力を振り絞っても青年がびくともしないのも当たり前だ、ハーフと言えどオーガの血を持つ魔族。
「(オーガは東の国では鬼と恐れられ、大木をなぎ倒す豪腕、人では無いことを象徴するかのように赤黒い角を持つ種族、半分とはいえ魔族の血を持つこいつに叶うはずねぇ)ックソ」
ダンは踏ん張るのを止めて、青年の行く道へついて行った。
「おっやっと諦めてくれたね、じゃあ路地に入ろうか」
青年が路地に足を踏み入れた瞬間、影が周りを包んだ。