表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/312

第五話 相席

 みんなの自己紹介が終わると、お食事会を兼ねたフリータイムとなった。


座席の指定はなかったため、それぞれに食べ物や飲み物を選び、空いている席に座っていった。




真衣と私は手早く料理と飲み物を確保すると、誰も座っていない端のテーブルへ向かい横に並ぶように席に着いた。


「どうして、隣なの」


「すぐに分かるわよ。それより、早く食べよ」




私の向かい側の席が空いているにもかかわらず、隣の席に座った真衣に疑問を感じて問い掛けると、悪戯いたずらっ子のような笑みを浮かべて私の疑問はそのままに、早く食べるように促された。


私は不思議に思いながらも、『いただきます』と言って食べ始めた真衣にならい目の前の御馳走を口に運んだ。




「ここ、いいかな」


食べ初めて間もなく、テーブルの向こう側から男性の声が聞こえた。


顔を上げて声の持ち主を確認すると、そこには食べ物と飲み物を手にした二人の異次元の住人が立っていた。




“どうして、彼らがここにいるんだろう……”

と、状況が良く分かっていない私を余所に『どうぞ』と真衣がにこやかに応じると、達樹さんが真衣の正面に、尚哉が私と向かい合うように椅子に腰掛けた。




「渋谷梨奈さん。24歳。花菱製菓はなびしせいか株式会社勤務。で、合ってるよね」


「覚えて……、いたん……ですか……」




何の前触れもなく、私が口にした自己紹介の内容を尚哉が復唱するように尋ねてきたことで、私の戸惑いは更に増した。


尚哉の行動を理解できず、私は躊躇ためらいがちに途切れ途切れに返事を返すのが精一杯だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ