松ばあと聖一の今後は?
なりゆきで俺もマツばあと一緒にお参りしている時、じいさんについて話し出す。
「そういえばせーいちには言ってなかったのぅ……、わしとじーさんは年の差婚だったんじゃ」
じいちゃんに手を合わせながら、俺はマツばあに話の続きを促した。
「……どこで出会ったんだ?」
聞かれたマツばあはどことなく照れくさそうである。
「ふふー、出会いはじいさんが17才・わしが5才の頃で神社でのぅ……」
「ハー……」
俺はマツばあの話を聞きながらも(血は争えないな!!!!)と感じていた。
おまいりも終わりそうな頃、マツばあが俺の年齢のことを聞いてきた。
「そういえばせーいちも17歳じゃったのぅ」
話を振られた俺は心を読まれたような心境になる。
「そういえば俺も(マツばあに一目惚れ)だったな……!!」
マツばあがどうやらしんみりした心境になっているみたいだ。
「せめてせーいちが成人するまでは生きていたいのぅ…」
「マツばあ! 変なこと言うなよ!!」
俺は心からの言葉をマツばあに伝えた。
『長生きしてくれよ!マツばあ……!!』
「せーいち……」
大きな瞳に涙がうっすらと浮かんでいるマツばあに聖一の偽りのない気持ちが伝わっていく。
「軽くあと八十年位生きられるだろ!?」
「……えっ。150歳?」
俺はマツばあの見た目のせいでだんだん元の年を忘れてきていた。
「~っ」
急にマツばあが涙を流したので俺は動揺した。
「えっ!? どっ、どうした!?」
オロオロしながらも俺はマツばあに原因になりそうなことを訊いた。
「どっか痛いのか?」
俺の質問にマツばあが泣き笑いの表情で否定しながら、嬉しい気持ちを表現してくれた。
「ちがっ……嬉しいんじゃよ。『長生きして』なんて……わしは幸せ者じゃのう」
俺はマツばあの可愛らしさにやられる。
「……マツばあ……」
「……せーいち? 鼻血が?」
「いや! 思わず萌……」
恥ずかしいことを言いそうになった俺は、鼻を手で圧迫しながら苦しい言い訳をした。
「もらい泣きならぬもらい鼻血です!!」
マツばあがとりあえずの目標として長生きの年を宣言する。そんな姿を俺は何とも言えない心境で見つめているのだ。
「よし!」目標が出来た!せーいちが結婚するまでは長生きするぞい!! じーさんの分まで見届けるんじゃ!!」
「結婚て……」
急にマツばあが恋話をしてきたので俺は驚いた。
「せーいちじゃって年頃じゃし、好きな娘位は居るんじゃろー?」
「すっ……!!」
この気持ちは伝わらないとわかっていながらも俺は告白するしかないとマツばあに伝える。
「ま……マツばあだよ……!!」
当然なこととはいえ、マツばあに本気で取ってもらえなかった。
「もーっ、せーいちったら!年寄りをからかっちゃいけませんっ」
祖母との恋はいろいろと戦いだ……!!
大人な年齢になれば年の差婚って意外に多い気もする(笑) この話の聖一、思いつく限りの設定のみで書いてみたので細かいところにツッコミどころ多数かと。
謎は謎のまま……読者さんの納得行く考えが浮かんだらいいなという感じで。
やはり聖一だけで松ばあがそういうふうに見えている理由……明かしません。というか、あまり考えなしだったのでそれを理解させる設定を考えてみるのも楽しいかもしれない。時間があればねw
もちろん感想・評価をいただけたりしたら嬉しすぎて踊ry