5話目
短いです。すごく。
私は貝、貝になりたい。
何かうさんくさいなとは思ったのだ。たしかに「基本的に暇」「ぐうたらしてたい」「うるさい上司は嫌」「そもそも働きたくない」「でもたまにやりがいのあることしたい」
とか色々条件をつけたけれども……
でもでも普通昔の知り合い(あくまでも知り合いである)の所に送り出すか?!
たしかにあの馬鹿ならぐうたらさせてくれるだろうし、うるさくないし……
そもそもあの馬鹿にトップが務まるところなのだから間違っても忙しくはない。
そもそもこんな世の中で、日本で唯一戦場になってない北海道でしかも小国家レベルといっても過言ではない力を持つバルバス・バウにコネで入れるなんて滅多にない。
そう、コネ。コネです。いや、これはヘッドハンティングかも。
昔のクラスメイトに「こっちに来ない?」と誘われたのだ。つまりこれはお誘いを受けた。だからコネじゃない!
でもたくさん注文をつけたからコネかも。半々かな?
誰かに聞かれたらヘッドハンティングって答えよう。よし。
さて現実を見ようか。
最初が肝心。気合を入れて真面目系を演じたらそこにあの馬鹿がいた。
昔と同じ顔で。同じ目で。服が多少変わったくらい。
いつもだらだらと机と同化してた私が真面目系になってるわけが無い。
空気の読めないあの馬鹿はギャグ扱いして笑うだろう。
そうしたら自分は切れる。右上段突きから下段回し蹴りだ。
間違いない。そんなことしたら間違いなく引かれる。まずい。
私は逃げた。仕切りなおそう。今なら緊張しすぎて逃げ出したと言い訳できる。たぶん。
私は今、トイレにいます。
階段を使おうとしてもシャッターが下りててそもそも入れない。窓も駄目。
ここは要塞か、どっかの基地か、牢獄か?!さすがバルバス・バウ。セキュリティは完璧。
しかもカメラで監視されてる。たぶん。
たぶんがたくさんつくけれども実際不確かな事ばかりなのだからどうしようもない。
唯一入れたのがトイレ。誰かに誘導されてる気がする。
でもトイレにはさすがにカメラはないよう。
ここで待つ。息が整うのを。誰かが追ってくるのを。
追ってきてくれるのを。会いに来てくれるのを。
今こいつを書き上げた時はインフルなもので…申し訳ない。
2/15
ちょっとだけ整形。