第3話 辺境域の凶戦士
どうにか原作主人公との邂逅イベントを乗り越えたオレとジークリンデだが、今日という日はまだ終わりじゃない。
ターニングポイントともいえるイベントがもう一つ控えている。聖女祭の儀式の後に行われる晩餐会、そこでも試練がジークリンデを待ち受けているのだ。
その試練とは『多人数との会話』。それも苦手な相手ばかりと長時間過ごさねばならないのだ……!
……こう表現すると大したことないことかのように思えるかもしれないが、想像してみてほしい。自分が最も苦手とする行為を一番苦手なタイプの人間といっしょにやらないといけないというのはかなりのストレスだ。
晩餐会は長時間続くし、途中退席も難しい。
口下手なジークリンデにしてみれば拷問にも等しい時間、まさしく針のむしろだ。
だが、オレの魂に誓ってジークリンデにそんな思いはさせない。
もし彼女の尻が血だらけになる未来があるとすればそれはオレの尻が血だらけなり、大量出血でオレが死んだあと、いや、そうなったとしても立ち上がってみせるとも。
どうすればジークリンデを守りつつ、彼女に人間関係を構築させられるかは考え済みだ。
すなわち、『壁作戦』。
具体的にはジークリンデに近づく不届き者の前にオレが城壁の如く立ちはだかり、長話をしようものなら威圧してはじき出し、悪意のある輩は遠ざける。単純だが効果的な作戦だと自負している。
無論、相手は選ぶ。悪意のない相手、むしろジークリンデに好意を持っているような人物であればちゃんと通す。
良い刀が斬るべきものを選ぶように、良い城壁も拒む相手を選ぶものだ。
さて、その『壁作戦』だがかなり上手くいっている。
晩餐会が始まってから約2時間ほど立つが、ジークリンデはまだ一度も持病の頭痛を起こしていない。設定上もストレス性のものだと断言されていたから、オレがストレスを減らせている証拠だ。
こういう時ばかりは原作から変わらぬこの悪人面と騎士学校でえた『凶戦士』という不名誉な風聞が役に立つというものだ。
それにジークリンデとてまるっきり友人がいないわけではない。数少ない読書友達であるミュールセン伯爵令嬢と話している時は嬉しそうにしていた。
あの顔は、いいものだ。この城のすべての宝を集めてもジークリンデの笑顔に比べたら100分の1の価値もあるまい。
「……シグヴァルト卿」
そんなことを考えているとジークリンデが声を掛けてくるので、振り返る。
うお、女神かと思った。
化粧のされた美貌は言うまでもなく輝きに満ち溢れ、髪の色に合わせた赤色のドレスはさながら炎の衣だ。太陽の女神がこの晩餐会に参加していたとしても、ジークリンデの前では恥じらい隠れてしまうに違いない。
こんなに美しいジークリンデが壁の花になっているなんて人類の損失だ。
オレが彼女の従者じゃなかったらまっさきにダンスに誘っていた。ジークリンデがそういう派手な催しを好まないのは承知の上で、彼女と踊っていただろう。世のため人のために。
「シグヴァルト卿?」
「あ、はい。なんでしょうか、ジークリンデ様」
と、いかんいかん。見惚れてばかりではいけない。ちゃんと従者として仕事をしないと。
「そろそろ退席してもよいでしょう」
「ええ。もう十分かと」
「その前に、少し休憩なさい」
……なるほど。もう二時間も突っ立ているんだから少し休憩して食事でもしてこい、と言ってくれているわけだ。
今回は比較的わかりやすかったな。でも、従者としてジークリンデの傍を離れるわけにも……、
「わたしは、平気です」
「…………わかりました」
迷っていると背中を押される。
……もう客の大半は帰っている。ざっと見た感じ脅威になりそうなやつもいないし、ここはお言葉に甘えるか。過保護すぎるのもジークリンデのためにならないしな。
そういうわけで少しだけジークリンデの傍を離れて、食事の並べられたテーブルの方に移動する。
料理の大半は冷めてしまっているが、さすがは宮廷主催の晩餐会だ。味はすばらしいし、見栄えもよい。
といっても、料理やら酒やらは誰とどう味わうかが一番大事だ。どんな上等な料理も嫌いな相手と気まずい空気で食べるのでは味気ないものになってしまう。
……その意味ではジークリンデの宮廷での日常を思うと忍びない。この帝都では心休まることなどまずないだろう。
現在の帝都『オーディソア』は長い冷戦の最中にある。
理由は単純。皇帝が不在であり、その跡目を巡って派閥間での抗争が起きているからだ。
帝国暦1599年現在、この『統一オーディン帝国』の皇帝の座は空席となっている。3年前に先帝『バルドル六世』が崩御して以来ずっとだ。
通常、皇帝が身罷った場合はすぐに皇太子が即位するのだが、先帝は皇太子を選んでいなかったうえに文書としての遺言を残さなかった。これには一応理由があるのだが、重要なのは誰が至尊の冠を戴くべきか定められていないという点だ。
『帝国物語』開始時も同じ状況だった。ストーリでフォーカスされるのは聖女を巡る恋模様だが、その裏では皇帝の座を巡るやるかやられるかの政治闘争が繰り広げられていたのだ。
……この戦いからは逃げられない。例えジークリンデが皇位継承権を捨てたとしてもだ。
生き延びるには皇帝になるしかない。まさしく言うは易し、行うは難しの典型例だ。
今のジークリンデと彼女の率いる第一皇統派の力では玉座を狙うのは難しい。他の皇子たちを蹴散らし、原作の物語補正を受けた強者たちに勝つには足りないものだらけだ。
だが、今はオレがいる。足りないものを補うための道筋は当然考えてある……!
「――ひさしぶりじゃないか、ジークリンデ!」
忌々しい声が響いたのはその時だった。
原作通りのキンキンした高音。今世で聞くのはこれが初めてだが、誰かは一瞬で分かった。
……これは誉め言葉だが、よくもまあ声だけでここまでうっとおしい人格を表現できるもんだ。原作では声優さんの技量だったが、この世界でもそうだということは変わらず『ウザキャラ』なのだろう。
踵を返してジークリンデのもとに急ぐ。
あの無神経なお喋りバカとジークリンデを一秒たりとも一緒にしてられない。
すぐに標的を視界に捉える。このままだと右ストレートが即座に飛び出しかねないので、深呼吸も忘れずにしておく。
相手はドン引きするほどのアホだが公爵家の跡取り。スナック感覚でぶん殴るわけにはいかない。
しかも、これはオレのミスだ。
視界にはいなかったから晩餐会場の逆側にでもいたのだろうが、見つけて遠ざけておくべきだった。それができなくても、やはり、ジークリンデの傍を離れるべきじゃなかった。
「君が社交の場にいるとは珍しいと思ってね、声を掛けたのさ。あれかい? 書庫に籠るのも飽きたのかい?」
高慢ちきな話し方をする赤髪の青年。こいつの名前は『イーライ・ヴェル・ヨルドバーン』、帝国西部の大貴族であるヨルドバーン公爵家の長子だ。
公爵ということは元をたどれば皇室の血筋に連なっていることだ。
現にヨルドバーン公爵は先帝の従弟、つまり、イーライはジークリンデから見るとはとこにあたる。
公爵は先帝崩御の時点で公爵家を継いでいたのでその親族ともども皇位継承権はないが、それでも皇帝の親族という権威とそれに付随する権力、影響力は大きい。
……原作のキリアンであればこういう力のある相手には媚びへつらう。主君への忠誠心や誠実さよりも、己の保身を優先し、道理を曲げる。
たとえば、こんな具合だろう。「ヨルドバーン卿に置かれてはご機嫌麗しゅう。靴を磨かせていただきませんか? なんなら、おなめします~」と。
オレはそんなことはしない。権力をかさに着るような輩にはしつけが必要だ。
「まあ、いずれ君も我が家に嫁ぐんだ。そのためにも顔つなぎはしておくべきだね。館に入ってからは今ほどの自由は許されないわけだし」
「……貴方との婚約を受けた覚えはありませんが」
「またそんなことを言っているのか。呆れるよ」
ああ、聞こえてくる会話に頭の血管が切れそうだ。
思わず足取りが早くなる。正直、殴るか殴らないかで言えばもう殴るほうに気持ちは傾いている。
だいたい前世の頃からオレはイーライが嫌いだ。
こいつより嫌いなのは腐れキリアンしかいないが、今はその腐れキリアンがオレなのでこいつが一番嫌いだ。
ジークリンデに振られた腹いせにさんざん嫌がらせしておきながら、物語が進むと原作主人公に媚を売るさまなど何度ぶん殴っても足りない。
実際、今のイーライの発現は無礼どころか万死に値するが、彼に注意できる家格のものはこの場にはいない。
貴族としての格で言えば公爵家は皇室に次ぐ序列二位。注意できるのはそれこそジークリンデ本人くらいのものだが、そうできれば苦労はない。
ましてや、イーライとジークリンデは親戚であり、元許嫁だ。ジークリンデは彼との婚姻を正式に断っているが、それでも関係性を鑑みれば他人が割り込むのは難しい。
――許せん。
こいつはジークリンデが呆れて反撃をしないと分かっていてイキってやがる。虫唾が走るとはこのことだ。
「だいたい、君は――」
「――ジークリンデ様」
「ひぃっ!?」
あえてイーライの背中越しにジークリンデに声を掛ける。
その瞬間、イーライはすさまじい速度で振り返り、オレの姿を目にすると天敵に遭遇した小動物のように飛び退いた。さしずめ着飾ったドブネズミだな、お似合いだ。
整った顔立ちが驚愕と恐怖に歪んでいる。ここにオレがいるのが信じられない、そんな顔だった。
どうやら学生時代の思い出はまだ健在のようだ。もっとも、オレがいないところでこんなおいたを、それもジークリンデ対して無礼を働くとはしつけが足りなかったのだと恥じ入るばかりだが。
「……シグヴァルト卿」
「お困りのようでしたので。はせ参じました」
そのまま前進してジークリンデとイーライの間に割って入る。
盾としての役割を果たす時だ。ついでに言えば、この盾は守るだけではなく相手を殴るのにも使えるぞ。
「し、ししし、シグヴァルト……!? き、きさま、なぜここに……!?」
「なぜもなにも。ジークリンデ様の従者なのですからお側にいるのは当然でしょう?」
「な!? きさまがジークリンデの!?」
「……ええ」
オレとイーライの関係性を理解していないながらもジークリンデが頷く。
雰囲気でジークリンデが溜飲を下げたのが分かる。なんにせよイーライが狼狽しているのは彼女にしてみれば愉快な光景のはずだ。
「ですので、これからはいついかなる時もジークリンデ様のお側にはこのキリアン・シグヴァルトありと理解されますよう」
「な、なんてことだ……」
顔面蒼白で後ずさるイーライ。今彼の脳裏では学生時代の痛みを伴う苦い記憶が次々とフラッシュバックしているはずだ。
想像通りの反応に口角が上がる。獲物をいたぶる猛獣もこんな心持に違いない。
これまでの反応でもわかる通り、オレとイーライは帝都にある騎士学校の同期だ。
この騎士学校は貴族の子弟の内、男子のみが通う学校で礼儀作法から軍学の知識、武芸にいたるまで一人前の貴族として必要なことをすべて叩き込んでくれる。
そんな学校で三年間の間、オレはイーライをボコボコにしまくった。回数にして二十回、こいつの顔面が変形していないのは学園の治療師の腕がよかったからにすぎない。
無論、オレはイーライのような性根はしていない。全てゆえあっての暴行、決闘に際しての必要のある暴力だ。
オレは学生時代、在学生全員と一対一の決闘を行い、勝利することを目標として活動していた。
その結果、ついたあだ名が『東辺境の野蛮人』、あるいは『シグヴァルトの凶戦士』だ。
もちろん、そんなバカなことをしたのにもきちんと理由はある。強くなるためだ。
原作における『キリアン・シグヴァルト』は弱い。精神も弱いが、物理的にはもっと弱い。
具体的には原作ゲーム内で1から100で表される武勇、つまり、個人としての戦闘能力の値が『3』しかない。他の能力も軒並み一桁だが、特に武勇はひどい。
なんならこの前までただの村娘だったフレインでさえ初期値は10あるので、ぶっちぎりで最下位だ。村娘に喧嘩で負ける成人貴族なんてこの世界を探し回ってもキリアンくらいだ。
普通ならここで分相応に第二の人生をあきらめてつつましく暮らそうとするんだろうが、オレにはジークリンデを救うという使命があった。だから頑張れた。
『帝都物語』シリーズにおいてキャラクター能力値は成長するものであり、そのためには実戦経験を積むのがもっとも効率が良い。
そういうわけで騎士学校に入学と同時に学年問わずほぼ全員と決闘をした。その甲斐あって少しは強くなれた。たぶん武勇50くらいはあるはずだ。元が低いしな、高望みはしない。
定期的にイーライに決闘を吹っかけてボコボコにしていたのもその一環。自分の強さを測る指標として、また、ストレス発散という実益も兼ねてのことだ。
まあ、こっちから吹っかけてなくても自分から絡んでくるから楽だった、というのもあるし、騎士学校という環境も都合がよかった。学校内での諍いを学校の外に持ち出すのは恥とされているしな。イーライにできる反撃はせいぜいオレをリンチしようと手下と待ち伏せするくらいだ。無論、その時は手下ごと叩きのめしてやったが。
「学生時代を思い出しますね。なあ、イーライ?」
「ぶ、無礼だぞ! こ、ここは騎士学校じゃないんだ! 貴様が私を殴れば罪になるぞ! 罪に!」
「ほう。なるほど? それで? そんなことをオレが今更気にするとでも?」
「え……?」
渾身の反撃をしたはずが、オレに一言で叩き潰され、イーライの顔から再び血の気が失せる。
バカな奴め。他人を見下してて攻撃的なくせに肝が小さすぎる。だから、この程度で動じることになる。
「我が身可愛さに主への侮辱を見過ごすなど騎士の名折れ、戦士の恥。辺境の人間は誇りを重んじるのだと、あなたには教えて差し上げたはずですが…」
「くっ……!?」
これ見よがしに拳を握る。貴族の身体能力は一般人の約五倍。今のオレが本気で殴れば鉄板に拳の痕を作るくらいは容易い。
……実際に、この場で公爵家の跡取りをオレが殴るかといえば、それはない、と思う、たぶん。
だって、今殴るとジークリンデに迷惑が掛かる。だから殴るにしても殴っていい状況をセッティングしてからだ。無論、その方法もすでに考えてある。こいつがもう一言でもジークリンデに無礼な口をきいたら話は別だが。
まあ、殴る殴らないは脇に置くとしても、大事なのは相手にこいつならやりかねないと思わせることだ。
その点で言えば、学生時代に身分を問わず片っ端から決闘を申し込んでいたという実績は大いに役立つ。オレが殴ったことがないのは皇族だけで、ほかは男爵から公爵令息、聖職者に至るまで一度はぶん殴っている。今更、身分の差なんて気にしない。
「お、おのれ……! お、覚えていろよ……!」
頬にめり込む拳の感触でも思い出したのか、わかりやすい捨て台詞を残して去っていくイーライ。
三流の小悪党が。言わなくてもてめえの悪行を忘れるものか。ジークリンデの許しさえあればいつでも顔の形を変えてやるぞ。
「……シグヴァルト卿」
雑魚、カス、人間のクズを体現した背中をにらんでいるとジークリンデがため息を吐く。
……呆れられてしまったか? 確かにあまりスマートな方法での解決ではなかった。結局、力で脅しただけだしな。
「お許しを。また差し出がましい真似をしてしまいました」
「…………いえ。その……」
しかし、続くジークリンデの反応は予想と違っていた。
彼女は何か言いにくそうに口ごもって、それから意を決したようにこう言った。
「すこし、スッとしました」
……なるほど。ジークリンデが喜んでいるのならそれが一番だ。
言ってしまった後に、恥ずかしそうにハンカチで口を覆う様が実に可愛らしい。
美人なだけではなくこんな小動物めいた愛嬌まであるとか最強か? この皇女。いや、最強だったわ。
◇
『第一皇女ジークリンデの日記より抜粋 聖女祭晩餐会の日』
我が騎士、キリアン・シグヴァルトは奇妙だ。
姿形は典型的な帝国騎士なのだが、その人柄や行動、思考は奇妙というほかない。
まず、察しが良すぎる。
わたしの感情や考えをどうにも先読みされているような気さえする。聖女と出会った時なんてわたしの言葉を補い、伝わらないとあきらめていた真意でさえつまびらかにしてみせた。
あれは、奇妙だ。これまでに色んな使用人をあてがわれはしたが、誰一人としてそんなことはできなかった。いや、それ以前に、わたしの顔色の変わらなさに皆怯えてしまっていた。
わたしが、悪いのだ。
認めるのは断腸の思いだけれど、わたしは、社交が苦手だ。笑顔を作るのも、話をすることも、どうしてもうまくできない。
治そうとはしてきたが、もう無理だとあきらめてもいる。
皇祖曰く「人はみな望みを抱くが、一番の望みは手の届かない場所にある」。であるならば、わたしは一生一人で過ごすのだと諦めているし、覚悟もしている。
でも、彼は、シグヴァルト卿は、分かっていた。わたしが何がしたくて、何が嫌で、何を愛しているのか、分かってくれている。そう信じてしまいたくなる。そんなことは、ありえないのに。
まだ出会ってからたったの一日なのに、わたしはなんて夢見がちなのだろうか。これでは弟のバルドのことを批難できない。
だいたい、わたしがシグヴァルト卿を従者に選んだのは、彼の武勇と猛々しさを見込んでだ。
どちらも我が第一皇統派に必要なものだ。騎士学校で『凶戦士』の異名をとり、自らも戦場に出ているというキリアン・シグヴァルトを迎え入れられれば、武に欠く第一皇統派を強くできるとわたしは考えた。
そのためには従者が仮に熊の毛皮を被るような野蛮人でも構わない、そう覚悟してのことだ。
でも、実際に現れたシグヴァルト卿は奇妙なほどに紳士的で、察しがよくて、わたしにやさしい。忠誠心に篤い、ともいえる。きっとそうだ。
だけど、印象通りのところもある。
あの公爵令息に対する、態度、というか言動はまさしく噂の『凶戦士』そのものだった。
わたしがあの場にいなかったら、シグヴァルト卿は公爵令息を殴打していたかもしれない。少なくとも騎士学校時代には実際にそうしていたようだし、隣にいて彼が拳を握る音を聞いたものとしてはその確信がある。
…………令嬢として恥ずべきことだけど、少しだけ見てみたかった。わたしの騎士が、あの品のない公爵令息を殴るところを。
…………それはともかくとしてキリアン・シグヴァルトは奇妙な人物ではあるけれど、わたしの選んだ、わたしの騎士だ。
だから、もしかしたら、本当にあり得ないことだと思うけれども、シグヴァルト卿ならば、わたしのことをわかって――、
――ここから先は後から塗りつぶされていて判読不能。第一皇女の奥ゆかしい性格の表れであろう。
あとがき
新作です! 第一章完結まで一か月ほどは毎日更新の予定です!




