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《 落ち葉を踏んで散歩する 》
傷んだ両脚の神経は修復不可能
それでも短時間の歩行は可能
だから久しぶりに散歩する
こんなに凪いだ気分で歩くのは何年振りだろう
落ち葉をサクサク踏んでゆっくり歩く道
冷たく澄んだ空気
枯れた葉をつけた木々が微かに枝を揺らす
今 決して幸せではない
でも不幸でもない
落ち葉をサクサク踏んでゆっくり歩く道
冬に咲く小さな花を見つける
可愛い帽子を被ったどんぐりが落ちている
今 決して愉しくはない
でも哀しくもない
いつも尖った石を素足で踏んでるような
そんな両足裏の痛みを束の間忘れて
落ち葉をサクサク踏んでゆっくり歩く道
凪いだ心のまま
落ち葉の絨毯を踏み踏み
この先に
私の終着点があればいいと望みながら歩く道




