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《 冬の蝶 》



 夏が過ぎて 秋も終わったこの季節に、


 一匹の蝶がベランダの手摺に止まっている。


 産まれるのか遅かったの?


 蛹でいた日が長かったの?


 なぜ今 羽化してしまったの?


 燦々と輝く陽射しも無く、


 敵に襲われる心配は無いのと同時に、


 戯れる仲間も居なく 恋の相手も居ない。


 夢見た世界と違う冷たい風に吹かれ、


 独り佇んでいる蝶を 助けてあげたいけれど、


 どうする事もできなくて。


 じっとして全く動かない蝶を見つめている。


 夜には命尽きてしまうでしょうか?


 ふと 自分を蝶に重ねて思うのは、


 運命に 抗う事も従う事もできなければ、


 唯々 途方に暮れて 夢を見て、


 その夢の中に逃避する事。


 思い描いた暖かく愉しい時間の夢に潜り込む。


 そうすれば、


 寒くない。


 哀しくない。


 寂しくない。


 この蝶も今、


 夢を見ながら 命を終えようとしてるのでしょうか?


 たった独りで。



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