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《 母の願い 》
刃の 言の葉の
その刃先を向けてくる者達は
怯えや憤る姿を観て
愉しみたいだけだから
決して 動揺せず狼狽せぬように…と
未だ若き我が子に伝えました
けれど頑なに心を鎧うあまり
温情な言の葉を向けてくれる者達が
差し伸べた手を振り払われたと誤解して
哀しませてしまうかもしれないから
向けられた言の葉を真っ直ぐ見て
刃なのか
温情なのか
見間違う事の無いように…とも
未だ未だ若き我が子に伝えました
あれほど酒に酔って暴れた人であっても
君はあの時 あの部屋で
かつて
君の父親だったものが溶けて染み込んだ床を
他人が土足で踏み歩いてるのを見て
君の中で
何かが完全に停止したのが解ったけれど
それでも君は前に進み
生きようとしていますね
君が辿り着きたい所に向かう道は
一つではありません
回り道をしても良いのです
寄り道をしても良いのです
行きたい所に着くならば
どのような道を歩んでも良いのだから
君は 自分自身を縛らずに
一歩一歩 進んで欲しいと母は願っています




