farewell
雲を抜けて遠くの街へ行く
整理のつかない気持ちまるごと
鉄の塊は私を連れて
鼻歌ひとつ
懐かしい景色に抱きしめられて
ここにいたんだなと思う
足は痛むのに進むのはやめられなかった
先生の危うさの中に
自分自身を見つけた
私とあなたは似ていたのかもしれない
笑った先生の写真はまるで
まだ生きているみたいだった
覚えていてくれる人が
貴女に会えてよかったと言った
その言葉をもらう
価値があるのだと
今はもうちゃんと知っているのに
それでも私は
恵まれすぎていると思った
先生私は
あなたの持っていた危うさを
失くさないまま
消してしまわないまま
生きてみようと思います
適度に無理せず
それでもあなたみたいに
誠実な人であろうと思います
後悔はしたけれど
それでも私を見つけてくれたから
先生はそういう人だったから
私は生きてみようと思う
馬鹿なことをしながら
時々だらけてのんびりしながら
時に自分の悲劇を呪いながら
自分を愛して
隣人を愛して
生きることを愛してみようと思います