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三匹の従魔登録

悪食王なのに、悪食が使えないの。なんで?

「テイムを持っていない人に魔物が懐くなんて不思議ですねー!これは、調べに調べ尽くさないと危険があるかもしれません!という事で、この子たちと出会った状況から詳しくお願いします!」


 出会った状況なんて絶対に言いたくない。スライム食べてる所を見られて、追いかけっこしたら懐かれたって信じられるか?僕なら信じられないし、何より、あの場所の事は秘密にしておきたい。


「ヴァイス達と出会った状況と言われても、粘魔の宝石箱を探索中に見つけて。見つけられらラッキーと言われてたので存分に見ておこうと見つめてたら近づいて来たので、持ってたご飯をあげてみたら懐かれちゃったみたいで。」


「スライム種とはいえ、魔物にご飯をあげたんですか。ちなみに何をあげたんですか?」


「何体か倒して持っていた魔石です。スライムの。戦闘の練習に潜っていたんですけど、あそこ人が多いですね。ちょっと最短ルートから外れて戦ってたんですけど、それが良かったのかなって。」


『スライムの魔石じゃおやつにもならないよー』


 ヴァイスもアスールもルージュ否定しない!ヴァイスは念話で言ってくるからまだいいけど、ルージュとアスールはボディーランゲージだから、激しく横に動くし、よく肩から落ちないね君たち!


「たまたまで三体と出会ったんですねー。でも、ジュエルスライムの主食ってその体を構成している宝石だと思うんですが、宝石をあげたのならまだしも、よく魔石で懐きましたね。スライムに魔石をあげたことがあるって報告は良く聞くんですが、懐かれたって聞いたことないですよ。それなのに、上位のジュエルスライムが魔石で…。」


 この従魔登録の人とは言え詳しすぎないか。ジュエルスライムなんて、出会えたらラッキーな上、ドロップの宝石目当てに倒す人ばかりだから、ジュエルスライムの生態なんて、どこにも無かったはず。


「さすが従魔登録のギルド員さんですね。どこでそんなにジュエルスライムの情報手にしたんです?この子たちに懐かれてから調べたんですけど、全然情報が出てこなくて。かろうじて分かったのは従魔はテイマーの魔力を食べるため、基本的に食費はかからないっていう事だけで。まぁそれでも、宝石をご飯のたびに与えることにならなくてよかったって思ったんですけど。」


「私の情報は私が自ら集めた情報よ?ジュエルスライムをテイムした人は過去を見ても稀だから、他の魔物に比べて情報は少ないんだけど。だから何かわかったことがあったら私に教えてね?」


 こうやって話してる間も大人しいし、従魔として問題ないわね。と言って、奥から白色に剣と杖が交差したギルドのマークが描かれたバンダナを三枚持って来た。


「これは?」


「これが登録従魔用のバンダナ。他の人が見て一目でわかるところに着けておいて。そうすればダンジョンの中でも外でも、ギルドが許可した登録従魔ってわかってもらえるから。」


 スライムのすべすべぷにぷにボディのどこに付ければいいだろう?


「ヴァイス、ルージュ、アスール。これを巻いておけば他の人から攻撃されなくなるんだが、どこに付けたいって希望はあるか?」


『マークが見えればいいんでしょー?だったらそのマークだけ表面に出してればいいよね?』


 そう言ってヴァイスは綺麗な表面にギルドのマークそっくりな剣と杖が交差したマークを浮かび上がらせた。


『あ、アスールは頭に巻きたいって。ルージュは人間のように体に巻きたいみたいー。』


 アスールの上半分にバンダナを巻き、ルージュの下半分にバンダナを巻いた。不思議なことにぴょんぴょん跳ねてるのに落ちることがない。


「これでいいですかね?ヴァイスはマークだけになっちゃったんですけど。」


 不安になりながら振り返り聞いてみると。


「この白いジュエルスライムのこんなこと初めて見たわ。他のジュエルスライムもできる事なのかしら?それともこの子が特別?そういえば白いジュエルスライムって聞いたことないわね。もしかしてユニーク個体?だからあんなことが出来るの…。よく見ると赤いこと青い子も他のジュエルスライムと比べて色が鮮やかね。どうしてなのかしら?分からないことが多いわ。解明したい!解明したいわー!!!」


 トリップしてる…。


『やっぱりこれは倒しておいた方が良いんじゃない?アスールやルージュも震えてるし、脅威は先に排除しておかないと。』


 待て!ヴァイス待つんだ。まだ何もされてないだろ。相手に先に手を出させないとお前たちが悪くなるから、何かするなら相手にさせてからだ。


「お姉さん戻ってきてください。従魔登録はこれで完了ですか?」


「もっと近くで観察させて貰えれば………はっ!えっと、従魔登録ですか?ちゃんとバンダナ巻いてますし、白い子もマークがあるので、問題ないと思います。」


「それじゃあもういいんですね?従魔登録ありがとうございました。」


 従魔登録カウンターから帰ろうとしたとき。


「あ、ちょっと待ってください。まだ伝えなければいけないことがありますので。今回の従魔登録でそちらの三匹のジュエルスライムは梔子さんの監督下になりました。ジュエルスライムが何か問題を起こした時はあなたに責任を取ってもらう事になりますので、注意してください。問題を起こした従魔は討伐対象に認定されますので、本当に注意してください。せっかくの珍しいジュエルスライムたちなので!」


 僕を心配というよりジュエルスライムたちの心配だよね、どう見ても。

 …僕名乗ってないよな。

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