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カラカル型は臆病者

「さてと。まずはあいつのことを整理するか。まずちゃんと猫科っぽかったな。」


 顔の黒い模様と、耳の先まで黒い線が入ってて、先に黒いふさふさがあったからたぶんカラカルって言う猫科だと思われる。


『警戒心強かったよねー。全然姿見せてくれなかったし、こっちが隠れてから五分くらい経ってからようやく出てきたし。』


「そのわりに好奇心も強かったな。姿見せなかったとはいえ、全然逃げなかったし。普通何も見えなくて臭いもなければ、すぐにどっか行くだろ?それが見えないところをぐるぐる回ってたからな。」


 こちらが攻撃するまでの相手の行動はこんなものか。強い警戒心とそれと同じくらいの好奇心持ち。


「相手が持つと思われる能力は驚いたからなのか、急に大きくなったあれだろ。それと、乱打を避けたときの素早さ。」


『大きくなったのは魔力を使ってるから、能力だと思う。あれより大きくなれるのかそれともあれが最大だったのかは分からないけどね。』


 見つけられていないときの周りを回ってるときも魔力が膨れ上がったって言ってたから、あの時も時折デカくなっていたんだろうと思うが、大きくなってたのは何故なんだろうか。魔力の動きが無ければヴァイスも気づかなかったと思うんだが。


「あいつが大きくなることでどんなことが起きたか分かるか?」


『大きくなった時?うーん。君の攻撃から逃げる時に、全身に満遍なく魔力を纏ってたけど、それが大きくなることと関係あるかと言われたらそんなことないと思うし。しいて言うなら、小さい時より魔力の動きが速かったような気がするかなー?』


 魔力の動きが速い。もしかして、大きいときの方が本来の大きさで、圧縮してるのか?だから圧縮して固くなった魔力の動きは遅くて、解放して本来の柔らかさになった魔力の動きは速いとか?


「全身に魔力を纏った時は『身体強化』みたいなものなのか?身体能力を比較的に上昇させるとかあるのか?」


『身体強化は身体強化でちゃんと能力として確立してるはずだから、たぶんあれは違うかな。別の能力の可能性はあるけどね。攻撃して来なかったのも気になるし。』


「確かに不意打ちをしたとは言え、目の前に突然敵が現れたら手が出るよな。それが、真っ先に逃げを選択するなんてな。」


 警戒心の方が強かったという事だな。そんな警戒心強い魔物をどうやって倒すか。普通なら罠でも設置するんだが、設置する罠なんてないしな。避けたときのあの速さは僕も欲しいし、どうにかして倒したいんだが、どうすればいいのか。


「カラカル型を捕まえる案何かないか?」


『姿隠せば近づいてくるけど、それでも時間かかるしねー。あいつの好物で釣ってみるー?』


「カラカルの好物ってなんだよ。肉か?肉なんて持ってないが、しいて言うなら僕自身か?だけど、警戒して寄ってこなかったしな。地道に探すしかないか。」


 その場で考えてもいい案が浮かばないため、ひとまず歩いて探し回ることに。


「ヴァイスはカラカルの魔力を覚えてたりしないか?それが分かれば、そちらの方向に行くんだけど。」


『それがさー。小さいときは魔力が見えにくくてさー。近ければまだわかるんだけど、今はもう全然見えないね。』


「地道に歩くしかないか。」


 とりあえず前進すること五分。後ろの方で草が揺れる音がした。


「本当に好奇心が大きいな。さっきと同じ個体かは分からないが、また来たのか。これなら倒す手段さえ確立できれば、能力解析もどんどん進むな。」


『その手段が分かってないんだけどねー。』


「至近距離なのに逃げられるあの速さが厄介なんだ。だから、次も絶対に後ろに逃げるのか分からないが、ヴァイスには退路を断ってほしい。一発目が当てられれば倒せるような気がするんだ。一体しか現れないし。」


『それじゃあちょっと大きくなって宝石纏って壁になるよ。』


 その後、自分に『擬態』と『隠れる』を使用し、五分待つ。後一歩というところまで近づいてくるのを待ち、ヴァイスにカラカル型が回ってる奥に控えてもらい、攻撃準備を整える。


 次にヴァイスの方を通るときに攻撃を仕掛ける。

『分かった。壁の高さは草をちょっと超えるくらいだから、上に逃げられない様にだけ気をつけてね!』


 ヴァイスとタイミングを計り、カラカル型が僕とヴァイスの間に来た時に攻撃を仕掛ける。一歩踏み出しながら『乱打』を開始すると、やはり驚いたのか一瞬で大きくなる。そのまま前回と同様に後ろに逃げられそうになった時、カラカル型の背後に壁が出来る。カラカル型の姿がぶれるもヴァイスにぶつかりその場にとどまり、そこを乱打の一発目が捉える!


「獲ったー!ヴァイスはそのまま壁をキープ!」


『分かったけどさー。別に痛くないけどなんか嫌だなー。』


 カラカル型はジュエルスライムの宝石纏いに『硬化』を掛けた『乱打』に耐えらず、二発で動かなくなった。


「乱打が最低二発だから二発当てたが、もしかして一発でも足りてたか?」


『一発目は驚いてたのか思いっきり入ってたねー!あれは凄い当たりだったよー!』


 後は逃げる時に横とかに逃げられたときの対処法の確立だな。

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