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昼はワンコインの イタリアン

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。

今日は何を飲もうかな。

うん。今日はイタリアンにしよう。


札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅から東に向かって徒歩2分。

串鳥のワイン酒場 TANT○ 駅前通店だ。


札幌市営地下鉄東豊線(とうほうせん )さっぽろ駅からも西に向かって徒歩3分。

JR札幌駅からも南に向かって徒歩5分なので好立地と言って良いだろう。


残念ながらこちらも閉店してしまったが良店だったので紹介しておきたい。


当時は気付かなかったが串鳥グループだったらしい。リーズナブルにイタリアンを提供するお店だったので和のイメージが強い串鳥と結び付かず意外と思うと同時にだからコスパ良いのに美味しかったのかと納得もした。外食産業は経営層の味に対する妥協の無さが末端の店舗まで受け継がれるのだなと再認識する次第だ。


こちらも度々利用してたが知ったキッカケは札幌駅近くで安く飲める店は無いかな?と探したことが最初だ。イタリアンの店としてヒットし内装含め小洒落た雰囲気で敷居の高さを感じたが、訪問してしまえば気さくなお店に他ならない。お洒落な雰囲気作りの一環なのか少々テーブルと椅子が高くて落ち着かなさは感じたが立ち飲みと比べれば居心地が良いことは間違いない。飲み放題があるので心置きなく頂くとしよう。乾杯!(終わりの始まり)


一緒に飲むメンツは昔ながらの飲み仲間なので気兼ねなく飲み進める。


彼とは長年の飲み仲間なのだが当初から凄腕でゴッドハンドと呼ばれていた。配属されてたのはいわゆる開発された製品を評価・テストをする部署だったのだが、彼は断トツでバグを発見・再現することが上手だったのだ。


評価すると言っても段階があり、バイトのように言われたことだけをひたすら繰り返すテスターもいれば、どのようなテスト項目を実施すればバグが出やすいかを仕様を元に検討・作成する人もいたりするが、その中でも彼は勘どころを掴むのが異常に上手いうえに再現率も高かったのだ。


当時はガラケ全盛期だったので携帯の評価が多かったのだが、バグの発見と再現がどれだけ難しいかご存知だろうか?


製品により二つ折りだったり液晶が回転したり横に折れたりスライド式などなど様々な種類があったことを覚えている方もいるだろうが、それらの様々な機種でバグを発見・再現するのだ。


具体例で言うと電池が残りわずかな状態の時に電話着信とメール着信が同時に発生した時だけ発生するバグとか、電波がギリギリ切れる瞬間かつ特定の条件が重なった時だけ発生するバグとか、スライド式携帯をスライドした瞬間に電話とメールが同時着信した際だけ発生するバグなど、再現するのが相当難易度高いケースがあったのだが彼は数回テストを重ねるだけで難なく再現してしまうのだ。あまりにも簡単に再現するので誰でも再現出来るのかと思えば大抵のテスターは再現するのに一時間以上掛かることも珍しくない。これらのエピソードだけでゴッドハンドと呼ばれる理由が分かるというものだろう。


なお私は開発チームに所属していたので評価チームが挙げてくるバグの事象を元にプログラムを精査しバグ箇所の発見・改修を行っていたのだが、理屈上バグはここで起きてるから改修したことでバグが発生しないハズ。とは思うものの私は評価・テスターとしてはポンコツなので、問題なく改修出来たからバグが再現されないのか単に私の再現手順がポンコツだからバグが発生しないかが分からないのだ。


その時はスライド式携帯をスライドした際に発生するバグ改修を行ったのだがあまりにも自信が無いので改修前のバグ発生バージョンでタイミングを掴もうと再現手順通りにトライするも五十回以上ガチャガチャしてるのに一度もバグが発生しない。何てこった。私の操作が的を得てないだけだったのか。。それでは改修が正しいかの確認が取れないではないか。


何度タイミングをずらしながらチャレンジしても再現しそうに無かったので仕方なく評価チームの人に改修後バージョンで確認して貰ったところあっさり「大丈夫です。バグ改修されてますね」とのこと。え?そんな簡単に断言して良いの?試しにバグ改修前版でチェックしてくれないか依頼したところ数回繰り返しただけであっさりバグを再現。うん。やはりバグ改修されてるので問題ないですよとのこと。マジか。こちとら五十回を超えても一度も再現出来なかったのにこんなあっさり再現出来るのかとテスターの凄さを垣間見た瞬間だった。


このように再現するだけでも向き・不向きがあるのだが、そもそもずっと評価をすることに対しても向き・不向きがあるのだ。


私は評価には全く向いてないと自覚している。何せ同じことをずっと繰り返すことが大の苦手だからだ。その点開発は常に違うことをする必要があるし自分でロジックを検討・組み上げるので物凄くやりがいもあるし集中力も続く。


評価・テスターとして名を馳せた彼に聞くといつも答えは評価・テスターとしての働きの方が向いてるとのこと。適材適所ということだろう。今では転職したうえ評価とは異なる部署に配属されてるので物足りなさを感じてるとのこと。望みの部署に配属されるよう祈るばかりだ。


評価で思い出したが電池切れギリギリの試験をするためにわざわざ時間をかけてワンセグを十時間近く再生することで限界近くまで減らしたにも関わらず、それを知らない他のメンバーが「もうすぐ電池切れそうだから試験するのに困るだろう」と親切心で電池を充電してしまい試験計画が台無しになった話や、電波が遮断される状況を作るためずっとエレベーターに乗ってた話など笑い話に暇がなかった。本人としては試験をするため必死なのだろうが周りから見ると笑い話となるのは良くあることだ。酒の肴としてこれからも思い出話に登場すると思うと苦労というのも悪い側面ばかりではないのだなと思う今日この頃だ。


盛大に脱線した。元に戻ろう。


私は利用したことが無いがこちらは昼のランチタイムにはワンコインで提供しており大人気だったらしい。イタリアンのきちんとしたメニューがワンコインとか価格破壊にも程があるが広告料代わりと考えたらアリな戦略なのかもしれない。


とは言え夜の飲む時間でもほとんどのメニューがリーズナブルで気軽に楽しめるのが有り難い。特に我々のようにほんの少しツマミがあれば最後まで戦えるようなメンツであれば尚更と言えよう。さて何を頼もうか。


頼んだメニューはこちら。


・生モッツアレラと生ハムのピッツァ

・えびのアヒージョ

・シーザーサラダ


お通しは揚げパスタ。うん旨い。これだけで最後まで行けなくは無いが若干物足りなさを感じるので追加注文は必須だ。


生モッツアレラと生ハムのピッツァ。間違いない美味さ。リーズナブルなのに普通に旨くて驚く。


えびのアヒージョ。こちらも旨い。バゲットと共にビールが進む。


シーザーサラダ。油多めなメニューばかりなので野菜もあった方が良いよねということで注文。うん美味い。交互に食べることで胃もたれせずスッキリ飲食が進む。


ということで惜しまれつつ閉店したが中心街にあるのにコスパと味に優れた良店だった。串鳥は未だ健在なのでいつか復活することがあるかも知れない。その際はまた来ます!


ごちそうさまでした。

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