麻生で 海鮮居酒屋
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は海鮮居酒屋にしよう。
札幌市営地下鉄南北線麻生駅から南に向かって徒歩3分。
つぼ○ 南麻生店だ。
こちらは北海道に移住してから近所だしと訪問したところ感動するレベルに旨かった店だったので懐かしさもあり再訪した次第だ。
皆さんは昔すごく美味しいと思ってた店から何らかの理由で足が遠のき、それなりの年月が経過した後で再訪したことはあるだろうか。飲食は開業後十年で九割が廃業するらしい。それ以上の年月が経てば生き残る確率がもっと低くなることは想像に難くない。逆に言えば十年以上生き残ってるお店は外れが少ないと言っても良いのではなかろうか。
それはある意味正しいし、ある意味そうでもないと思うことがあった。
過去に私が大好きでよく通ってたラーメン屋さんがあり最低でも週イチ。平均して週三くらい食べるほど大好きで、引っ越した後も車で一時間半近くかけて食べに行くほど大好きなお店があった。
北海道に移住してからもその店を回想しては食べたい欲をかられたものだ。
詳細は省くがそのころ配属されていた会社の同僚がブログでオススメしてる私のイチオシラーメン屋が気になったらしく、東京観光のついでに友達を連れて訪問したとのこと。おぉ客観的な評価は気になる。「どうでした?」と手の平を合わせながらワクワクと聞いたところ「行って損した」とのこと。
予想外の回答に頭が真っ白になり理解が追いつかない。数秒固まったあと「・・・と言いますと?」と声を絞り出すと「せっかく遠くまで友達連れて行ったのに全然美味くなくて友達を騙した気分がすることも含め損した気分だった」とのこと。そ、それは大変失礼しました。。(合掌姿のまま顔を伏せる)
味の好みは千差万別なので仕方ないとは言え結構不便な場所までわざわざ友達を連れて訪問したのに外れだった時の落胆は酷いものだろう。その人は別に私を攻めてるワケでは無かったが申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ううむ。何故だろう?単純に好みの問題だったのだろうか?それとも実際に大して美味く無いのか?でもあんなに大好きで通ってた店が不味いとは思えないし。。と考えてるうちに閃く答えがあった。それは「北海道に移住してから全てのグルメが美味い」だ。
海産物は言うまでもなくラーメン、スープカレー、ジンギスカン、豚丼、焼き鳥、ザンギなどなど。私は食べないがスイーツ系も含めて外れを探す方が難しいくらいだ。あ、あった。「ジンギスカンキャラメル」コレだけはネタ・罰ゲーム枠なので気を付けて欲しい。ある時ふざけてジンギスカンキャラメルを同じ部屋の同僚に配ったことがあるのだが食ったあと全員無言で暗くなるという珍事件を発生させてしまった。正直すまんかった。
レベルが上がる時は美味い。嬉しい。の感情で満たされるがレベルが下がる時は落胆するということだろう。そう言えば観光地ど真ん中なのにラーメンが旨くて驚いたことを思い出すと同時に「こちらの人たちはアレが最低レベルなのだ」と再認識。改めて同僚には謝罪した次第だ。(落胆したのは事実だろうが冗談だと笑ってくれる人柄で良かった)
その件があったので東京出張が決まった際いの一番で確認することを決意。約6年ぶりの訪問となるので期待も含め胸が高まる。通いまくってたおかげか店主さんが覚えていてくれたことが嬉しかったが肝心なのは味だ。ドキドキの答え合わせタイムが始まる。さてお味はいかがなものか?
・・・うん。悪くはない。散々食べた味だ。だがしかしこの感情は何だろう?
一言でいうと「昔から食べ続けて親しんだ味ならともかく初来店でこの味だったら残念さを感じるかな?」だ。
そのお店の名誉のために断っておくと不味いワケではないし、何なら地元の人達に愛されてる店で昼間は行列が出来るレベルだ。現在では子供の時から食べてた世代が親となり、旨いラーメンを食べに行こうと孫世代にあたる子供たちを連れて来るような長年愛されてる超地元密着型店舗ということだ。飲食業が目指す方向のひとつと言って良いのかも知れない。
私も長年通ったのでこの店のラーメンの味は好きだし美味いと感じる。しかし北海道に移住してからのレベルが高いラーメン達と比較するとどうだろう?こちらの店を知らない道民に諸手を挙げて美味いよと紹介できるクオリティだろうか?・・・散々苦しみながら自問自答したが答えは否だった。
こちらのラーメン屋さんは現在では三十年以上経営されてるが未だに行列が出来るレベルだ。地元密着店として愛されてる証拠だろう。しかしソレは外れではない?と問われたら「地元民には愛されてるし美味いと評判だけど万人受けするかは別問題」と回答せざるを得ない。「不味くはない」ことを「外れが少ない」と定義するのであれば外れが少ないと言えるが、昨今の飲食の高レベルを考えたらわざわざ「不味くはない」店は選ばないだろう。つくづく飲食を続けることの難しさを感じさせる。
私も「昔は大好きだったけど今ではそこそこ好き」に落ち着いた。何やら恋愛ソングにありそうな台詞となってしまったが偽りの無い気持ちだ。ラーメンについては美味い店が多すぎるので今後も更新されることだろう。ある意味楽しみである。
盛大に脱線した。元に戻ろう。
こちらの南麻生店は住んでた場所から徒歩1分くらいの場所だったので最初はまさに立地だけで選んだのだ。しかしながら注文して驚愕の連続。出てくる料理が全て美味い上にボリュームも満点。そして店員さんも元気が良くて気持ちが良い。なので度々通っていた。
今回再訪したのは約十五年ぶり。もはや当時の面影とは別物だろうとは思いつつもわずかな希望を胸に訪問。乾杯!(終わりの始まり)
結論としては味も量も接客も全てが残念な出来栄えで落胆。彼が言っていた「損した気分」を図らずも回収してしまった。
居酒屋巡りを続けていたらこんなこともたまにあるのは仕方ない。ちなみにこちらに訪問したのは数年前なので現在では改善されてるかも知れない。気になる方はチェックして欲しい。昔の味と接客を取り戻してるのであればまた来ます!
ごちそうさまでした。