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HTBの近くで 居酒屋

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。

今日は何を飲もうかな。

うん。今日はHTB近くの居酒屋にしよう。


札幌市営地下鉄東豊線さっぽろ駅から南に向かって徒歩1分。

産地直送 粋な居酒屋 あ○よ 北3条店だ。


地下鉄南北線さっぽろ駅やJR札幌駅からも近いので好立地と言って良いだろう。


こちらは2ブロックほど南に行けば北海道テレビ放送(HTB)がある場所だ。HTBと言えば特に水曜どうでしょうが有名なのではなかろうか。移転前の南平岸にあった頃から放映してたことを考えると相当な長寿&大人気番組なのだなと改めて感慨深さを覚える。


水曜どうでしょうでは色々なコンテンツが盛り沢山だが、そのうちのひとつ原付バイクの旅も大泉洋の悲哀とぼやきが面白いコンテンツのひとつだろう。当然天候や気温にも左右されるので演者は大変だろうなと思いながらもイチ視聴者として快適な環境で酒を飲みながら楽しませて貰っている(笑)


今でこそ他人事として高みの見物をさせて頂いているが、実際に自分も同じような大変な目にあったことがある。いや。大泉洋と異なり自ら望んでその状況に陥ったのだから自業自得と言って良いだろう。


その当時私は横浜の近くに住んでいたのだが、夕方付近に突然CDを買いたくなり原付で秋葉原に向かうことにした。電車で行く方が早いし確実なのだが気ままにどこへでも行ける利便性を気に入っていたのだ。


CDだけ購入してすぐ帰るつもりだったので所持金は五千円前後。仮にガソリン入れたとしても全然余裕だろという目論見で出掛けたワケだが、品川付近で突然「富士山に行きたい」と思い付き進行方向を西に変えた。無計画にも程があるしハッキリ言えばアホである。


当時は目的地に辿り着くためには地図がマストだったので国道20号線(甲州街道)を西に向かう途中のコンビニで地図を購入。確か二千円前後だったと思う。いま考えれば大月で左折した後は道なりに走れば富士山に到達するのだが妙なところで慎重派な私は地図を購入したというワケだ。本当の慎重派なら突然の思い付きで富士山など行かないという突っ込みは甘んじて受けよう(笑)


相当昔の話となるので具体的な場所は失念したが、途中で鬱蒼とした森の中を進むこととなった。


街灯もほとんど無いので頼りになるのは原付から照らし出される僅かな光のみ。GPSがあるワケでも無いので現在自分がどの辺りを走行してるのかも分からず不安は増すばかり。そう言えば富士山近郊は富士の樹海と呼ばれる自殺の名所だったことを思い出す・・・そう意識するだけで暗闇が恐怖に変わって行く。


実際には富士の樹海とは全く無関係な場所だったのだが夜中に街灯がほとんど無い森林を原付で走るのは不気味で怖いことには変わりない。対策として大声で歌いながら走り抜けることにした。たまに遭遇するトラックから照らし出される眩い明かりはまさに暗闇に対する恐怖心も溶かすかのような心地を覚えたものだ。嗚呼早すぎるよトラック。置いて行かないで。。


そんな感じで恐怖心を覚えながらも向かうのだが森林を抜けてしまえばこちらのもの。次の問題点としては残ガソリン量である。


既に深夜帯のためガソリンスタンドが全て閉まってる。閉店済みのコンビニすら見かけるレベルだ。アクセルを回すだけとは言えずっと運転してきたので疲労も蓄積してるがガソリンの残容量が心許ないことになっている。仕方ないので5kmほど押して歩いた。


しかしながら富士山の全貌は明らかになっており近づいてることは分かるのだがなかなか到達する気配を感じられない。仕方ないのでなるべく燃費が良さそうな運転を心掛けて向かうことにした。


そんなこんなでようやく富士スバルラインの入口に到着。長い道のりだった。。


夜中にも関わらず料金所に人がいたのでお金を払い登っていく。残ガソリン容量はエンプティ近くを指してるが帰りは下りだからエンジン切っておりれば良いだろう。ということで進んで行く。


真夏の季節かつ夕方に行動開始したので私はTシャツに短パン姿だった。山を登る予定など無かったのだから仕方ないと言えば仕方ないのだろう。しかしこれからの私は後悔することとなる。


この日は割と天候が良かったものの、五合目に向かう途中、何回か雲が横切ることがあった。


富士スバルラインには街灯がひとつも無いので頼りになるのは原付の照明のみ。しかしながら観光バスが通れるレベルに整備された広めの道路なので森林の中を走ってた時のような不安感は無い・・・と思っていたが、単独で真夜中に原付で走ってるなか目の前を雲が横切ると結構な恐怖心を覚える。自分の行く手を阻む大いなる壁という印象を受けるのだ。


恐怖心をこらえながらも突っ込むと中はただの霧で小雨がぱらついてるだけなのだが、標高が上がるにつれ気温はどんどん下がって行く。冷えた身体が霧で濡れると余計に体温を奪われるので精神面だけでなく物理面でもダメージを喰らう。コレは想定してなかったし体温が奪われるのは地味にキツい。。


途中からは雲は出なくなったものの気温低下が激しく指先の感覚が麻痺してくる。しもやけになりそうな寒さだが避難場所など皆無なので五合目に向かうしか無い。歌う余裕も無くなりひたすら声にならない声を上げながら終点を目指した。


永遠のように思えた時間を経て五合目の駐車場に到着。正確には覚えてないが、真夏にも関わらず気温計は五度~零度付近を指していた。寒いハズだ。Tシャツ短パン姿で来る場所でないことは間違いない。良い子のみんな!真似しちゃダメだぞ。


あと1時間前後で日の出が見える時間帯だったので売店で時間を潰すことにする。営業時間外ではあるが寒さをしのぐためか入店出来るようになってるのが有り難い。気圧の関係でパンやお菓子の袋はパンパンになってるしジュースやカップ麺なども軒並み高額で売ってるが観光地+配送費というヤツだろう。記憶が定かではないが確か温かいうどんを五百円ほどで購入して食べた気がする。値段云々より冷えた身体を温めてくれる食事が提供されてることに感謝した次第だ。


温かい売店で時間を潰していたところ待望のご来光タイム。初日の出ではなくともそれなりに参拝?する人がいたのが印象的だった。あと五合目からでも日の出が美しく見えたので入山可能な時期に天気と相談しながら見に行くのはアリだと思う。


日が登ると五合目であってもグングン気温は上昇。Tシャツ短パンでも問題ない気温となったので軽装だがちょいと登ることにした。周囲は皆ガチな格好をしてたので相当浮いてたことだろう。八合目の山小屋まで登った辺りで残りもう少しだけど残金も心許ないし天気が良いとは言え山登りする格好ではないので戻ることに。


五合目まで戻ってから見上げたら山頂が笠雲で覆われてたので結果オーライだった。


下りは予定通りエンジンを切った状態で降りたのだが、エンジンが掛かってないとエンジンブレーキも掛からないしブレーキも心許なく感じるし、速度もどんどん上昇して危険を感じたのでエンジンを掛けた状態で降りることに。結果として大正解でガソリンも無くなる前に給油することができ安心した。


帰りは富士山の西側をぐるりと周って太平洋沿いに東へ移動。


途中でパンクしたので修理したり徹夜したことによる睡魔に勝てず一号線の真っ直ぐな道路で居眠り運転して道路の段差で目が覚めるなど危険な状態を経験しつつも無事帰宅。思い付きで行動するものではないと自省した日だった。


そんな感じで原付の旅は周囲が思うより結構ハードなことを認識してるので演者の皆さんは大変だろうなと思う今日この頃だ。(肴をアテに飲みながら)


盛大に脱線した。元に戻ろう。


もちろん飲み放題一択。乾杯!(終わりの始まり)


こちらは店名の通り威勢の良い掛け声で店員さんが返事してくれるので気分が高揚してしまう。刺身盛り合わせと焼き魚たこザンギなど数種類頼んだがどれも旨かった。中心部にしては値段と美味さが両立した店と言って良いだろう。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!


ごちそうさまでした。

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