時計台ビルの隣で 気さくな小料理
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は気さくな小料理屋にしよう。
札幌市営地下鉄東豊線大通駅から北に向かって徒歩5分。
時計台ビルの隣 か○ぽうぎ 札幌時計台店だ。
東西線、南北線からも同様だしJR札幌駅からも徒歩圏な好立地。
残念ながらそこに建っていたホテルの立替に伴い閉店したようで、札幌駅近くの別店舗も閉店したらしい。重ね重ね残念だが良いお店だったので紹介しておきたい。
小料理屋と言えば純和風かつ木材を活かした落ち着いた内装で、割烹着姿の上品そうな女将さんが料理と美味しいお酒を提供してくれるイメージがあるだろう。しかしながらこちらの店はそんなイメージとは無縁な元気が良くエプロン姿が似合う給食のおばちゃんのような様相なのだ。実家もしくは声が大きいよく喋る近所のおばちゃん宅にお邪魔した気分を味わえると言えば想像がつくだろうか。
私はどちらかというと気さくな雰囲気の方が好きだし開けっ広げな会話の方が盛り上がって楽しいと思うので大歓迎だ。
会社で飲み会を行うと数名はキャバクラ等のお姉ちゃんがいる店に行きたがる面々がいるが、アレは何が楽しいのだろうと毎回思う。いや。正確に言うと昔は連れていって貰うのが有り難いと思う頃もあった。何せ付いて行く時は全額上司や先輩のおごりなのだ。社会勉強というか怖いもの見たさ、そして綺麗なお姉さん達を楽しみに参加したことは否めない。
しかしながら実際に参加しての感想は一貫して「何でこんなつまらない体験に安くないカネを出してるんだろう?」だ。
何だかんだで20回くらいは連れられて行ったことがあるが、そのうち楽しかったというか盛り上がったのはわずか1~2回。「来なければ良かった」と思う割合が実に9割。野球選手の勝率としたら伝説級だ。たまに外れがあるのは仕方ないと思うがほぼ外れというのは昔の駄菓子屋にあったガチャガチャ並みだ。(小さい笛が唯一の当たりレベル)
接客業かつお喋りするのが仕事のハズなのに話がことごとくつまらない上に盛り上がりに欠ける。いや。もしかしてトップクラスの人達であれば話も面白いのかも知れないがまぁとにかく詰まらないことこの上ないのだ。どうやら聞くところによるとキャバクラのような場所に行く男たちは自慢話だったり武勇伝を聞いて欲しいことが大半らしく、それに上手く相槌を打ったり気分を良くさせるのが仕事らしい。
何だその生産性皆無な仕事は。しかしながら男側としては自分のつまらない自慢話や武勇伝を若い女性が笑顔で聞いてくれるだけで価値を感じるとのこと。需給が成り立ってるという意味ではアリなのかも知れないが私には理解不能な世界だ。人間の業と虚無を感じる。偏見が強いことは認める。
個人的な意見としてはプロなんだから客を楽しませるのが仕事では?なぜこちらが話が盛り上がるよう色々話題提供したり気を遣わなければならないのだ?と来店するたびに疲労感と虚無感を覚えてしまう。なのでもう長いこと行ってないし行く気も無い。気の合うメンツまたは話が面白い人達とワイワイする方が比較にならないほど楽しいのだ。
そんなワケで気を遣わず気軽に話せるおばちゃんという存在は非常に有り難い。向こうも大阪のおばちゃんほどではないがおばちゃんならではの気さくな感じで接客してくれるので気兼ねなく注文や質問も出来るし長居してもそこかしこで聞こえるワイワイ具合が心地良い。
あと小料理屋という表現をしたのは提供される料理が小鉢系が多いというのも挙げられる。当時はカウンターの上に大皿料理が5~6皿並べられており、その中から好みの総菜を選んで小鉢で提供してくれるスタイルだった。そのような気軽さも良かったと思う。
早速飲むとしよう。乾杯!(終わりの始まり)
頼んだメニューはこちら。
・ひじきの煮付け
・レンコンのきんぴら炒め
・ほうれんそうのお浸し
・魚の煮付け
・豆腐の煮浸し
・塩サバ焼き
ここぞとばかりに普段食べないような和食を中心に注文してしまう。
ひじきの煮付け。大好きなのだが独り暮らしだと意識しないと食べない代表格。旨い。
レンコンのきんぴら炒め。旨い。レンコンのはさみ揚げがあればベストだったが無かったのでこちらをチョイス。
ほうれんそうのお浸し。たまに食べたくなる。旨い。個人的には小松菜の方がもっと好きだが(笑)
魚の煮付け。種類忘れた。骨が多くて食べづらいけど美味い。飲んでる時は煮汁で酒が進む。
豆腐の煮浸し。こちらも美味い。豆腐はどのように調理しても旨いのが素晴らしい。
塩サバ焼き。間違いない美味さ。でも若干パサついてるかな?(笑)
気軽に寄れる実家や近所のおばちゃん家のような安心感。このように気さくな接客をしてくれる和食居酒屋があると嬉しい。いつか再開する時があればまた来ます!
ごちそうさまでした。