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たまには ビール工場

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。

今日は何を飲もうかな。

うん。今日はビール工場見学に行こう。


JR千歳線サッポロビール庭園駅から南に向かって徒歩10分。

サ☆ポロビール 北海道工場だ。


ここには社員旅行で既に数回訪問済みだが、時間に追われずゆっくり見学したい。ということで同じくビール好きな飲み仲間と一緒に訪問したというワケだ。


当然飲むことが大前提なので公共交通機関一択なのだが、駅歩10分程度で訪問できるのはありがたい。心ゆくまで楽しむとしよう。


週末に訪れたが観光客は思ったより少なめ。自分たちを含めても10組前後だろうか。若干寂しい感じもするがその方がゆったり楽しめるだろう。ツアー開始まで各々時間を潰し工場見学ツアースタート。


既に何回か説明を聞いてるので大体は把握してるが、何度聞いても感心する。この規模の工場で生産管理運営していくのは並大抵の努力では成しえないことだろう。安定供給いただけることのありがたさを改めて嚙み締める次第だ。


麦芽とホップの実物や香りを確認できるフロアではビールになる前の青臭い香りをよくあのレベルまで昇華したなと感心し、缶や瓶を密閉する仕組みのフロアではよくまぁこんな高速で密閉する仕組みを作れたものだと感動さえ覚える。


ほぼ全て機械により自動化されてるので工場の広さに対し人員が少なすぎるのが目立つが、効率化を突き詰めるということはそうなるということなのだろう。機械が人間の仕事を奪う云々は昭和の終わりごろに良く聞いた言葉だが今後はAIが同様に頭脳労働者の仕事を奪う未来が来るのかも知れない。ちなみにこの工場は広さの割に4~5名ほどしかいないとのこと。人間ならではの仕事が残ることを願うばかりである。


工場と言えば缶ジュース工場でバイトしてた人の話を思い出した。


いわゆる製品の最終チェックをする部署で働いてたらしく、仕事内容としてはベルトコンベアを流れてくる缶ジュースに傷やその他出荷したらダメそうな何かが無いかをチェックするとのこと。なにがしかの瑕疵を見つけたら手動でラインをストップしてチェックする仕組みだったらしい。


もちろん全てを目視チェックしてるというワケではなく、事前にX線やその他センサーで機械的に問題が無いかがチェックされ、全てパスした製品だけが流れてくるシステムだったらしいが、各種高性能センサーより目視の方が異常を検知しやすいとのこと。指先の感覚の方が機械より優れてることは聞いたことがあるが目視も同様とは知らなかったので驚いた。


ベルトコンベアを流れてくるスピードは相当なモノで一瞬で流れ去ると言っても過言ではないが、それでも目視チェックに勝るものはないとのこと。アスリートでも職人でもない一般人ですらそうなのか。人間に備わっている機能とは存外凄いものだと感嘆した。


ただ工場の仕事は恐ろしく単調なため眠気との戦いらしい。瑕疵の見逃しは当然NGだが、それと同等に時計を見るのもご法度とのこと。時計を見たらいけないというより「1時間経ったと思ったのにまだ10分しか経ってない・・・」と自分の心が折れるからだそうだ(笑)「人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である」 とはチャップリンの名言だがまさにその通りだなと思った。


またその目視チェックだが、寝てたり見逃しをチェックする仕組みとして不定期にダミーを混ぜて流されてたとのこと。きちんと目視チェックしてれば確実にラインをストップするレベルに目立つダミーだったらしいが、そのせいでひと時も緩むことなく目視チェックせざるを得ない仕組みとなっていたと当時を思い出しながら疲れた表情で語っていた。傍から聞いてるだけだと面白おかしい話でしか無いが当人にとってはたまったものではないのだろう。せめて鉄板の面白ネタとして語り継ぎ笑いの輪を広げることで苦労が報われれば良いなと思う今日この頃だ。


脱線した。元に戻ろう。


そんなこんなで工場見学も終了しお目当ての試飲会に参加。

1人2杯なのでまさに試飲である。


そこでは家庭で美味しく缶ビールを飲む方法をレクチャーしてくれた。


用意するのは黒ラベル。三度注ぎとよぶらしい。


1.まずグラス近くから注ぎつつ缶を上に持ち上げながら泡立ちを気にせず注ぐ。その際、泡の位置がグラスの8割くらいの位置になるまで注ぐ。9割近くまで来てもOK。これをすることで適度に炭酸が抜けてまろやかになるらしい。


2.ビールと泡が1:1くらいまで落ち着いたら、グラス近くからゆっくり目に9割くらいになるまで注ぐ。この際に追加で泡が発生するが気にしなくてOK。


3.同じく泡が落ち着いたらグラスのふちに缶をピッタリ付けながら、下から泡が持ち上がるように注ぐ。泡がグラスの淵を超え、1~2cmほど淵からはみ出すところまで注ぐ。


多少手間だが、ここまでやってから飲むとマイルドで美味しくなるという寸法だ。


実際にやってみると普通の居酒屋の細かい炭酸ガスと違って空気しか含まれてないにも関わらず柔らかく滑らかな味わいとなり不思議な感覚を味わった。缶から直接飲むのとは全く異なる感触。注ぎ方ひとつでここまで変わるのかと感心した。


ただ正直こちらは缶ビール以外のグッズが無い際にも滑らかな感触で飲めるようにする注ぎ方なので、炭酸ガスだの超音波できめ細かな泡を作る機器だのがある場合そちらを使った方が当然美味しいので適材適所で楽しんで欲しい。実際私はライバル企業から限定提供されてる超音波でクリーミーな泡を発生させる装置を使ってからそれ一択だ(笑)元も子もないが文明の利器万歳である。


ビール工場見学時に飲む出来立てビールはやはり旨い。


当然飲み足りないので隣接する庭園レストラン ヴ○ルハラでジンギスカンをツマミに飲むこととする。しかし店名だが戦争を舞台とする物語で覚悟を決めた面々が「ヴ○ルハラで会おう」のように縁起でもない台詞で聞くような名称の認識なので店名とするのは如何なものかとも思った。


そんなワケで美味いビールとジンギスカンに大満足。新千歳空港からも近いし北広島も近いので、北海道観光またはエスコンフィールド観戦のついでにでも寄ってみては如何だろうか?気になる方はチェックして欲しい。また来ます!


ごちそうさまでした。

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