ノルベサで 焼肉
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日はノルベサの焼肉にしよう。
札幌市営地下鉄南北線すすきの駅から西に向かって徒歩3分。
ノルベサ地下1階の焼肉 さくら○だ。観覧車がランドマークな好立地だ。
ちなみに「ベサ」とは北海道弁で「でしょ」や「だろ」を指すとのこと。つまり「乗るでしょ」「乗るだろ」ということだ。ビル屋上に観覧車が付いてるのでそーゆーコトだろう。
北海道に来て戸惑ったのはイントネーションは標準語と変わらないのに割と頻繁に北海道弁が飛び交うところだ。もちろんきちんとした態度が求められるビジネスシーンでは標準語でやり取りされるが、少し気が抜けたり気楽に話す時はぽろっと北海道弁が出たりする。何を言ってるのか全く分からないものもあり当初は困惑したものだ。
「ゴミ投げといて」…ゴミを、、投げる?(ピッチャーのように振りかぶる)
「あずましくないわ~」…否定形ということしか分からない。。
電話を受けて「はい○○でした」…え?受けた途端会話終了するの?
「このボタン押ささんない」…押せないという意味で合ってる?
「目がいずい」…かゆいということ?
「はんかくさい」…全く分からない。
感謝などの言葉に「なんもなんも」…気にしなくて良いよ、という意味?
「なまらしばれる」…凄く寒いで合ってる?
去り際に「したっけ」…ん?まだ何か話すことあるの?
今ではほぼ分かるが当時は戸惑った。文章なら中断して調べれば良いが会話の中でポンポン出てくると、その場で理解できず置いてけぼりとなるのだ。住んだことのない地方に移住したことのある人は経験あると思う。ただこれらの言葉は主に年寄り~中高年層が使うことが多く、若年層になるほどあまり使わない傾向があったので現在ではだいぶ薄まったものと思われる。語尾を「っしょ」と表現するのは可愛いから許す。(謎の上から目線)
どの地方も似たような感じかも知れないが海岸線に近い地域や山奥になるほど方言がキツくなる傾向が高いらしい。東北地方の方言が何を言っているのか分からないことで有名だが南の鹿児島弁も負けてない。
うちは両親が鹿児島出身でたまに田舎の祖母などと電話するのだが正直半分くらい何を喋ってるのか分からない。数年前に祖母と直接話す機会があったのだが99%何を言ってるか分からなかったので意思疎通を図れず申し訳ない気持ちになった。さすが第二次世界大戦で無線が盗聴されても理解できない言葉として選ばれただけのことはある(笑)方言がキツい地方から上京した人達はさぞ苦労したのだろうと思いを馳せるばかりだ。
北海道に来て驚いたことのもうひとつは冬の過ごし方。
厳冬を過ごす期間が長いので建物の断熱がしっかりしてる。ガラスも外側と内側に2枚設置されてたりペアガラスが当たり前。玄関も外だけでなく中にも扉があり断熱バッチリな家が多い。そんな中で暖房をガンガンたくので外はマイナスなのに室内は25度とかが普通なのだ。
真冬なのにサーテ○ワンアイスの販売トラックが近隣を巡回しており結構売れてるとのこと。風呂上がりにTシャツとパンツ姿でアイスを食べるのが風物詩らしい。控えめに言ってクレイジーと言って良いだろう。
また建物は汗ばむほど暖かいとは言え外気温は普通にマイナスなのに、女子高生はミニスカートに素足のまま積雪を歩いているのだ。気温計を見るとマイナス5度。当然肌は寒さで赤くなっている。見てる方が寒くなるが本人たちのファッションに対するこだわりというヤツだろう。若さとは凄いと思う一幕だ。
脱線した。元に戻ろう。
というワケで今日はノルベサを訪問。
屋上の観覧車は話のネタとして1回は乗っても良いかも知れない。
こちらは食べ飲み放題があるのでそちらを選択。乾杯!(終わりの始まり)
始めに数種類の焼肉セットが出て、食べ終わってから追加で注文するスタイル。どんどん焼いていこう。
食べ放題なのに焼肉の種類が多い。30種類を超えている。とてもではないが全種類食べることは不可能なので好みの肉を注文していく。大食い動画が好きで頻繁に視聴しているのだが、このような時は大食い出来る人達が羨ましいと思う。
大食いで思い出したが、人生で最大級に太ってた頃「どうせ太ってるんだからこの機会にどれだけ食べられるか限界に挑戦してみよう」というアホな企画を思いつき実行したことがある。動画に撮ったり公開するワケではない自己満な企画だ。
朝なにを食べたかは覚えてないが、お昼は蕎麦800グラム+おにぎりを実食。ハラがパンパンになっただけでなく、左後ろの肝臓付近に痛みを感じたので少々危険を覚えたが喉元過ぎれば何とやら。夜になったら普通に食べられる状態になってたのでピザLサイズをツマミにビールを飲酒。その日は大満足で就寝した。
このチャレンジを行ったのは金曜だったのだが土日ともに胃腸がシクシク痛み食欲が全く湧かない。無理して食べると身体に不味いような気がしたので水分だけ摂取。寝れば治るだろうと思い月曜を迎えたが痛みは増すばかり。急性胃腸炎レベルの痛みになってきたので会社を休み病院へGO。
痛みに耐えながら診断結果を待っていたら、お医者さんから看護師さんへ「急いでご案内して!」と焦ったような声が聞こえてくる。うん?私のことを指してるようだが何かあったのだろうか?
急性胃腸炎にまた罹患したのかな?と思いながら診断結果を聞いたところ腸閉塞とのこと。激痛なハズなのに良く痛みに耐えてるねとも言われたが「急性胃腸炎と似たような痛みですので。。」と答えるしかなかった。
この病院では設備が不足してるから設備が整った病院紹介するのですぐ行ってください。間違いなく即入院。下手したら手術ですと言われ目が点に。え?そんな急転直下な展開ある?
しかし時代小説で腸捻転で死亡した話を見たことがあるので私も一気に青ざめる。現実感ゼロだがもしかして死が近いのだろうか?
歩けないワケでは無いから救急車は呼ばずタクシーで向かう。
紹介された病院で紹介状を見せながら症状を説明したところ血液検査から胃カメラ、大腸カメラ、MRI、CTまで流れるように実施。CTは初体験。造影剤?を点滴で入れられたが説明の通り暖かい液体が入って来る感覚が新鮮だった。
結論として最初の病院で診断された通り小腸の腸閉塞だった。ただ手術はしなくても大丈夫とのことで炎症を抑える薬を点滴から投与するスタイルで治療する方針となった。一応自宅からの通院も可能だが、万が一急変した場合とんでもない激痛に襲われる可能性があるしもっと最悪のケースも想定できなくはないとのことだったのでお医者さんのオススメ通り入院することにした。命大事にがモットーだ。
着換えその他を自宅に取りにいき病院へとんぼ返り。入院生活の始まりだ。
腸閉塞の状態を写真で見せてもらったがド素人が見ても明らかに異常を感じた。腸の内側が炎症で膨れ上がり通り道が物凄く狭まってるのだ。小腸が500円玉サイズの太さだとしたら5円玉の穴くらいしか通り道が開いてないと言っても過言ではない。暴飲暴食に腸内が耐えられず炎症を起こした結果だそうだ。私がアホな企画を実施したばかりに、、無理をさせてすまない。
結局一週間ほど入院し、炎症が収まった頃から点滴による栄養摂取だけでなく重湯に始まり徐々にお粥の固形物が大きくなっていく過程を経て無事退院となった。ビフォーアフターの体重は測ってないがおそらく4~5kg前後落ちたのではないかと思われる。不健康だからオススメしない。
なお点滴で栄養補給してると全く空腹を感じないことが未だに不思議で仕方ない。食物を胃袋や小腸などで吸収し血液を通して栄養を循環させることは理屈では理解してるのだが、胃袋や小腸に数日間固形物を入れてないのに空腹を感じないのが不思議でならないのだ。血液中の栄養さえ充分であれば空腹と感じないということだろう。人間の身体とは存外単純なのかも知れないと思う今日この頃だ。
脱線したが言いたいことはただひとつ。暴飲暴食は後で自分が苦しむだけだから止めようということだ。アルコールを摂取せずとも暴食するだけでも危険とお医者さんは言っていた。内臓を労わろう。
大食いファイター達は一般人とは異なる特異体質と特殊な訓練により成り立っていることは間違いない。興味本位で限界にチャレンジすると私のように入院する羽目になる可能性があるので注意して欲しい。経験者からの忠告だ。
ということで食べられる量を注文していく。
焼肉なのにジンギスカンも置いてあるのは珍しい。
何を注文したか細かいメニューは忘れたが、食べ放題にしては軒並み美味しいと思った。肉が美味いだけでなくタレも良い。ネギ塩もおかわり出来るのは最高だ。個人的にはネギ塩だけをツマミにずっと飲んでいられる(笑)
結果として大満足。店内の雰囲気も良いのでデートなどにも使えるだろうしちょっとした会食として利用しても良いだろう。気になる方はチェックして欲しい。
また来ます!
ごちそうさまでした。