業務スーパー 地方で増える理由
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は格安チェーン店にしよう。
○高屋だ。
五目春巻きを食べたくなったので訪問。早速乾杯!(終わりの始まり)
安定の旨さ。
***
皆さま業務スーパーは利用されたことがあるだろうか?
私は片手で数えるほどである。ほぼ無いと言った方が良いだろう。
どうにも「安かろう悪かろう」の印象が強く心理的抵抗感が強いのだ。外食産業は普通に利用してると聞くので知らないうちに摂取してるのだろうが、自ら利用することに抵抗感が強い。
何せ見たことも聞いたことも無いようなメーカーや海外製品がズラリと並んでると「安全性は二の次。安さだけ追求」したような不気味さ・異様さを感じてしまうのだ。偏見が強すぎることは認める。
そんな業務スーパーだが実質賃金マイナスが続いており、更に昨今の値上げ傾向が強い市場に財布のひもが固くなってる消費者にとって救いの手となってるようで、業務スーパーの利用者が増加→増収増益してるとのこと。
※参考。業務スーパーで買い物する人が知らない「地方で増えまくる」本当の理由
https://toyokeizai.net/articles/-/917588
どうやら直営店は2店舗しかないそうで、その他は全てフランチャイズ加盟店で構成されてるそうだ。
元々問屋として数々の食品メーカーと接点を持ってたことが背景にあるらしく「元々の食品卸売業だけでなく、食品メーカーから小売店まで全て巻き込み組織化すれば安売りしても利益が出る」ビジネスモデルとのこと。
なるほど。だから「知らないメーカー」「知らないオリジナル商品」が大量にあるのかと納得。いわゆるスーパーやコンビニで見かけるPB商品というヤツに該当するのだろう。
ただ他チェーンと異なり、自社ブランド商品の開発をメーカーと進めるだけでなく「自社グループ内に製造工場を抱え、内製化を推進してる」とのこと。内製化はメリット・デメリットともに大きいと聞くが問題ないのだろうか?
内製化で思い出したがIT系は特に外注することが多い業種のひとつだ。
しかしながら「必要な時にだけ発注できるので(内部に抱えることによる)固定費を増やさず済む」メリットがある一方「結局のところメンテや改善が続く&業務やシステムを深く理解してる必要があるので、実質ずっとIT企業に発注し続ける必要がある」「自社システムなのに自社にシステムを深く理解してる人材がほぼいない」というデメリットも発生。と、なかなか難しい問題が両立するのである。
ECサイトやプラットフォーム事業者などであればシステム部門=お金を稼ぐ部門でもあるので潤沢に投資をする気になるだろうが、そうでない企業であれば基本的に業務を支える裏方な存在→上層部としても積極的な投資には二の足を踏む気持ちとなることは分からなくもない。
結果的にシステム部門は「金を生まないのに定期的に出費が必要な金食い虫部署」と判断され、内製化したとしても日陰で報われない部署となることは想像に難くない。「頑張ってるのに報われない」のは「その仕事で実際に金を稼ぐという目に見える成果が無い→上層部が評価できないから」に尽きる。要するに評価制度が未熟なのが原因と言って良いだろう。
他にも「属人化しすぎ問題」「常に人手不足問題」「後任者不足問題」「引継ぎを適切に行うことが難しい問題」などなど問題を挙げればキリがないが今回の話題とはズレすぎなので割愛させて頂く。
色々と思い出したことで怨嗟の声がダダ漏れしすぎた(笑)
元に戻ろう。
日本の食品製造業界は、誰もが知ってる有名ブランドメーカー以外にも多数の中小企業で構成されてるそうだ。ただ「製造技術は高い」のに「営業が苦手で業績不振に陥ってる中小メーカー」が各地に散在してるとのこと。
「良いモノを作れば売れる」との矜持を持つ職人の目線に「営業や広告(周知)の観点が欠けてる」と言われるアレのメーカー版というヤツだろう。隠れ家カフェが本当に誰にも知られなければ潰れてしまう構造と似てるように感じる。
そのような状況を踏まえ「技術はあるが営業が苦手→稼働率の低下に苦しむ中小メーカー」に自社販売網の発注を回し稼働率100%に改善→再建する手法を採用してるとのこと。
ただその際に「自社製品を任せるので資本的には傘下に入れる」が「製造技術を維持するため、買収後も中小メーカーの組織は経営者も含めそのまま温存する」形式を採用してるそうだ。
その手法であれば、中小メーカー側にとっても「資本的には傘下に入ったが今までと同じ体制で持続可能&雇用条件も改善する」そうなので、ウィンウィンの関係と言って良いだろう。
またその手法は業務スーパー側にもメリットがある。
何故ならば「技術力がある」=「簡単に真似できない価値がある」というコトだ。「営業が苦手なだけで苦境に陥っている企業」なのであれば、下手に組織改変するより「営業面はこちらが何とかするから技術力を活かして製造を頑張ってくれ」とした方が遥かにメリットが大きいのは想像に難くない。適材適所というヤツだ。
「内製化」と表現されてるが、実質的には「営業が苦手なだけで技術力がある企業を買収」「メーカーの稼働率を上げるため販売網および売上を維持拡張」することが前提のビジネスモデルと言える。
その販売網を維持拡張するのがフランチャイズ制だが、参加する企業の元の業態は「カー用品店」「ホームセンター」「酒ディスカウント店」など様々とのこと。
車社会発展に伴い一時期勃興したものの、市場飽和&寡占化により再編淘汰→業務スーパーのフランチャイズに参加したそうだ。地方で増えたように感じるのは「別事業で頑張ってた企業が(時代の変化に合わせ)業態変更したから」らしい。
興味深いのがフランチャイズ=厳格なフォーマットやマニュアルを定め展開することが基本だが「地域で一定規模まで成長した実績のある小売チェーン」のノウハウを生かす方針を取ることで「全国統一フォーマットではないが業務スーパーというチェーンが増えた」そうだ。コンビニや各種チェーン店とは大いに異なると言って良いだろう。
「厳格な決まりが無いフランチャイズ」でラーメンショップを思い出した。
皆さまも一度くらいあの「特徴的な赤い看板に白抜き文字」を見掛けたことがあるのではなかろうか。
ラーメンの暖簾分けと言えば今では家系や二郎が有名だと思うが(あれらも店ごとに特徴があると聞くが)ラーメンショップの緩さは他の追随を許さないレベルと言っても過言ではない。
何せ「本部が一切ロイヤリティを取らず」「本部から購入しなくても良く」「本部から購入する場合、多少上乗せするだけ」というフランチャイズとしては有り得ないレベルの緩さなのだ。成り立ってるのが不思議すぎるチェーン店と言って良い。
※参考。「ラーメンショップ」が不死身なワケ…強さの秘訣は“ユルさ”だった
https://gendai.media/articles/-/70771
本部の縛りが緩すぎるため「味が微妙に異なる」どころか「見た目から材料から何もかも統一感がゼロ」という稀有なチェーン店なのだ。ラーメンショップは店ごとに違い過ぎると言われる所以だろう。
唯一ラーメンショップらしさがあるとしたら白髪ネギくらいである。
白髪ネギの味付けに使用される「魔法の粉とも称されるクマノテ」は本部からしか手に入らないらしい。ネギが無いラーショなど見掛けたことが無いので、もしかしたらクマノテの売上だけで本部は安泰という証左なのかも知れない。
また脱線したので元に戻ろう。
業務スーパーの成長は「自主性を生かしたフランチャイズ」が要のようだ。
今までは偏見の目で見ていたが「営業が苦手なだけで技術力のあるメーカーの商品を安く提供してる」のであれば抵抗感は低いので今後は気軽に立ち寄ろうと思う。
個人的には全国一律な店ばかりが増え面白味に欠ける風景が増えたように感じるので、業務スーパーに限らず多様な店舗が増えることを願う今日この頃だ。
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ちょっと何言ってるか分からない?安心しろ。私もそう思う。
頼んだメニューはこちら。
・そら豆
・マカロニサラダ
・五目春巻き
そら豆
安定の旨さ。
マカロニサラダ
間違いない旨さ。チビチビつまめるのも嬉しい。
五目春巻き
昔は独特な臭いが苦手で嫌い寄りだったが、年を重ねたからなのか昔より色々改善されてるからか不明だが昔ほど嫌な臭いが無く、むしろパリっと皮の焼けた良い香り&中のトロッとした餡の組み合わせが絶妙で今ではお気に入りのひとつ。旨い。
総じて満足。本当は〆ラーメンを食べる予定だったが春巻きで予想以上に満足したので軽めに済ますことに。案外ボリュームがあるので満足感があるのも嬉しいところ。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。




