他の焼き鳥とは別物 美唄焼鳥
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は美唄焼鳥にしよう。
札幌市営地下鉄東西線東札幌駅から東に向かって徒歩1分。
元祖美唄焼鳥 三○(みふ○) 東札幌店だ。
美唄と書いて「びばい」。相変わらず北海道には難読地名が多すぎる。
元々アイヌ語で命名された地名に無理やり漢字を当てはめただけなので仕方ないのだが、どうせ当てはめるならもう少し読みやすい漢字を充てても良かったのでは?と思うのは私だけだろうか。花畔と書くのに読み方は「ばんなぐろ」とかふざけすぎにも程がある。ぶん○ぐるぞコノヤロウ。
おっとつい興奮してしまった。すまない。
このように北海道の難読地名は読めなくて当たり前なので安心して欲しい。
ちなみに個人的に好きな地名は音威子府(おといねっぷ)。単純に当て字と響きが格好良くて好き(笑)場所や名産などは知らない。
アイヌ語で思い出したが昆布はアイヌ語由来だそうだ。
平安時代には朝廷にも昆布が貢納されていたらしく、古くから蝦夷(北海道)との交易があったとのこと。富山県や石川県では郷土料理のひとつとして昆布締めが有名だが、蝦夷から日本海経由で京都へ向かう間に立ち寄った漁港のひとつと考えると納得だ。日⇔アイヌの通訳もいたのだろうか?浪漫を感じる。
なお美唄市は札幌市と旭川市の中間に位置している。結構距離があるし田舎だ。
美唄の東部は全国でも有数の炭坑の町として栄え、多くの炭坑労働者で賑わっていたとのこと。そんな炭坑労働者が好んで食べていたのが「美唄やきとり」で、現在でも地元のソウルフードとして幅広い世代に愛されているらしい。実際美唄出身の人は美唄やきとりが好きだし、何なら美唄以外の人にも人気が高い。もちろん私もそのひとりだ。
発祥は昭和30年(1955年)ごろ、焼鳥の屋台を営んでいた人が考案したとのこと。当時は精肉以外の内臓や皮を廃棄していたらしく、もったいないと考えたところから内臓を使用した「モツ串」を販売。炭坑労働者をはじめ地元の人達から人気となり「美唄やきとり」として広まっていったらしい。どの部位を使おうが美味いは正義なので人気となったのは良く分かる。
現在は内臓だけではなく鶏の頭から皮、内卵、内臓などの様々な部位とたまねぎを一つの串に刺して焼いた「モツ串」を「美唄やきとり」と呼んでいるとのこと。オレンジ色の玉子が特徴と言って良いだろう。一本の串で色々な部位が楽しめるので食感だけでなく味や見た目も変化することも人気のひとつなのかも知れない。
また長ねぎではなくたまねぎを使用する理由だが、美唄周辺がたまねぎの産地としても有名で、比較的安価に質の良いたまねぎが手に入ったからだそうだ。美味しさ優先ではなく値段優先という辺りも面白いが、結果的にまとまりのある味となっているので結果オーライというヤツだろう。
このように焼鳥のひとつではあるのだが「美唄やきとり」は明確に違うのだ。
焼きそばではなくペヤングを食べたい。そのような気持ちに近いかも知れない。
ア○ヒスーパードライなのが残念だが飲み放題一択。乾杯!(終わりの始まり)
当然美唄焼鳥の店に来たのだから「もつ串」は外せない。
信じられないことに1人で10本とか頼む人がザラにいる。さすがに同じ串10本は飽きるのでは?と思うがコレだよコレとはち切れんばかりの笑顔で最後まで食べきる人が多い。根強い人気を誇っていると言って良いだろう。
私はそこまで多くは食べられないので適度に頼むことにした。
頼んだメニューはこちら。
・もつ串
・うずらの卵串
・ハツ串
・冷奴
お通しは余った部位?の肉だった。小指の先より小さ目なオレンジ色の玉子も付いてたので内臓周辺の肉なのかも知れない。旨い。
もつ串。最初2本注文したのだが旨い。色々な部位が味わえて良い。途中に玉ねぎが挟まれてるがコレがまた絶妙なアクセントとなって食欲が増進される。もしコレが長ねぎだったら食べるのに少し邪魔となっていただろう。ネギ好きからしたら擁護したいところではあるが、玉ねぎの方がシャキッと感と少し甘めになった味がコリっとした肉と合っており美味しい。値段面から選択された玉ねぎだが美唄やきとりにはベストマッチだったというワケだ。美唄やきとりと玉ねぎの出会いに運命を感じる。やはり2本では足りなかったので追加で2本注文した。オレンジ色の玉子を食べる時の「コレだよコレ」感が凄い(笑)また食べたくなってきた。
うずらの卵串。こちらも好物のひとつなので注文せざるを得ない。旨い。
ハツ串。内臓のひとつなのでもつ串に含まれていても不思議ではないが入手量が少ないまたは安定しないから別串としたのかも知れない。こちらも大好物のひとつなのであったら必ず注文する一品だ。旨い。
冷奴。味のリセット用に注文。美味い。自宅でも簡単に食べられるとか野暮なことを言ってはいけない。酒飲みにはこのようなシンプルなツマミが嬉しいのだ。
焼き鳥というカテゴリとしてレベル高いかと言われると首をかしげるところも無きにしも非ずだが「美唄やきとり」を食べたいという欲求を100%叶えてくれるという意味で大満足。気になる方はチェックして欲しい。
また来ます!
ごちそうさまでした。