ラーメン山岡家 インタビュー
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は格安チェーン店にしよう。
○高屋だ。
バクダン炒めを食べたくなったので訪問。早速乾杯!(終わりの始まり)
安定の旨さ。
***
皆さまラーメンはお好きだろうか。私は大好きだ。
そんな中でも山岡家は有名なチェーン店のひとつだが「頻繁に通うほどでは無いが定期的に食べたくなる」味である。そんな山岡家に関する記事があった。
※参考。都民には馴染みがない?山岡家の「550円・朝ラーメン」
https://toyokeizai.net/articles/-/872292?display=b
札幌在住時は割と近所にあったので南2条店に訪問することが多かった。狭い店内なので奥に座る際は食券購入後、一旦屋外を経由する必要があったが、そのような不便さはありながらも好立地のおかげかいつも混雑してたことを思い出す。
南2条店および狸小路に立地してる利便性の良い山岡家は例外のようで、基本的にロードサイドが主戦場のようだ。現在では北海道から九州まで全国180店舗以上あるらしく業界第10位の店舗数とのこと。割とマイナーな印象だったので意外と感じた。
チェーン店にしては珍しく全店舗直営だそうだ。そのため店舗により味やサービスにばらつきが少ないこともファンの支持を得てる要因とのこと。確かにどこで食べてもほぼ同じ品質を保ててるのは素直に凄いと思う。
そんな山岡家はほぼ24時間営業で他店と同様に朝ラーを取り扱ってる。もちろん通常メニューより安価となってるのも嬉しいところだ。(朝5~11時)
通常メニューは中太ストレート麺を使用してるが、朝ラーは博多ラーメンに近い、細めなストレート麺を使用してるため、朝だけ「替え玉」が用意されている。
ただ最初の注文時に大盛りを選ぶことも出来る上、大盛りを注文するとスープの量が多めで提供されるので「替え玉をたくさん頼みたい」「たっぷりスープにご飯を入れて雑炊を楽しみたい」「スープをたくさん飲みたい」などのお客さんに好評だそうだ。
ベースである豚骨スープは通常メニューと共通だが、サッパリ塩味で仕上げてる&爽やかな風味となる梅干しも添えられてるので、アッサリと朝から食べられる仕上がりとなっている。
最初は「塩豚骨に梅干し?」とギョッとしたしスープと合うのか少々疑問だったが恐る恐る混ぜてみると大正解。爽やかな酸味と香りが旨さを増加させる&食欲も増すのだ。今や「梅干しが無いと山岡家の朝ラーとは言えない」と断言できるほどの出来栄えである。豆板醤やニンニクとも合うので是非お試し頂きたい。
ただ気を付けて頂きたいのが「思ったよりボリュームがある」ことだ。
最初に食べた際は「丁度良いというか少し物足りない」と感じたので、次は替え玉も注文。もう少し食べられるかな?と思ったのでその次は「大盛り→替え玉」を注文したのだが、大盛りは2玉となる→全部で3玉となりハラいっぱい→その日は他に何も食べられない状態となったことは苦い思い出だ(笑)適量を注文することをオススメする
ロードサイドを主戦場にしてると言うだけあり郊外店が多いので、公共交通機関を使用する人は気楽に立ち寄りにくいのが難点だが、車やトラックなどの運転手には重宝されてるらしい。
店名に「家」が入るので家系ラーメンと混同されがちだが、鶏ガラも鶏油も使用しておらず家系ラーメンとは異なるとのこと。
※参考。家系ラーメンとは違う
https://www.facebook.com/yamaokaya/posts/999842200061014/
「具材や盛り付けが似てるから勘違いする方が多いが、家系ラーメンとは違う」と公式が否定するほど似てるということなのだろう。
私はどちらの味も好きなので(対立を煽ったり元祖がどちらだなど主張するのではなく)自分好みの店に行けば良いと思う派である。
そんな山岡家の先代社長へのインタビュー記事があった。
※参考。こだわりの「手作り味」で躍進するラーメンチェーン
https://www.tanabeconsulting.co.jp/t/fcc_magazine/2017/08/18/#:~:text=%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AE,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3
今では売り上げも株価も右肩上がりの山岡家だが、創業当初からの歴史は順風満帆では無かったとのこと。そもそも当初はラーメンではなく弁当チェーンのフランチャイジー(フランチャイズの募集側ではなく加盟店側)が始まりだったそうで、ラーメン業は創業から8年後だったそうだ。最初からラーメンを本業としてたと思ってたので意外と感じた。
ラーメン業界に進出したキッカケは弁当業界の競争が激しくなり赤字が出るようになったことだそうだ。「ラーメンを嫌いな人はいない」「カレーと並ぶ国民食」「美味しいラーメンは遠くからでも食べに来てくれる」ことから始めたとのこと。
てっきりラーメンへの熱い情熱から始めたものと思ってたので「売れそうだからやろう」という軽い感じで始めたにも関わらずここまで成長させたのは素直に凄いなと感じる。
茨城県牛久市の牛久店が1号店と聞いてたが、その前にも都内をはじめ何軒かラーメン店を出してたらしい。しかしながらどこも採算ギリギリ→牛久店だけが国道沿いという立地の良さ&24時間年中無休の営業スタイルが評判となり大繁盛→他店を全て閉店し牛久店一本に絞り再スタートしたそうだ。山岡家も最初から順風満帆とは行かなかったのかと驚くばかりだ。
1992年(平成4年)に北海道に出店したのは「いつかは北海道に住んでみたい」が原動力だったとのこと。牛久店で行列が出来るほど人気が出てたので絶対的な自信を持ち出店したそうだ。
しかしながら北海道では全然ダメだったそうで赤字続き→預金があるうちにと現在も絶賛営業中の南2条店を出店したところ、しばらくしてから地元のマスコミに取り上げられたとのこと。
ただ取材の理由がラーメンの味ではなく「禁煙、食券制、水のセルフサービス」が当時珍しかった&提供メニューが醤油&チャーシュー麺しか無かったのが珍しいと注目されたそうだ。
取材対象となった理由が残念ながら味では無かったものの、それで認知度が上がったおかげで人気に火が付き10店舗くらいまで一気に増えたとのこと。
ただ店舗を増やした理由が「人材募集したら一気に十数名が集まった→来る者拒まず・去る者追わずがモットー→何とかこの人達の面倒を見ないと」という考えがあったため、北海道進出からわずか4~5年で10店舗まで増えたそうだ。先行きが見えないだろうによく思い切ったなと感心してしまう。
その後30店舗まで増やした際に上場を目指そうと決めたとのこと。「会社を安定させ従業員に安心を与えたかった」「外食産業の悩みである人材採用のメリットを視野に置いた」ことが一番の理由だそうだ。人材を重要視する企業姿勢だと拍手を贈りたい。
ただ上場後も経営危機に陥ったことがあるそうで、インタビュー記事を載せているサイトのコンサル会社にアドバイスを依頼→「不採算店を閉店しろ」「新規出店を止めろ」など、それまでの方針を覆すようなことをズバリと言われたとのこと。
第三者の視点では「まぁ普通に考えたらそうした方が良いよね」と思うが、将来に不安を感じた社員が数名退職したタイミングだったので断腸の思いだったそうだ。
しかしアドバイスに従ったおかげで業績を回復でき今では感謝してるとのこと。 信念を貫いて倒産するより遥かに良い未来となった点で救世主と言えるのだろう。
同コンサル会社には、業務の様々な場面で迷いが生じた際に拠り所となる「行動規範ハンドブック」も作成を手伝って貰ったそうだ。胡散臭かったり全然役に立たないコンサル会社も多いと聞くが、山岡家はその意味でも良いパートナーに恵まれたのだなと感じる。
山岡家は「手作りの味」「店舗ごとに丸3日間掛けてゼロからスープ作りしてる」ことが一番の特徴だそうだが、最大の強みである反面、弱みでもあるとのこと。「味がぶれる」「味を安定させるには手間と熟練を要する」「考え方やノウハウの伝達徹底が欠かせない」である。
昨今では敬遠される「属人化」がむしろ欠かせないというヤツだろう。
職人技が求められてると言い換えても良いかも知れない。
店舗間で味が安定しなかった時期にスープ生産をメーカーに依頼したことがあるそうだが、何度試してもコク、香り、色などが手作りと異なり納得いく出来栄えとならなかったそうだ。
そのため味がぶれるリスクはあっても店で作るのが一番美味しいと分かったため、それだけは守り続けることにしたとのこと。味を第一に考える人間がトップだからこそ人気が継続してると言えるのだろう。今後もその姿勢はぶらさないで欲しいと切に願う次第だ。
ちなみに(現在の社長は不明だが)先代社長は自ら店舗を訪問→スープの味にブレが無いかチェックしてたとのこと。普通のお客さんとして抜き打ち検査のようにチェックしてたらしいのでスタッフも気が抜けないことだろう。1日10店舗ほど巡る→10杯食べるそうだから驚きである。(全て完食はしてないと思うが)
前述の通り人材こそが発展の礎のため育成に力を入れてるとのこと。ただ店長にふさわしい人材が不足してるので新店舗を出しにくいのが悩みだそうだ。上記は8年ほど前のインタビューなので今は当時より改善してるのかも知れないが、人材育成は永遠の課題なのだろう。(私を含め)美味いラーメンを楽しみにしてるお客さんのためにも頑張って頂きたいところだ。
そんな山岡家だが昨年度は345億8千5百万の売り上げ&経常利益は38億3千3百万だったそうだ。想像以上の売り上げ&経常利益で驚いた。
※参考。売上高推移
https://maruchiyo.yamaokaya.com/yamcorp/wp-content/uploads/2025/03/release_20250324.pdf#page=22
現在の社長に交代したのが2021年だそうだが順調に右肩上がりに成長されてるようで何よりである。
これからも「味」と「人」にこだわり「食を通じて人と地域社会をつなぐ企業へ」を実現し続けて頂きたいと強く願う今日この頃だ。
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ちょっと何言ってるか分からない?安心しろ。私もそう思う。
頼んだメニューはこちら。
・そら豆
・バクダン炒め
・ネギタワー味噌ラーメン
そら豆
間違いない旨さ。
バクダン炒め
要するに(キムチの入ってない)キムチ風肉野菜炒めなのだが、ピリ辛具合が絶妙で酒が進む。旨い。
ネギタワー味噌ラーメン
こちらも最近のお気に入りのひとつ。プルモチ食感の麺が味噌と合う。上手い。
総じて満足。通常の肉野菜炒めが王道だとしたら、こちらはピリ辛好きな酒飲み用ツマミという位置付けに感じる。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。