シャチハタ不可 製造会社の感想
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は格安チェーン店にしよう。
○高屋だ。
3軒目なので軽くということで訪問。早速乾杯!(終わりの始まり)
ホッピーセット
安定の旨さ。
***
皆さまも重要書類を始め色々な書類に「シャチハタ不可」と明記されてるのを見たことがあるのではなかろうか。もちろん私も何度も目にしたことがある。
肝心のシャチハタを製造してる会社はどのような感想を抱いているのだろう?
それをストレートにインタビューしてる記事があった。
※参考。シャチハタ不可 シヤチハタ社長に感想を聞いた
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2410/01/news020.html
どうやら現在の社長は1997年の入社以来「ハンコ」への危機感をブレずに持ち続けてるそうで様々な「脱ハンコ」へ取り組んでるそうだ。
シヤチハタは今年で100周年だそうで、次の100年を担う事業の柱として力を入れてるのが産業領域とのこと。一体どのようなものだろう?
具体的には革や木材・金属・プラスチックのような特殊な素材にも印を付けられる工業用インキが挙げられるとのこと。
製造現場で油が付いた機器であっても作業終了やロット番号などの印を付けられるという用途で活用が進んでるらしい。なるほど。長年インクを扱ってるから開発力もあるということか。
シヤチハタは「ハンコ用のゴムを練る」「インキを作る」「金型を成形する」など素材を実際に触って試し組み合わせながら最終的に商品としてお客さまに提供するビジネスモデルなので、商品はハンコである必要は全く無いとのこと。
どうやら工業用インキは使用頻度が少ないため必然的に受注ロットも小さくなり、ロットが小さいと請け負うメーカーもあまり無いそうで「シヤチハタさん出来ない?」と相談を多く受けているそうだ。なるほど。少量開発&販売できる企業というのはそれだけで価値があるのかと勉強になる次第だ。
他にも2020年から提供を始めた「シヤチハタクラウド」にも期待を寄せてるとのこと。初耳だが大日本印刷・エプソン・象印・日本赤十字・チューリッヒ保険・東急建設など私でも知ってる名だたる企業が導入してるらしい。と言うことは有名なサービスなのか。全く知らなかった。。
ハンコの会社なのに電子印鑑に参入してるのかと驚いたがシヤチハタの電子決裁の歴史は古いそうで開発をスタートしたのは1990年代とのこと。かなり古い歴史があることにも驚いた。
1995年には電子印鑑システムを発売したそうだが、当時はウィンドウズ95が発売された頃で現在のように1人1台PCを所持する時代では無く、時代が早すぎたのか売上は低迷したとのこと。30年近く赤字が続いてたというから驚きだ。
それでも「紙でやっていることは必ずデジタルに置き換わる。その時もっと便利に当社の印影を使ってほしい」との思いから開発をスタート。新たなOSやデバイスが出る毎に対応&アップデートを行い、クラウド化やサブスクへの対応も地道に行ってきたそうだ。赤字続きなのに初志貫徹し続ける姿勢に頭が下がる思いだ。
そんな電子決済事業が上向きだしたのは皮肉にも「脱ハンコ」が叫ばれる大きなキッカケとなったコロナ禍だったとのこと。確かにあの頃、押印が必要な書類は電子印鑑でOKという方向に変化したので「ハンコを主事業としてる会社は大変だろうな。。」と思ったものだ。
コロナ禍ではシヤチハタも例外なく実物のハンコ関連事業はマイナスとなったそうだが、シヤチハタクラウドをコロナ対策として期間限定で無料開放。
更に広告も積極的に打ったことで認知が高まり利用数が増加。今ではデジタル関連の売り上げが年間15億円を狙えるまでに成長してるとのこと。30年近く続いた赤字に負けず続けた事業がようやく芽吹いたようで何よりである。まさに経営判断&戦略の勝利と言えるだろう。
そんなシヤチハタクラウドが意識してるのは「ビジネスプロセスそのまんま」とのこと。名称の通り「アナログで円滑に進んでたものをそっくりデジタルに置き換え便利なままに出来るか?紙がデジタルになっただけという使い勝手を目指してる」とのこと。それは歴史が古くデジタル化が進みづらい企業ほど相性が良いだろう。
直近ではインボイス対応の特需により実物のハンコ関連商品が盛り返してるそうだが社長は入社当時から持ち続けてる危機感を今でも持ち続けてるとのこと。
そんな社長は「一時的な好調のたびに社員は『まだ大丈夫』と思ってしまうが実際はそんな簡単な話では無い。だからこそあえて『脱ハンコ』的な商品やビジネスをこれまで培ったハンコの技術から生み出していきたい」と決意を述べる。
実に冷静かつ客観的に俯瞰してる社長だと安心感すら覚えた。
他にも失敗を恐れず常に新しい視点や挑戦するマインドを持ち仕事に当たって欲しいと社員に伝えるなど、こちらの社員の皆さまは素晴らしい環境で働けて幸せだなと感じる。
ところで冒頭の「シャチハタ不可」について社長に尋ねたところ「こんなに光栄なことはない」とのこと。何故そう思うのだろう?
不可・禁止ではあるものの自社商品をわざわざ名指しで様々な書類に印字されてる点が誇らしいのだとか。確かに不名誉ではあるが認知度向上という点では物凄い宣伝効果があると言って良いだろう。広告費換算したらどのくらいの規模になるのか想像も出来ないほどだ。
試しにチャットgptで質問してみたところフェルミ推定では「6~15億円相当/年」結論として「広告費換算すると年間数十億円レベルの価値があると言っても過言ではないと思う(ただし「マイナスな文脈つき」の知名度というオチ付きですが…)」とのこと。カッコ書きに笑ってしまった。
最近採用面接を行った高校生がシヤチハタを詳しく知らなかったとのこと。
軽い衝撃すら覚えてしまうがハンコが当たり前ではなくなった現代では不思議ではないのかも知れない。
いかに認知度を上げていくかが課題の同社。
今後の100年に向け頑張って頂きたい今日この頃だ。
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ちょっと何言ってるか分からない?安心しろ。私もそう思う。
頼んだメニューはこちら。
・そら豆
そら豆
安定の旨さ。やはり私は枝豆よりそら豆の方が好きだと改めて感じる。
総じて満足。本当は〆ラーメンかつけ麺を注文しようと思ったが思いの外ハラいっぱいになってたのでそら豆だけにすることに。1品だけでも気兼ねなく退店できるのも嬉しい。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。