たまにはお祭りも良い 屋台飲み
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日はお祭りの屋台にしよう。
JR常磐線松戸駅西口。松戸まつりの屋台だ。
とは言え正直個人的なメインコンテンツはお祭りではなく「クラシックカーフェスティバル」である。
今はもうほとんど車の情報は仕入れてないので最新情報は全然分からないが、20代の頃はそれこそ毎月のように車雑誌を買いあさってたし、ビデオも定期購入してた。何なら毎年開催されていた車のイベント「東京オートサロン」にもイチ視聴者として参加してたレベルだ。車のショーには綺麗なお姉さんが付き物だが正直車の写真を撮るのに邪魔だからどいて欲しいと思っていた。カメラ小僧向けに端っこの方で撮影会をして欲しいと本気で思っていたものだ。
そんな私はいわゆる走り屋系の改造車。チューニングカーが大好きだった。購入してた雑誌類はチューニング系だしビデオも同様にドリフトをメインとするものからラリー系のWRCも欠かさず購入していた。その頃はDVDではなくVHSだったのでいちいち巻き戻す必要があったが飽きずに何度も観たものだ。あの情熱はどこに行ったのだろう。
チューニングカーで思い出したが、一度だけサーキットの走行会に参加したことがある。私の車は車高調という名前の足回り(サスペンション)しか変えておらず、内装もブーストメーターを付けてターボの過給圧が掛かることを見ることで自己満足する程度のライトユーザーだった。ちなみに車高調はデコボコ路面を走るだけで紙コップのジュースが半分以上こぼれるレベルの硬さだったのでペットボトルしか利用出来なかったのは良い思い出だ。
というワケで足回りだけは硬いのだがタイヤはいわゆるオートバックスなどで売られている普通のスポーツタイヤだったので、安めのタイヤに比べればグリップ性能は良いものの、サーキットのような速度域ではグリップ力が足りてるとは言えず、常にスキール音を鳴らせながら運転することとなった。初めてのサーキット走行だったので興奮はしていたが、正直パワーが路面に伝わる前にグリップ力が抜けて空転してしまい実力を100%発揮出来ない物足りなさを感じたのは事実だ。
しかしながらグリップ力が足りないとは言え、アクセルやブレーキを床まで踏み込んだり、レッドゾーン近くまでエンジンをぶん回したり4速から一気に2速や1速までヒールアンドトゥでシフトダウンする機会など一般道を走ってる限り皆無なのでかなり楽しめた。帰りの高速では低速であっても普段よりエンジンの回転が軽かったので、たまにレッドゾーン近くまでぶん回すのは悪くはないのだなと思ったものだ。
サーキットの走行会に参加するくらいだから集まって来る車も気合いが入ったものが多く、その中でも感動したのがロードスターだった。
自然給気の1.6リッターNAエンジンだから馬力はあまり無いが、昭和世代にはお馴染みの「ソレ・タコ・デュアル」ソレックスのキャブレター、タコ足と呼ばれるエキゾーストマニホールド(エンジンに直結されている排気管)、デュアルマフラー(2本のマフラー。大排気量車だとぶっといマフラーを付ける場合が多いが、小~中排気量車だとトルク不足になることが多いためデュアルにすることが流行った)に換装されており、その他にも沢山いじってるのでゴリゴリのサーキット仕様と言った感じで佇まいからオーラを醸し出していた。
とにかくレスポンスを重視したとのことでボンネットを開けた状態のままエンジンを空ぶかししてくれたのだが、キャブのスロットルバルブが開閉する度に素早く追随するエンジン音。開閉に伴う甲高い吸気音。バイクほどまでは行かないが近いレベルのレスポンスで非常に感動したものだ。
さらにサーキット専用のスリックタイヤ(溝が全く無いタイヤ)を装着しておりグリップ力は極上。触らせて貰ったがブニュブニュしてて柔らかく、通常のタイヤが硬めの膜で覆われてるとしたら、柔らかい消しゴムのような印象を受けた。これは消耗が早そうだ。
興奮しすぎてしまい、ダメ元で隣に同乗させて貰えないかお願いしたところ快諾。圧倒的感謝!
早速ヘルメットを着用し助手席に座るがヘルメットが天井と干渉する(笑)座高が高い上に頭がデカくてすまない。腰の位置を若干ずらすことで干渉問題を取り除き早速のスタート。
私の車の方が2リットルターボ車なので最高馬力やトルクは上のハズなのだが、体感では明らかにこちらのロードスターの方が早いしGの掛かり具合が強い。タイヤ含めトータルでチューニングすると、ここまで別次元の車に仕上がるのかと感動したものだ。
横Gは天井付近の取っ手を握ってても身体がバケットシートからはみ出すのでは?と思うレベルで押し付けられるし、ヘルメットも整骨院でごきっと倒されたレベルに振られて元の位置に戻すのが大変だし、フルブレーキ時にはヘルメットが前方に投げ出される。フルバケットシートに4点式シートベルトでガッチリ身体が固定されてるので、Gに合わせてヘルメットだけが前後左右に振られるワケだ。首の筋肉への負担が半端ない。後日筋肉痛となったのは言うまでもない。
3周ほど同乗走行させて頂いたのだが降りた時はフラフラだった。1.6リットルNAエンジンであれなら、世界最速のF1ってどれだけGが掛かってるんだ。。そりゃF1ドライバーは首を鍛えまくるから太くなるよなと思ったものだ。
なお降りた後ドライバーに感謝の言葉を伝えようとしたら持ち主は涼しい顔をしていた。運転手はあらかじめGへの対処の心構えが出来るから有利とは言え凄い。感謝と共に称賛を贈った。希少な経験をさせていただき本当に感謝感激である。
このような感じで20代は車、主にチューニングカーにハマっていたのだがいつの間にか熱も冷め、いつしか乗れれば良いにまで変わっていった。年を重ねるということはこう言うことか。
しかしながら年を重ねるに従って旧車、いわゆるクラシックカーへの興味は若い頃より大きくなってきた。
だがしかし車に疎い人でも想像に難くないだろうがクラシックカーは維持メンテの手間暇が半端なく大きい。当然維持費もバカにならず、なおかつ古い車になるほどエアコンが付いてない車も少なくない。モノによってはオープンカーでも無いのに横の窓すら付いてない車種もあったりして、ハッキリ言って実用的とは程遠い完全なる趣味の世界と言えるだろう。
なのでクラシックカーは所有するのではなく鑑賞し愛でるのみに限る。
少なくとも私はそう思っている。
そのようなワケで「クラシックカーフェスティバル」は絶好の機会なのだ。
展示場所は松戸駅西口にある地下駐車場。地下1階と2階を借り切って展示する比較的大規模なイベントだ。応募台数は120台締切で毎回大人気とのこと。車種名は知らなくても古い映画や白黒写真などで見たことのある個性的なクラシックカーが勢揃いする姿は、車にそれほど興味が無い女性や子供たちにも目を引くイベントと言って良いだろう。
私も旧車は全然詳しくないので車種名などもフロントガラスに置いてあるボードを見て学ぶだけだが、映画から抜け出したかのような車が勢揃いしてるのを見ると否が応でも興奮してしまう。車種によってはタイムスリップしてきたの?と聞きたくなるレベルだが、ほとんどの車にナンバーが付いていた。つまり車検が通っており公道を走れるということだ。信じられない。。
某県警のポルシェパトカーはあるわ某防衛○払い下げとおぼしきゴツい車も「自家用」とペイントされ展示してあるわでなかなかのカオスっぷりを堪能できた。
ある車のオーナーと少し話をさせて頂いたのだが、車のメンテは自分でやっているとのこと。色々気になることはあるのだが、そう言えばこの年代の車って燃費どのくらいなのだろう?と疑問に思い尋ねたところ、体感だけどリッター15kmくらい走るとのこと。え?それは予想以上に燃費が良い。何故だろう?車体が軽いから?と思ったが、オーナーによるとエアコンを含め電気類が全然無いことが原因ではないかとの回答だった。更に昼間しか走らないのでヘッドライトも使用しないことも要因ではないかと。なるほど。この酷暑にエアコン無しとは・・・熱中症にはくれぐれもご注意ください(合掌)
なお酷暑の昼間に運転することは無かったが、屋外でメンテした際に熱中症になりかけたとのこと。本当にお気をつけください(苦笑)
バックトゥザフューチャーのデロリアンを映画バージョンと同じ内装にしてる強者もいたりして大満足。クラシックカーと言いながらNSXやポルシェR32GTRなども展示されており違和感を覚えたが、考えてみたら90年代の車はクラシックカーに該当するのか。。時代の流れの早さを改めて感じた。なお私が初めて中古で購入したカローラFXも展示されており懐かしすぎて笑ってしまった。
盛大な脱線なんてもんじゃないレベルで熱く語ってすまない。元に戻ろう。
そんなこんなでクラシックカーを堪能した後はお祭りの屋台を目指し歩いた。
メインは松戸駅西口からキテミテマツドへ向かう通りと言って良いだろう。
相変わらず最近建築されるランドマークとなり得る複合商業施設は個性的なネーミングが多いが、これくらいシンプルで分かりやすい方が面白いし覚えやすくてありがたい。他の施設も変に凝った覚えづらいネーミングにせずシンプルイズベストの方針で進めて欲しいものだ。
入口付近でキ○ンの生ビールを販売していたが初手はいつでも飲めるものではなく珍しいお酒を飲みたいのでスルー。まずは西成ライオットエールの缶ビールと行こう。乾杯!(終わりの始まり)
ホップの苦味が舌に広がり美味い。ごくごく飲める。
お次はクラフトビールのインペリアルIPA。アルコール度数が9%とビールにしては高い。「脅威の高アルコール 悪魔的飲みやすさ」とポップに謳ってあるのが気になる。泡はほぼ無し。舌中に広がる渋みと苦味。癖が強いザ・クラフトビールという印象。これは好き嫌いが分かれそうな味だ。だが旨い。
お次はナチュラルワイン飲み比べセット。
PUR(白)。香りは梅酒のような甘味を感じるけど口に含めると甘さはあまり感じない。スッキリして酸味があり飲み味爽やか。
ヴァンクゥール・ヴァンキュ・ルージュ(赤)。結構酸味強め。でも軽い感じ。
フォン・シプレS(赤)。こちらも酸味あるけど渋みのタンニン強めのせいか一番どっしりした印象。
正直いつも飲んでるランブルスコセッコが好みすぎてナチュラルワインはどれを飲んでも癖が強めで正直第一感ではあまり美味しいとは思わなかったが、飲み進めるうちに慣れてきたのか真ん中以外は美味しく飲めた。
ちなみにツマミとしてビスコッティという名前のイタリアのお菓子を振る舞ってくれた。どうやら新松戸の名物らしい。固そうなお菓子だなと思いながら頬張ったら予想の3倍硬くて笑った。ボリボリではなくガキッゴキッと嚙み砕くイメージ。奥歯でかまないと前歯が欠けそう。味は普通に美味しいので気になる方はチェックして欲しい。
お次はクラフトビール飲み比べセット。
ヘイジーIPA。渋み強めだが9%のやつよりはマイルド。旨い。
セゾンドブルー。ホップの苦味が若干強めな印象。美味い。
メルクス。黒ビールかと思って飲んだら甘くてビックリした。店員さんの説明によると黒ではなくブラウンとのこと。アルコール度数を高めているので糖度を高いまま保持できてるためこのような甘い出来映えとなったとのこと。正直ビールというよりキャラメル入りジュースという印象。待てよ?甘くてジュースのようにぐびぐび飲めるのにアルコール度数が高い、か。・・・よこしまな考えが浮かんだことは秘密だ。甘いのでビールっぽくは無いがこちらも美味い。
お次もクラフトビールの松戸ペールエール。スッキリ苦味も浅めでゴクゴク飲みやすい。旨い。
そろそろノーマルも飲みたいなと思い、入口付近で見掛けたキ○ンの生ビールも購入。うん。間違いない美味さ。やはり普段から親しまれてるビールは万人受けする味に調整してるのだなと再認識した。
最後にBBQと共にコロナエキストラ。コロナ禍で少なくない風評被害を被ったのではないかと思われる。やはりコロナにはライムが合う。旨い。
お祭りの屋台で飲んだからお店で普通に飲むより数段美味しく感じた部分もあると思うがそこも含めて大満足。どの屋台も定期的にイベントで出店してるそうなのでその際はまた顔を出したいと思う。また来ます!
ごちそうさまでした。