初めて食べる あんこう鍋
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日はあんこう鍋にしよう。
都営浅草線の宝町駅から東方向に徒歩3分。鮟鱇 篠げ○だ。
地下鉄日比谷線の八丁堀駅からも西側に徒歩3分という好立地なのに、年末の夜に訪問したせいか物凄く閑静な場所だった。きっと昼間は賑やかな場所なのだろう。
皆さんはあんこう鍋を食べたことはあるだろうか。私は初めてだ。あん肝は最低でも年1回以上のペースで食べてるのに身の方は未体験ゾーン。肝があれだけ美味しいのだから身の方も美味なのではないだろうか。楽しみで仕方ない。
それにしても魚へんの漢字は難読漢字と呼んで差し支えないものが多いのではなかろうか。少なくとも私は鮟鱇を初めて見た時に「うーん。。右側の字から推測するに、あんこう・・・で良いの?」と疑問符付きで読んだものだ。似たような状況に遭遇した人もいるのではないだろうか。
どうやらここは都内唯一で、天然茨城あんこうの店とのこと。本場茨城から丸一匹のあんこうを直送し、オーナー自ら目利き競り落とした天然モノをそのままお店へ運んでいるらしい。「天然国産」「生」「丸一匹」が売りのお店だ。
「どぶ汁」が名物とのことだが、そもそもどぶ汁とは?名前の見た目も響きもあまり美味しそうに見えないのだが(笑)
説明によると、水も酒も使わず、あんこうの水分だけで仕上げる郷土料理を指すらしい。水で薄めていないので、あん肝を含め濃密な味わいを堪能できる、と。なるほど。ますます期待が高まってくる。
茨城と言えば「いばらぎ」と読むと思ってた人もいるのではないだろうか。私もそのひとりだ。正式名称が「いばらき」と分かったのは二十歳を超えてからだ。恥ずかしい話だが大人になってから間違いに気付いた漢字がそこそこあるのは秘密だ。
FAQ(えふ・えー・きゅー)をファ○キューと呼んでしまい会議を凍らせたことがあることも秘密だ。凍れ!フリーズンブリザード!(恥を上乗せするスタイル)
そう言えばあんこうって深海魚ではなかったっけ?どのような方法でとってくるんだろう?と思って調べたら、どうやら底引き網漁という船から網を落としてしばらく航行して漁をする方法と、固定式刺し網という、魚の通り道に網を固定で仕掛けておく方式があるらしい。
深海魚と言えば相当深い水深に棲息しているのでは?網の長さそんなに深くまで潜らせたら海流で相当流されてしまうのでは?と思ったけど、水深30~500m付近に分布してるとのこと。なんだ。てっきり水深1000m以上深い場所に棲息してるのかと思った(笑)そらそうか。そんな1km以上深いところに棲息する深海魚だとしたらホイホイ気軽にあん肝が出てくるワケがない。間違いなく超高級魚に指定されることだろう。今後もそのままの水深で棲息してくれることを祈る。
なお地域や漁場によるのだろうが、底引き網漁では水深100~150mくらい。固定式刺し網では水深70mくらいで漁業をしてるとのこと。それなら網の長さもそこまで負荷にならなそうで一安心だ。
茨城のあんこうと言えば吊しながら捌く「吊し解体ショー」が有名らしい。解体ショーといえばマグロが有名だが、あんこうの場合まな板の上ではなく3本の棒にぶら下げられブラつくあんこうを捌くのだから難易度は相当高いだろう。職人さんの凄さを垣間見る思いだ。機会があれば見学してみたい。
本日はそんなあんこうが丸ごと味わえるということで訪れたお店。
せっかくなので日本酒で乾杯!(終わりの始まり)
コースメニューはこちら。当時のメニューなので今では変わっているかも?
・あん肝
・あんこうのとも酢
・刺身(〆サバ、真鯛、タイ、カツオのたたき)
・どぶ汁
・あんこうの揚げびたし?
・どぶ汁の雑炊
・黒ごまアイス
あん肝。間違いない美味さ。正直これだけでチビチビ飲みたい。
あんこうのとも酢。こちらも茨城の郷土料理とのこと。とも酢と書いてあるがほぼ味噌という感じで酸味はほとんど感じない。初めて食べたけど柔らかいしふわっとしてる身にとも酢が合う。物凄く美味い。
刺身(〆サバ、真鯛、タイ、カツオのたたき)。新鮮でプリップリ。旨い。
どぶ汁。本日のメイン鍋。あん肝も含め、あんこうの色々な部位が入っている。あん肝が美味しいのは分かっていたが身もプリップリで美味い。見た目は白身なのだが脂が乗ってるというか身がふっくらしてて物凄く美味い。正直身の方があん肝より美味しいと感じた。あんこう鍋って贅沢品に該当するのではないだろうか。というレベルだった。
あんこうの揚げびたし?。こちらも美味だった。このお店で出てくる料理すべて旨い。あっぱれ。
どぶ汁の雑炊。あんこうの旨味が出まくった汁で作る雑炊なんて美味いに決まってる。雑炊を覆うふんわり溶き玉子の薄黄色と万能ねぎの緑が鍋に映える。鍋のボリュームが予想以上にあったので正直この辺りでハラいっぱいでほとんど雑炊を食えなかったのが残念。味は文句なし最高に美味かった。
黒ごまアイス。ハラいっぱいすぎてギブだったので一緒に飲んだ人にあげた。美味しいらしい。お口直しのウエハースも良さげ。
内装の和の雰囲気といい料理全般といい大満足。値段は少しお高めなのでハレの日に利用するのが良いと思う。是非チェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。