北海道では豚も 焼き鳥
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は焼き鳥にしよう。
札幌市営地下鉄東西線バスセンター前駅から北に向かって徒歩2分。
南に向かう広い一方通行沿いに佇むお店。鈴木徳太○商店だ。
近隣はビジネス街や車のディーラー、サッポロファクトリー、タワマンを含む住宅街などが立ち並び、条件だけを聞けば良さげな立地に思えるが、実際に現地を見ると周囲は選択できるほど飲食店が立ち並んでいるワケでもなく、飲食店を経営するにはよほどの売りが無いと厳しいのでは?と思える場所だ。
それにも関わらずこのお店はいつも繫盛している。予約してないと入店を断られるレベルだから大繫盛と言って良いだろう。そんなこのお店のイチオシは「望来豚(もうらいとん)のやきとん」だ。
望来豚とは札幌市の隣に位置する石狩市が誇るブランド豚らしく、飼料を輸入品に頼らず、国産や道内産の原料でのんびり育てたこだわりのブランド豚らしい。地産地消で支持されてこそブランド豚を生み出す意味があるとの理念のもと経営してるらしく、月イチで市内すべての小中学校で給食のメニューになるほど親しまれているとのこと。そんなに有名なブランド豚だとは知らなかった。またその経営理念は素直に賞賛できる。
昨今では東京の焼き鳥でも豚やその他食材が提供されることは珍しくなくなったが昔は焼き鳥として提供される肉は全て「鶏」だった。鶏以外の肉を提供するなど店・客双方とも考えもしないのが当たり前の時代だったのだ。しかし北海道では昔から「やきとり」と言えば「豚」が主流だったらしい。鶏より豚の方が安価に流通してたからというのが大きな理由らしいが、単純に美味しいというのも普及を後押ししたのだろう。函館にあるローカル商店「ハセガワストア」の「やきとり弁当」通称「ハセスト」の「やき弁」もこうした背景のもと誕生したということだ。
函館と言えばラッキーピエロも有名店のひとつだ。頑なに函館から外に出店しないことでも有名だが、元祖THEフトッチョバーガーも有名だろう。冗談のようにドデカいハンバーガーでネタ枠のひとつだが、ボリュームはともかく味は美味しいものと思われる。私は一番人気のチャイニーズチキンバーガーしか食べたことが無いので他のメニューは正直知らないが、軒並み美味いらしい。函館観光する際は是非チェックして欲しい。注意点を挙げるとすれば大沼公園を観光する場合JRではなく車で向かうことをオススメする。私は2時間ほど駅で待機することとなった。仕方ないのでお土産屋さんで缶ビールを買い込んでヤケ酒をしたのは言うまでもない。新函館北斗駅まで新幹線が開通した今では若干本数が増え、長くても1時間くらい待てば乗れるようになったみたいだが当時の時刻表はスカスカで地獄を見た。公共交通機関での地方観光を予定してる場合、電車やバスの時刻表を必ずチェックした方が良い。経験談からの忠告だ。
脱線した。元に戻ろう。
そのようなワケでこのお店では「望来豚(もうらいとん)のやきとん」をイチオシメニューとして提示されている。頼まないワケには行かないだろう。
なおこの日一緒に飲む飲み仲間は元同僚だが元モデルでもあり、また居酒屋で焼き鳥を焼いてたこともあるという異色の人材だ。モデルになるレベルのイケメンが炭火焼きの焼き鳥を汗水たらしながら焼く姿とか誰が想像できる?ホールで注文受けてバイトや客の女性にキャーキャー言われてたならともかく厨房で焼き鳥を焼いてた・・・だと?脳内でイメージが結び付かず混乱する。事実は小説より奇なりとはこのことか。当然串に肉を刺す串打ちも得意らしく、現在ではBBQで大活躍してるとのこと。趣味と実益を兼ねた良いスキルが身に付いておりますな。
そのように何百本も焼いてた経験者から見てもこの店は肉も焼き方も美味しい部類に入るとのこと。なるほど。そんな良い店なら大繫盛しても不思議ではない。良い店は世の中にもっと広がって欲しい。そう願ってやまない今日この頃である。
何はともあれビールを飲もう。乾杯!(終わりの始まり)
もちろん飲み放題。さてさて何を注文しようかね。
頼んだメニューはこちら。
・望来豚のやきとん串
・葱塩やきとん串
・とり精串
・砂肝串
・ハツ串
・ぎょうざ12個
それにしても豚を「とん」と呼ぶのには未だに違和感を覚える。
「豚汁」は「とんじる」で違和感無いけど「豚丼」は「ぶたどん」だし「焼豚」は「やきぶた」。「豚肉」は「ぶたにく」だし「豚玉」は「ぶたたま」。「豚しゃぶ」は「ぶたしゃぶ」。と思っているが「豚足」は「とんそく」だし「豚骨」は「とんこつ」。豚のステーキは「とんてき」。・・・日本語は曖昧な読み方が多すぎではなかろうか?そもそも国名の「日本」ですら「にほん」と呼んだり「にっぽん」と言ったり。曖昧なことが好きな国民性と呼んで良いのかも知れない。日本語を学ぶ外国人が困惑するのも仕方ない。
とある動画で外国人が「1月1日は日本の祝日です」「その日は日曜日で5日ぶりに雨が降りました」と、この短い文章だけで「日」の読み方が7種類もあり日本語学習の難解さをコミカルに表現してて笑ったけど、改めて言われてみると我々日本語ネイティブはなぜ瞬時に判断できるんだろう?と考えさせられた。しかも正解を脊髄反射レベルの速度で。確かに難易度は小学生レベルだがこれが外国語だったら即座に正解が浮かぶだろうか?幼少期の学校教育の賜物かも知れないが、つくづく人間の脳味噌とは不思議なものだと感じた。
また脱線した。元に戻ろう。
望来豚のやきとん串。サイズがデカい。けど柔らかくて新鮮で美味い。イチオシするだけのことはある。コレは是非食べてみることをオススメする。
葱塩やきとん串。こちらも美味い。ネギとの組み合わせは鉄板。
とり精串。鶏も旨い。どちらもこだわってるように感じられる。
砂肝串。コリコリして旨い。鉄板メニューのひとつ。
ハツ串。プリっとして美味い。焼き加減が絶妙。
ぎょうざ12個。モヤシが上に載ってる浜松餃子スタイル。こちらも肉汁がジューシーで旨い。レビューを見ると焼きそばも美味いとのこと。気になる。
このお店は料理全般のレベルが高い。何を食べても美味しい。メッチャ混雑してることだけが難点だけど総じて大満足。また来ます!
ごちそうさまでした。