御徒町で 二十四時間営業の居酒屋
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は越後の地酒にしよう。
JR御徒町駅から西に向かって徒歩2分。
居酒屋釧○だ。
アメ横通りとは道を隔ててる上、線路沿いから一本裏通りに当たるので閑静な通りと言って良いだろう。すぐ近所に立ち飲みの同名店があるが姉妹店のようだ。
店名から北海道らしい料理を味わえるのかと思ったがどうやら全くそんなことは無くただの居酒屋とのこと。ただ最近としては結構珍しくなった二十四時間営業の居酒屋だそうでお昼は六百円のランチメニューもあるのだとか。それは気になるということで訪問した次第だ。
生ビールが250円なので注文するしかない。早速乾杯!(終わりの始まり)
それにしても最近では二十四時間営業を縮小するニュースは良く聞く話だが未だにしかも居酒屋で二十四時間営業を続けられてるのは素直に凄いと思う。
どうやら少子高齢化により従来頼りとしていた学生バイトが激減したため社員や事業主が長時間労働で補わざるを得なくなったのと、働き方改革により長時間労働の是正やワークライフバランスを考えた労働環境の改善が求められたこと。またインターネットやSNSの普及により消費者の行動が変化したことが深夜営業を縮小せざるを得ない大きな要因と考えられているようだ。
言われてみれば人材不足の側面も大きいとは思うがネットおよびSNSの普及による行動の変化というのも無視できない大きな要素なのだろう。思い返してみればネットが普及してない頃はコミュニケーションを取るにはリアルに会いに行くか電話しか手段が無かったワケだ。
そのような需要があれば二十四時間営業それも深夜に訪問する動機は充分にあるし店側としても深夜営業するメリットを存分に感じていたことだろう。
しかしながら現在のように自宅にいても世界中とアクセス出来る環境があればわざわざリアルで会う必要性は薄くなっても不思議ではないだろう。もちろんリアルで会うことの価値が無くなったワケではないがネットで済む程度の内容であればわざわざ深夜に店舗へ足を運ぶ動機が減ったとしてもおかしくはないと考えられる。
買い物もネットの通販を利用すれば二十四時間好きな時に購入出来るのでリアル店舗に訪問する動機が減ったとしても何ら不思議なことではないだろう。ヤンキー御用達のド○キなどは二十四時間営業してる店舗が結構あるようだがアレは目的の品を購入するというより宝物を探すようなエンタメを楽しむ要素が大きいから未だに来客が途切れないのではなかろうか。
もちろん少子高齢化の影響も大きいのだろうがネットとSNSの普及により人の行動がここまで変わるとは予想外だったことだろう。このようなケースの場合、バタフライ効果と言うより風が吹けば桶屋が儲かるの方がより適切な表現となるのだろうか?世の中の動きとは面白いものだなと改めて思う今日この頃だ。
脱線した。元に戻ろう。
呑んだくれとしては居酒屋の二十四時間営業は大歓迎である。可能であれば乗り過ごした終着駅で営業してくれてたら最高に嬉しいのだが流石にそれは厳しいのだろう。乗り過ごして終電が無くなった際の駅前にコンビニしか無かったときの絶望感と言ったらムンクの叫び状態でしかないが脱線しすぎなので再び元に戻ろう。
頼んだメニューはこちら。
・冷奴
・豚キムチ
・いか丸焼き
お通しはハムサラダ。辛子が鼻の奥にツーンと効くパンチがあるサラダに驚いたが全然アリ。いやむしろ旨いと言って良いだろう。サンドウィッチの味付けを参考にしたのだろうか?サラダに辛子を混ぜる発想は無かったので新鮮な驚きだった。
冷奴。オニオンスライスとネギ、かつお節がたっぷり掛けられており豆腐も一丁まるっと提供されお得感が凄い。そして普通に旨い。
豚キムチ。ごま油が効いてるし豚も脂も柔らかくキムチとの調和も取れており物凄く旨い。かなり好みの味付けで嬉しい。ご飯が欲しくなる味。
いか丸焼き。塩味ゼロのシンプルに焼いただけのイカが出て来て笑ってしまった。だが逆にそれが良い。料理をしたことない人がキャンプとかで下味を付けずにただ焼いただけというシンプルな風味。よく言えば自分好みに改変出来る余地があるし悪く言えば物足りないと言うヤツだ。改良の余地があるのでイカを豚キムチに浸してみたがコレは失敗。悪くはないのだがマリアージュとはならず、イカと豚キムチの汁がバラバラで相性は良くなかった。シンプルに醤油で食べるのが一番。
お通し代が400円取られるのとグラス交換をお願いしないと同じグラスに追加のビールを注ぎ続けることだけがマイナスポイントだったが豚キムチが物凄く旨かったのと居心地が良かったので結果的に大満足。まだまだ知らない良店があるのだなと感じた。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。