バスセンター前 店の軒先でBBQ
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日はBBQにしよう。
札幌市営地下鉄東西線バスセンター前駅から南に向かって徒歩3分。
和ごころ雄○だ。
一時期は定休日以外毎日通ってたレベルの常連だったので馴染み深いなんてものではないお店のひとつだ。厨房をウチのキッチン、客席をリビングと呼んでいたがあながち間違ってもいないだろう(笑)
オリジナル料理を作って頂いたり好みの食材をリクエストしたりだの好き放題してたのだがある日動画サイトを巡回してたところ七輪で炭火料理してる動画を発見。それ以来ハマって関連動画を見まくる毎日が始まった。
私が好きなのは定点カメラでずっと食材だけを映してる動画だ。
早送りやナレーションBGMなどの余計な要素を一切入れずただ淡々と食材が焼ける姿およびたまに裏返したり火の調節をするなど、黙々と作業して炭火料理が徐々に完成する工程を見るのが好きなのだ。
水辺であれば川の流れるせせらぎや鳥の鳴き声、木々のざわめきなどと共に時おり爆ぜる食材の油分。海辺であれば寄せては返す波の音と共に食材からも香り立つような磯の香りを感じさせる魚介類。森林の中での調理もまた良いし庭での簡易BBQも手軽さ&羨ましさがあり良い。
色々な動画を見てるうちに自分もやりたくなり色々調べたところ場所や準備片付けなど各種問題があることが分かり思ったよりハードルが高いことに愕然とする。
まずマンションでは基本的にNGと思った方が良いとのこと。
仮に室内で実施する場合、換気扇を全開にしようが一酸化炭素中毒の危険性があるので一酸化炭素チェッカーは必須だとか窓も全開にした上で窓に向けて扇風機を全開にする必要があるだとか、窓を開けるということは他の部屋へまき散らす臭いテロ状態となり洗濯物にも影響する迷惑行為として家主へ通報される可能性がある等々いろいろ懸念事項があるらしい。
さらにそれだけでなく炭火の準備や後片付けの問題もあり炭火に火が付くまでの時間や料理後の炭火の片付けなどを考えるとかなり面倒と言って良いだろう。
また普段はお店や外で炭火料理を楽しんでるからあまり気付かないが思ったより煙が出るので部屋が煙だらけになったり煙や油臭くなるなどの問題も発生する。
ならばベランダでやれば問題解決ではないかと思われるかも知れないがベランダBBQが許可されてる物件を数える方が楽なほど希少と思われるし、仮に許可されてたとしても他の部屋に臭いや煙問題などの影響を与えることは重々考慮する必要があるだろう。
ならば一軒家であれば問題ないと思われるかも知れないがそれが山奥の孤立した一軒家であれば確かに問題ないだろう。
しかしながら街中で隣の家とほぼ隣り合わせであれば煙や臭い問題は付いて回るから基本的に難しいと言って良いかも知れない。大昔の日本家屋のような隙間だらけで一酸化炭素中毒になりようがない造りの家であれば囲炉裏のような感じで炭火料理を楽しめるかも知れないが、機密性の高い現代の建物には残念ながら向かない調理法と言って良いだろう。色々調べるほどお店や屋外で楽しむに留めておいた方が良いと思わざるを得ない結果となった。
豊平川もBBQ禁止区域が多いし仮にOK区域でやったとしてもトイレ少ないし汚いのが嫌なんだよなぁ。。と思ってたところピンと来た。そうか。マスターに確認してみるのはどうだろうか?
かなり強引ではあるがこちらのお店は軒先に人が座れるくらいの幅のスペースが屋外に確保されており、この軒先でBBQさせて頂くことは出来ないのだろうか?
わずかな希望を胸にマスターに聞いてみたところ苦笑しながらもいやまぁ○○さん(私)なら良いですよとのこと。しかも飲み放題もいつも通り使わせて頂けるし食材も用意頂けるとのこと。つまりキンキンに冷えたビールが飲める上、炭火は厨房で準備頂けるし食材も持ち込む必要なし。店内の清潔なトイレも使用させて頂ける上、終了時の炭火も厨房で処分頂けるとのこと。何だそれは考え得る中でも最高なプランではないか。
当然外にいると声が届かないので注文はLINE通話で注文する形。ちなみに七輪はお店の所有物ではなく私物を持ち込んだモノである。私物化極まりないと言っても過言ではないが通いまくって信頼を積み重ねた結果と言って良いのかも知れない。ご厚意に甘えてるのは重々承知の上だがたまにはハメを外させて頂きたいということだ。早速生ビールで乾杯!(終わりの始まり)
すぐ横は歩道なのでさすがに独りで飲む勇気は無い。ということで道連れ要員としていつもの飲み仲間を動員。いやーやっぱ夏と言えば外でBBQ楽しみたいよね。ということで誘ったワケだ。こんなに珍妙なBBQにお付き合い頂き感謝である。
夏ということで折角だから甚平姿で気分を盛り上げようと思ってめかし込んだが暑いことこの上ない。一応上も下も脇にスリットが入って風が抜けるような構造となってるのでパッと見は涼しそうに見えるのだが、いかんせん生地が分厚いので熱気が逃げにくいのだ。正直普通のTシャツと短パンの方が100倍涼しいと言って良いだろう。
しかしこーゆーのは気分も大事な要素なのだ。甚平姿でBBQ。まさに夏の風物詩という感じがするではないか。自己満足万歳である。
ただでさえ普通の居酒屋の狭い軒先で七輪BBQしてるだけで目立つのに甚平姿のオッサンが明るいうちからビール飲んでBBQである。当然違和感バリバリなので道行く人々の注目を集めるのは必然と言って良いだろう。
飲み始めはさすがに少々気恥ずかしさを感じなくは無かったが酔ってしまえば関係ない。いつも飲んでる時と同じノリで楽しく飲み進めることが出来た。
途中で常連さんから声掛けられたりしつつ炭火料理を楽しんで行く。
頼んだメニューはこちら。
・明太子
・ハツ
・タン
・ねぎま
・小さ目な魚(こまい?)
明太子。酒飲み向けかつ初心者向けと言えばコレでしょう。ということで選択したが大正解。普通に旨い。完全に火を通すより半生の方が好きなので良きタイミングで食べられるのも醍醐味と言えるだろう。
ハツ。旨い。自分で焼いても炭火だとこんなに旨く焼けるのかと感動。自宅で炭火焼きは難しいことが分かった今ではお店で食べるのが一番だと改めて感じる。
タン。こちらも間違いない旨さ。喋りながら焼くのでたまに焦げたりするがそれもまた一興。炭火を囲みながら飲むという行為自体が楽しくてワクワクする。
ねぎま。ネギは結構早めに焦げるのに肝心な鶏肉になかなか火が通らない(笑)コレはさすがにプロの調理技術は凄いのだなと実感せざるを得なかった。結局焦げたネギの外側を外して食べたが旨かった。
小さ目な魚(こまい?)。どうせなら魚介類も食べてみたいということで魚も焼いてみた。本当はホタテのような貝も焼いてみたかったのだがド素人なので失敗が少なさそうな魚にしておいた。こちらも旨い。
総じて大満足。これだけ満喫させて頂いたのにいつもと同じ飲み放題の価格+食材費だけで良いだなんて良心的にも程があるが毎日のように通ってる常連だったからこそのサービスだったのかも知れない。食べ終わった後の炭火の処理も厨房の炭に追加するだけという形にして頂いたので無駄も出ないという点も良かったと言えるだろう。マスターには改めて感謝申し上げる次第である。
さすがに今はそのようなサービスを許容頂けるかは不明だが普通に店内で楽しめると思うしこちらの店はかなりコスパが良いお店かつ何を食べても基本的に美味しいのでオススメだ。気になる方は是非チェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。