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中野で クラフトビール

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。

今日は何を飲もうかな。

うん。今日は中野でクラフトビールを飲もう。


中野駅から北側に向かって徒歩6分。アーケード街サンモールをブロードウェイまで進み右側に曲がった後、更に曲がること数回。


裏路地にひっそりと佇むお店。中野ビ○ル工房だ。


中野と言えば代表格なのが中野ブロードウェイだろう。


今ではサブカルの聖地とも呼ばれており、オタクの総本山と言っても過言ではない。サブカルには興味ないという人も一度は訪れてみることをオススメする。


ここは1階と地下1階は普通の店舗が立ち並ぶ複合施設といった感じだが、2~4階が本番だ。覚悟は良いか?濃密な空気に触れる準備は出来たか?では踏み出してみよう。いざサブカルの聖地へ。


足を踏み入れると目に映るのはそこら中に陳列されている漫画、アニメ、関連グッズ類。ところ狭しと並べられた濃い商品の数々。店ごとに異なるコンセプト。きっと貴方はこう思うはずだ。「興味を突き詰めた品々が集まるところには怨念に近い何かが発生するのでは?」と。少なくとも私はそう感じた。人が多いところに行くと人に酔うと言われることがあるが、ココでも同じような酔いを感じる。モノ自体に宿った人の強い想いが渦巻いており、それらが堆積して何らかの力場を発生させているのではないか?もしかして視える人には何らかの(うごめ)く集合体が視えるのではないか?そう感じてやまない。


怖いもの見たさという欲求を果たすため。有名な中野ブロードウェイとは一体どのようなところだろうという純粋な好奇心を満たすため。動機は何でも良い。話のネタになることだけは間違いないので是非一度訪問することをオススメする。


脱線してしまった。元に戻ろう。


中野にもクラフトビールを飲める店があることは知らなかった。


どちらかと言うと中野はクラフトビールを飲むようなお洒落な街ではなく、雑多な街。言ってしまえばB級グルメのような感じのごった煮の街。金の無い学生や小遣いの少ないサラリーマンが好んで利用する飲食街という印象(褒め言葉)なので、そのような意味で新鮮な驚きだった。偏見が強すぎるのは認める。


飲めるクラフトビールは日替わりで8種類。ジョッキは1人1つを使い回すような形で、次のビールを頼む際にジョッキを逆さまに洗浄器に押し当てるとシャッと勢いよく水が下から噴射され洗浄された後、新しいビールを注いでくれるシステムだ。初めて見たけど面白い。最初は「・・・え?ジョッキを使い回すの?」と少し引いてしまったが、一度ジョッキ洗浄を経験するとまた洗浄器を使いたくなるワクワク感がある。ある意味エンターテイメントのひとつなのかも知れない。


それでは左上から飲むとしよう。乾杯!(終わりの始まり)


注文したメニューはこちら。


・燻製3種盛り合わせ(うずらの卵、チーズ、ナッツ)

・枝豆と干しエビのアヒージョ

・牛もも肉のローストビーフ


燻製メニューは頼んでおいて間違いない。外れが少ない印象の品だ。


燻製と言えば私も燻製器を所有している。ドイツのツヴ○リング プラス スチーム&スモーカーセットというヤツだ。


熱しやすく冷めやすい私だが、燻製にハマってた時期があった。独り暮らしのあるあると言うヤツだろう。もちろん炒飯作りにハマってた時期もある。下手な店より美味しく調理出来てて自己満足とドヤ顔を堪能していたが、なぜあんなにハマってたのか今となっては思い出せない。一過性のはしかのようなものだろう。そのうち蕎麦打ちにハマる未来が来るかも知れない。そうなった場合、生暖かい目で見守って欲しい。


燻製だが当然煙で食材を(いぶ)すので、室内でやる場合大量に発生する煙をどうするか問題が付きまとう。


屋外でやる場合、ダンボールで簡易燻製器を作成して燻製するのが有名だしお手頃だが、屋内でやる場合そうは行かない。換気扇を全開にしても室内に煙が溢れ出ることが容易に想像できる。火災報知器が鳴る未来も視える。それは避けなければ。


ということで極力煙が外に漏れないタイプを検討した結果、この製品を選んだというワケだ。所有する燻製器の説明だけでどれだけ文字数を重ねてるんだという呟きが聞こえるが私は気にしない。こーゆーモノだと思ってくれ。


燻製する際は燻す素材を選ぶのだが、代表的な桜チップを選んでおけば間違いない。というか私は桜チップ以外を使ったことは無い。なぜならそこまでこだわりは無いからだ。


しかし私は知らなかった。燻製する=タールも発生させるということを。


初めて燻製した際はルンルン気分(死語)で蓋を開け、一気に溢れ出る煙の塊。しかし一応火を止めてしばらく落ち着かせてから開けたので想定してた程度の煙の量だったので換気扇で吸い取れるレベル。そして綺麗なきつね色に仕上がった食材。初めてでコレは大成功ではなかろうか。


とホクホクしながら食材を皿に盛り付け、さて燻製器を洗おうかと内蓋を見たところタールで真っ黒。え?たった1回15分程度しか燻製してないのにこのレベルに汚れるの??と心底驚いた。


更にこのタールが本当に落ちない。家庭用洗剤ではどんなにスポンジに力を入れてもほとんど落ちず、クレンザーを使って削り落とすも重労働。毎回燻製する度にこんなに大変な思いしなきゃならないの・・・?と軽い絶望を覚えたのは秘密だ。


また最初はナッツ類だけにしたので問題なかったが、うずらの卵やチーズを燻製した際は冷蔵庫から出したものをすぐ使ったので酸っぱくなってしまい大失敗だった。燻製前に食材表面の水分を拭き取ることも重要だが、常温に戻して乾燥させておく工程も重要なことを知らなかったため、燻製中に食材が汗をかいてしまったのが失敗の原因だ。それ以来燻製は心と時間に余裕のある時だけにするようになった。人生とは教訓の連続である。


ということで注文した品々が到着。


燻製3種盛り合わせ(うずらの卵、チーズ、ナッツ)。うん。美味い。間違いない組み合わせ。料理というのは香りも大事なんだと再認識させられる。


枝豆と干しエビのアヒージョ。普通アヒージョと言えば海産物や肉、キノコが定番だと思うので珍しい組み合わせだと思う。初めて食べたけど美味しい。枝豆とアヒージョの相性がこんなに良いとは知らなかった。今度やってみよう。


牛もも肉のローストビーフ。おおぶりのローストビーフが6枚くらい載せられており豪華さが凄い。うん。これも間違いない美味さ。ローストビーフは付け合わせのソースも重要だけど絶妙にマッチして旨い。ビールが止まらない。


ひとつだけ言うと暑い日だったせいでクーラーをガンガンにかけてくれてるのは非常に嬉しいのだけど、クーラーの風が直接当たる席だったので寒くてしょうがない点だけが残念ポイントだった。


しかしながら総合的には大満足のお店。また来ます!


ごちそうさまでした。

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