上野で 家族と一緒に海鮮
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は海鮮にしよう。
JR上野駅から南に向かって徒歩3分。
築地○鮮市場 上野アメ横店だ。
本日は父親の誕生日ということで家族全員で飲みに来たということだ。父方の叔母からたまには家族写真を送って欲しいとのことだったので折角だから上野でお気に入りのお店で飲んでそこで撮ろうという話に。
昼から飲めるのだがさすがに午前中の時間が余るということで誰一人行ったことの無いスカイツリーを見学しに行く流れに。なぜスカイツリー?とも思ったが父親の希望だから仕方ない。誕生日の人の意向は尊重されるものなのだ。
提案に乗っかる形とはなったが私も興味が無いワケではない。オープン当初はとんでもなく混雑してたようだがさすがにもう落ち着いたことだろう。快晴なので眺望も良いだろうし富士山もクッキリ見えて良いかも?と出掛ける前は思っていた。
押上駅(スカイツリー前)から向かうルートを選んだのだがまず押上駅の案内が不親切なことに驚いた。どちらの出口から出ればスカイツリーに向かえるのか一目で分からないのだ。
どう考えてもスカイツリー目的の乗客が多いのは一目瞭然だろうに案内標識が乗り換えや出口情報はすぐ分かるようになってるものの結局どこに向かえばスカイツリーに最短で辿り着くのかサッパリ分からないのだ。「お役所仕事」という文言が脳内を駆け巡ったのは言うまでもない。
こちらかな?という方向に歩いて行くと改札付近にようやく「東京スカイツリータウン」という名称が小さく表示されている。ん?スカイツリーとスカイツリータウンはどのような関係なの?ただの周辺施設?それともスカイツリーの真下で営業してるということ?という感じでとにかく不親切極まりない。下調べしてない一見客などお呼びでないという傲慢な姿勢が垣間見える。
既にこの時点で嫌気が差してきていたが本番はこれからだ。気を取り直して行くとしよう。
ハリーポッターに出てきたホグワーツ魔法魔術学校を彷彿とさせる配置のエスカレーターで昇っていくのだがこの時点でもここがスカイツリーの真下なのか周辺施設なのか全く分からない。まぁ周囲の人達と同じ方に向かってるので間違ってはいないのだろう。内心不安に思いながらひたすらエスカレーターで昇って行く。
商業施設が見えてきたがこの施設もスカイツリーはこちらという感じの案内標識は無くとにかくテナントに誘導して散財させる意図が見え見えでどんどん気持ちが冷めてくる。こんな分かりづらい動線にしたら反感を買う可能性が高いと設計段階で誰も指摘しなかったのだろうか?
自分独りだったらこちらの外観は綺麗なものの中味は銭ゲバ根性丸出しな施設どころか押上駅の段階で引き返してるなと思いながら周囲に合わせ歩みを進めて行く。このように考えるのは私だけなのだろうか?少なくとも私は東京観光でどこがオススメかを聞かれてもスカイツリーだけは絶対止めとけと忠告するだろう。浅草や合羽橋道具街の方が百万倍オススメだ。浅草からはスカイツリーもかなり大きく見えるのでそれで充分だと思う。
悶々と考えたが水を差すのも大人げないので無心で歩みを進めて行くとようやくスカイツリーの足元に到着。正確に測ったワケではないが体感では改札出口から十分近く移動したように感じた。
入口手前には即席のスケートリンクが設置されており大勢のお客さんが楽しんでいたが大きく前へならえが出来るか微妙なレベルの大混雑なのによく滑ろうと思うなとある意味感心してしまった。
え?まだスカイツリーに入ってもないのに初っ端から辛口全開すぎる?安心しろ。私もそう思うし何ならまだプロローグだ。もうお腹いっぱいと思った方はブラウザバックして頂いて構わない。
覚悟はいいか?では進めるとしよう。
色々心の中で文句を垂れたがスカイツリーの真下に来るとさすがに大きさに圧倒されるしテンションも上がる。写真を撮ったが太陽の位置が微妙でどうも良い写真を撮ることが難しい。スカイツリーの外観と一緒に家族の集合写真を取ろうと思っていたが止めておいた方が良さそうだ。冷たい風が強く吹いているのもあったので避難するように内部へ入ることに。
全く下調べせず来訪したので支払いシステムが全く分からない。スタッフの方に伺ったところ当日券を購入し、時間になったら別の行列に並ぶシステムとのこと。物凄く長く蛇行する通路が設置されてたが思ったより並んでいない。これは案外楽勝かも?
せっかくだからと上下両方の展望台を見学できるセット券を購入。当日券は大人一名3800円也。噂には聞いてたが高い。。がまぁ仕方ないのだろう。意外に思ったのが時間指定が必要なこと。なるほど確かに人数制限をした方が混雑緩和に役立つのだろう。一番直近の時間帯は家族全員分購入出来なかったので二つ目の時間帯を選ぶことに。三十数分待つだけなので某テーマパークに比べれば楽勝と言って良いだろう。今のうちにとトイレに行ったりして時間を潰す。体感では外国人観光客と日本人が半々といったところか。
時間が近づいたのでスタッフの方に購入済みの列への並び方を確認したところ一旦外に出てから再入場する必要があるとのこと。・・・え?何そのお客さんのことを全く考えてないとしか思えない動線・・・今日も強風気味で冷たい風にさらされるし雨が降ってたらわざわざ傘を差しなおせということ?いくらなんでも傲慢すぎる動線だろ責任者は誰だと思うが末端のスタッフに文句を言っても仕方ない。指示通り屋外に出て再度入りなおすことに。
好意的に解釈するなら屋内だけで完結しようとすると観光客が押し寄せてきた時にスペースが足りずパンクするのを予防してるのかな?とも思えなくもないが明らかにそんな状況になるとは思えない程度のお客さんしかいない。日本らしく安全マージンをたくさん確保してるが故の対策なのだと強引に納得することにした。
購入済みの人が並ぶ列から入場したところ先ほどまで見なかったほどの人数が行列を成している。うわコレに並ぶのか何時間待つんだろう?と嫌な予感に眉をひそめたが結構サクサク進むので一安心。途中でMリーガーの岡田紗佳に似た女性を見かけたが帽子どころかマスクもしてなかったし有名人が素顔をさらしながら観光スポットに来るなど考えにくいからきっと気のせいだろう。行列してても進みが早いとストレスにならないのだなと思った。
驚いたのは空港の保安検査のようにカバンなどの中身をチェックしてたことだ。もちろん空港のように厳密に検査するのではなくスタッフによる軽い目視で終わるのだが危険物持ち込みを警戒するのだなと感心した。
その保安検査場?を過ぎてから全くと言って良いくらい行列が進まなくなった。今までの行列のサクサク進み具合は一体何だったのかと聞きたくなるレベルに進まない。エレベーターは四基あるのだが当然ながら乗客できる人数はそんなに多くないし乗降時間および往復する時間を考えたらそれなりに時間が掛かることは仕方ないのだろう。遅々として進まない時間がしばらく続いた後ようやく搭乗。長い闘いだった。。(まだ展望台に到着していない)
どうやら350メートルに位置する展望台にわずか50秒で到達できるとのこと。おぉそれは凄い。よほど凄いGを感じることが出来るのかな?と少し期待してしまったがほとんど加減速Gを感じさせないスムーズな移動に感動。いま自分はオーバーテクノロジーの塊であるUFOに乗ったのだろうか?と夢想してしまった。
冗談はともかく他のどのエレベーターと比べても一~二を争うレベルのスムーズ&高速移動なのではなかろうか。これだけは誇って良いぞよと謎の上から目線で評価したのも仕方ないだろう。それまでの低評価が一気に覆った瞬間だった。
地上から見てた限り快晴だったので展望台からの眺望はそれは凄いものだろうと思ってたのだが到着してビックリ。光化学スモッグのような霧?で景色が霞んでおりぼんやりとしか見えないのだ。富士山はもちろん横浜も見えない有り様。排気ガスなどの影響も当然あるのだろうが風が強い日だったのでもしかしたら中国などから黄砂やPM2.5などが偏西風に乗って運ばれてきた影響かも知れない。ガッカリ感を味わいながら眺めるハメとなった。
更に私の視力が悪いのもあって遠方の建造物がよく見えない。双眼鏡を持ってくるべきだったと悔やんだが後の祭り。観光地に行く場合、多少重たくて邪魔になるが双眼鏡は必須だなと改めて感じた。
一番上の展望台に昇るには地上からのエレベーターとは別のエレベーターで昇るらしい。天井の一部とドア側がガラス張りとなっておりワクワク感を楽しめた。地上からのエレベーターも採用してくれれば良いのにと思ったが強度その他諸問題で難しいのだろう。もしスカイツリーを観光するなら絶対に最上階?まで行くべきだと感じた。
スカイツリーの外観を見て不思議に思っていたが最上階の展望台の外側に斜めに筒が設置されてるがアレは緩やかな坂だった。いわゆるスロープ状のような形で外側の景色を楽しむ作りとなっていた。真冬なのに日差しが暑くてダウンジャケットを脱いだ上で腕まくりして丁度良いレベルの暑さだった。真夏はどうなるのだろう?冷房ガンガン付けても効かないのでは?と思うレベルの暑さに驚いた。
あと最上階の展望台に着いた時に驚いたのは先ほどまでのスモッグのような霞んだ感じが薄くなっており割とハッキリ眺望を楽しめたことだ。もしかして下の展望台と同じくらいの位置にスモッグが停滞してるので角度が変わることで見やすくなったのだろうか?それとも強風で全て流されたということだろうか?理由は不明だがクリアな眺望を楽しめることに異存は無い。とは言え相変わらず富士山は見えないが横浜のランドマークタワーらしき形がぼんやり見えたので先ほどよりは満足度が高かった。
そして真の地獄をこれから味わうことに。そう下りのエスカレーター待ちである。
行列が全く動かない。驚くほど動かない。ドローンで先頭までの様子を見たいくらいだがそんなことは出来ないのでひたすら待つしかない。某テーマパークやコミケなどに並んでる人達はこのような地獄を味わっているということだろうか?
しばらく進んだ先でスタッフの方が記念写真いかがですかと案内してる。どうやらそちらの方が早く先に進めるようなので並んだところそちらもまぁまぁ待つこととなったが床がガラス張りの場所で集合写真も撮れるし我慢しよう。天井に備え付けのカメラでの撮影と私用スマホでの撮影をスタッフにして頂く。うん。まぁ一応集合写真が撮れたから良しとしよう。
当然ながら私用スマホでの撮影は無料だが天井カメラでの撮影は有料。記念にいかがですかと案内されたが遠慮しておいた。
地獄の待ち時間を経てエレベーターに乗れたのだがこちらは下の展望台までの短い距離だけの移動。つまり地上までのエレベーターにも並び直す必要があるのだ。疲れから段々と無口になりがちとなるが黙ってたら脳内で不満が堂々巡りをして余計ストレスとなることは経験済み。どうでもいい無駄話をしながら待ってようやくエレベーターに搭乗。地上に辿り着くことができた。
時間としては入場から退場まで全部で二時間程度しか滞在してなかったがそれ以上の疲労感を味わった。二度と来るものかと固く心に誓った。
あとは来た道を戻るだけなのだがわざと複雑な動線としてるとしか思えない作りとなっておりイライラが止まらない。この銭ゲバファ○キン野郎が!と心の声を駄々洩れさせながらヘイトを溜めまくりようやく駅改札口に到着。ガチで絶対来るものかと再度思うと同時に周囲にも注意喚起しようと固く思う出来事だった。
盛大に脱線したしオブラートに包むこともなく辛口全開でまくし立てたがそう思ったのだから仕方ない。人間にはどうしようもない自然現象ではなく全て意図的に仕組まれた人災なのだ。スカイツリーおよび周辺を設計構想した全ての関係者各位にはヘイトや呪詛を受け止める覚悟があるのだろう。存分に味わってほしいと思う今日この頃だ。
そのような感じで心身ともに疲労困憊な状態でこちらのお店に到着。もうとにかくゆっくり座って飲んで疲れを癒したい。
本当に心底お疲れ様でした!ビールで乾杯!(終わりの始まり)
頼んだメニューはこちら。
・枝豆
・つぶ貝とジャンボなめこ(ガーリックバター)
・長芋のワサビ漬け
・めひかりから揚げ
・刺身盛り合わせ(五点盛)
・オムたこ鉄板焼き
・明太ポテ玉サラダ
・刺身盛り合わせ(五点盛)
枝豆。うん美味い。疲れてるから何食っても美味い説はあるが落ち着く。
つぶ貝とジャンボなめこ(ガーリックバター)。安定の旨さ。ジャンボなめこは長野県の特産品らしいがこちらの店に来るまで知らなかったがこんなに美味いとは思わなかった。
長芋のワサビ漬け。普通長芋のワサビ漬けと言えば真っ白な四角柱のアレを想像すると思うが出てきたのはかなり大きいサイズにカットされた大学イモのような色をした皿が配膳され困惑。これはジャガイモでは?と思うも店員さんは外国人であまり話が通じる感じでも無いし面倒なので違っても良いかと食べてみたところ見事に長芋のワサビ漬けで二度驚いた。色と形状には驚いたが普通に旨い。
めひかりから揚げ。安定の旨さ。札幌にいた頃は頻繁にコマイを注文してたが代替品として充分戦えると言って良いだろう。
刺身盛り合わせ(五点盛)。相変わらずの旨さ。札幌で食べるのと何ら変わらないというか店によったらこちらの方が旨いと言っても良いレベル。こちらの店に来たら絶対注文して欲しい料理のひとつだ。
オムたこ鉄板焼き。こちらも安定の旨さ。ビールが進む。
明太ポテ玉サラダ。半熟玉子が良い仕事をしてる。旨い。
刺身盛り合わせ(五点盛)。最初は半信半疑だったようだが両親とも気に入ったらしく追加注文。何度食べても旨い。
他にも二品ほど注文してたが疲労が勝ってたので覚えていない(笑)しかし軒並み美味いと思える料理の数々に大満足で帰る頃にはすっかり元気を取り戻すことが出来た。店員さんに家族写真を撮っていただけたので叔母を含め親戚に送信したところ好評だったのも嬉しいポイントだった。
初めて店内のテーブル席に座ったが四組ほどで満席となるようなので日時が決まってるなら予約した方が無難だと思う。気になる方は是非チェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。