持ち帰りの 牛皿
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は持ち帰りの牛皿にしよう。
札幌市営地下鉄南北線すすきの駅から東へ徒歩1分。
○屋 すすきの店だ。
すすきの交番のすぐ近くなので見かけたことがある方もいらっしゃるかも知れない。いつもは店内で飲食するが牛皿をツマミに飲みたい気分となったので買いに来たというワケだ。
一部店舗ではアルコールを販売しているというのはよくあるケースだが、こちらの店も場所柄なのだろう。予想通りアルコールを販売している。しかしながら正確な文言は忘れたが居酒屋ではないためお一人様あたりの販売数を限定させて頂きますという感じの注意書きされてるのもあるし牛丼屋の店内で飲むのはどうも落ち着かないので持ち帰ってゆっくり楽しもうということだ。今から楽しみでならない。
本日はこちらの○屋に来訪しているが昔は吉○家しか食べていなかった。もちろん味が好みだったというのが一番大きいが初めて食べたのが吉○家の牛丼だったのとキン肉マンで既に有名となっており刷り込まれていたというのも大きい。
あと何気にお気に入りポイントだったのは紅生姜の味がどストライクな自分好みの味付けだったことだ。私も高校時代の先輩に教わってから目覚めたのだが牛丼はたっぷりの紅生姜および生玉子と一緒に食べるのが最高に美味しいのだ。牛丼というより紅生姜丼では?と言われるほど山盛りにするので持ち帰りだと紅生姜の量に物足りなさを感じることも少なくない。かと言って満足するだけの紅生姜を貰うのも気が引ける。ということで牛丼は店舗で食べるのが当たり前となっていた。
そんなある日のこと衝撃のニュースが全国を襲うこととなる。そう。BSEいわゆる狂牛病を発端とした社会問題である。
既に四半世紀近く前の事件となるので若い世代は知らないだろうし当時を経験してても記憶が風化してる方もいらっしゃるかも知れないが当時は大ニュースとなり連日報道を賑わせていた。
BSE騒動をキッカケに食用牛の全頭検査が実施されることとなり、それに伴い検査前の国産牛買い取り事業が開始されたのだが、外国産牛を国産と偽って国に買い取らせるなど制度を悪用する業者が続出。大きな社会問題となった。
それまでも外国産の食物に関しては農薬が云々だの色々諸問題があったが、BSEに加え産地偽装問題も重なったことで食の安全に対する信頼が大きく揺らぎ、輸入食物に関するアレルギーが必要以上に高くなる事態にまで発展。スーパーだけにとどまらず外食産業などあらゆるところに影響が及んだのは言うまでもない。
吉○家も同様に影響を受けた企業のひとつで数年に渡り牛丼の販売を停止する事態となった。代替品として豚丼をはじめ色々なメニューが増えたのもBSE騒動がキッカケと言っても過言ではない。
数年経過後に一応安全の目途がたったということで輸入再開し吉○家でも牛丼販売を再開することが決まったのだが、この際に再開することについてインタビューを受けた吉○家の社員(幹部?)は「どうしても心配で食べたくないという人は食べなければいいのではないか」とのたまったのだ。
企業イメージが大幅に影響を受けることで有名なテレビ番組の取材に対し顔出しで堂々と宣言。広報としての危機意識が皆無と言っても過言ではないと思うがこれが吉○家の企業体質なのだろう。その後も様々なことで炎上してたがむべなるかなといったところだ。
食の安全に対する疑心暗鬼が未だに癒えたと言えない中でのその発言に失望した私はそれ以来一度も吉○家を利用していない。野球の野村監督による名言に「信用を得るには時間がかかる。しかし、失うのは一瞬だ」というのがあるが正にその通りだと思う。他人事ではないので改めて自戒が大事と思う今日この頃だ。
盛大に脱線した。元に戻ろう。
というワケで吉○家以外の牛丼となると有名どころだと○屋とす○家になるだろう。な○卯もあるが店舗数が少なめなので必然的に二択となるのだが、す○家はワンオペ問題が有名だったのもあるが味があまり好みではなかったため牛丼を食べたい時は○屋となったのだ。代替店舗の選び方が消去法ですまない。
しかし○屋に変えて良かったと思ったのは牛丼を注文すると味噌汁が付いてくることだ。これまでも生玉子と味噌汁は必ずセットで注文してたので地味に嬉しい。
とは言え今回は牛皿単体で持ち帰る予定なので味噌汁は付いて来ないが構わない。汁物を持ち帰るのが大変というのもあるが自宅にはインスタント味噌汁があるので無問題なのだ。
頼んだメニューはこちら。
・牛皿2人前
・生玉子2個
やはり紅生姜は満足いく量を頂くことが難しいので最寄りのスーパーで紅生姜を購入。スーパーに寄った際にパック売りの生玉子を見て少々後悔したが後の祭りというヤツだ。早速持ち帰って頂くとしよう。ハイボールで乾杯!(終わりの始まり)
牛皿2人前に生玉子2個を和えてたっぷりの紅生姜と一緒に頂く。うん旨い。しかしスーパーで売ってる紅生姜は塩分なのか酸味なのか不明だが個性が強すぎる。単体では美味いのだが牛肉とのバランスが良くない。牛丼屋の紅生姜は牛丼に合うよう味が調整されてたのだなと実感した。
あと牛丼を食べる時は生玉子必須なことは間違いないが牛皿単体で食べる場合は無くても良いかな?というのが正直な感想だ。すき焼きのような感じになるのでコレはこれで美味いのだがアルコールと合わせるのであれば牛皿単体で食べた方がよりツマミとして楽しめるのではないかと思った。それこそすき焼きのように別皿に溶いておき、たまに味変として付けるくらいが丁度良いのかも知れない。勉強になる一食だった。
反省点は残るものの総じて大満足。他にも色々サイドメニューがあるので味変アイテムとして試しても良いだろう。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。