上野で 沖縄料理
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は沖縄料理にしよう。
上野駅から南に向かって徒歩4分。
沖縄ダイニング琉○ 上野本館だ。
アメ横商店街を抜けるルートだと混雑してるだけでなく遠回りとなるので大通り沿いに移動した方が無難だが、観光地気分を味わいたいならアメ横沿いに移動する方がオススメだ。外国人観光客が多いのでまさにアジアの屋台街のような賑わいを感じることが出来る。プチ海外旅行気分を味わえると言っても良いだろう。
沖縄料理もご当地グルメ感が強いジャンルのひとつだと思うが、お店の数だけで言うと沖縄料理よりアジア系の料理を出すお店の方が多く見掛けるような気がする。味の問題なのだろうか?それとも食材の調達難易度の問題なのだろうか?
そう言えば初めてゴーヤという存在を知った頃は苦くて苦手というか嫌い寄りだったのだが、初めて沖縄料理の店で食べたゴーヤチャンプルはほとんど苦味が無く美味い中華炒めという感じでそれから好きになったことを思い出す。どのような食材であっても料理人の腕前次第なのだなと実感した次第だ。
それ以来ミミガーを始めネーミングの面白さだけでなく普通におつまみとしてもイケる食材がちょこちょこあることを知り定期的に購入してたのだが、たまには沖縄料理を食べに行きたい。ということで訪問した次第だ。
とは言え私は沖縄に行ったことが無いので本場の味は正直知らない。関東や札幌などに出店してる店で食べて知った気になっているだけだ。皆さまも多かれ少なかれそのような傾向はあるのではなかろうか。え?無い?それは失礼しました。。
沖縄に行ったことが無い一番大きな理由は旅費が高すぎるという固定観念があることだが、二番目の理由としてそこまでグルメに期待できないということが大きい。
好き好んで沖縄料理の店に来ておきながら何を言ってるのだこのオッサンは?と思ったそこの貴方。大正解だ。私もそう思う。
しかし考えてみて欲しい。日本全国に美味しいグルメがたくさんある中、それらを差し置くほど沖縄料理に強い引きがあると言えるだろうか?
・北海道
⇒海産物、ジンギスカン、味噌ラーメン、スープカレー。
・大阪
⇒たこ焼き、お好み焼き、串カツ、てっちり・てっさ。
・広島
⇒お好み焼き、牡蠣、尾道ラーメン。
・福岡
⇒豚骨ラーメン、もつ鍋、明太子。
などなど全国的にも有名だし何なら近所に出店してる支店で食べることも出来る。しかしながら現地で本場の美味しいグルメを味わいたい!と思わせるご当地グルメが山ほどあるのだ。上記は偏った地域やグルメであることはもちろん認めるし、挙げた例は極々一部というのも聡明な皆さまであればご承知の通りだろう。
ちなみに旅費が高すぎるというのは大昔の値段を引きずってるからで、日程や便によるが格安航空を使えば三万円程度で往復出来るようだ。激安にも程がある。。(片道十万円前後かかる認識が強いので衝撃を受けた)
ということで現地に行くほどではないが定期的に食べたくなる沖縄料理。ということで来訪したワケだ。
もちろん沖縄と言えば青い空と青い海を代表とした美しい景色だろう。そこには全く異論は無いし琉球王国の文化遺産もいつかは見学しに行きたいと思ってる。だがしかし優先順位は他の上位グルメ地域の後塵を拝することとなるのは勘弁して欲しいと思う今日この頃だ。
まだ入店すらしてないのに辛口ですまない。
こちらは1階から入店して内部の階段で3階まで席があるとのこと。もちろん最初はオリオ○ビールで乾杯!(終わりの始まり)
久しぶりに飲んだけどスッキリして旨い。さて何を注文しようかな。こちらもQRコードからLINEの友達登録して注文するスタイル。最近の流行りなのだろうか?スマホだと見づらいので紙のメニューが置いてあるのはありがたいところだ。
頼んだメニューはこちら。
・ゴーヤちゃんぷるー
・豚タン
・泡盛(かりゆし)水割り
・沖縄そば
ゴーヤちゃんぷるー。想像の倍以上あるサイズで提供されて驚いた。気さくな中華炒めの印象だったので黒っぽい少々高級そうなお皿に上品に盛り付けられており、たっぷりかつお節が振りかけられている。旨い。味や具材のバランスが取れていて今まで食べた中でトップクラスに上品かつ美味いゴーヤチャンプルだった。
豚タン。シィクヮーサー醤油と塩ネギで頂くのだがシィクヮーサー醤油が単体でも美味くて驚いた。また豚タンは脂が口の中でとろけて旨い。
泡盛(かりゆし)水割り。水割りを頼んだのに氷もたくさん入ってたのでキンキンに冷えている。思ったより癖が少なく飲みやすい焼酎という印象。芋焼酎に慣れ過ぎたせいかも知れない(笑)飲みやすいし旨い。泡盛初心者向けと言っても良いだろう。アルコール度数が30度なので水割りで注文したがこれならロックで頼めば良かったと思うほど薄めに感じた。
沖縄そば。こちらも必ず注文しようと思ってた一品。ソーキそばと迷ったが前回別の店でソーキそばを食べたので今回はこちらを選択。豚の角煮が柔らかくて甘旨い。豚については絶品と言って良いだろう。
しかしながら肝心の麺やスープは・・・うーん。という感じ。沖縄料理はあの独特な沖縄民謡の三線(さんしん)をベースとした曲を聞きながら郷土料理として。沖縄らしい文化のひとつとして異国情緒のエモさを楽しむものであり冷静に味を分析してはいけないのだ。
麺にコシがなくてぼそぼそしてるなとかスープにコクがなくて薄い塩味くらいしか感じないなとか思ってはいけない。グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸が感じられず物足りないとか思ってはいけないのだ。沖縄料理という看板を掲げずコレを麺料理として専門店を出したら世のラーメン屋を筆頭として蕎麦うどんパスタその他どの麺料理にも太刀打ちできず撤退する未来しか見えないとか言ってはいけn…ええい悪口はそこまでだ!喰らえ!必殺島とうがらし!
・・・つい興奮してしまった。すまない。
卓上調味料としてコーレーグース(泡盛漬け島とうがらし)があったので別皿に盛って試してみる。ゴーヤチャンプルは付けずにノーマルのまま食べる方が美味しい。沖縄そばには合うけど結構辛味と酸味が強く前面に押し出され別物の味に変化するので、スープも入れられる別皿で少量試すくらいが良いように感じる。味としてはタバスコに近いのでパスタやピザにも合いそうな気がする。
総じて大満足。上野だから特にそう思ってしまうのだが値段が少々お高めに感じるのがネックだ。しかしながら味はかなりレベルが高いと言って良いだろう。沖縄に行かずとも楽しめると言う意味では安上がりと言っても良いかも知れない。気になる方は是非チェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。