旭川で 日本酒とクラフトビール
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は旭川で日本酒とクラフトビールにしよう。
今回は飲むことを主眼に置くので全て公共交通機関を使用予定。なので事前のルートおよび時刻表確認が欠かせない。旭川駅からの徒歩圏以外はバス等で向かうしかないのが難点だがその分飲めるということで相殺だ。早速向かうとしよう。
一軒目は男山酒造り資料館。
道北バス[70]当麻線 永山2条6丁目停留所という地元民でないとピンと来ないバス停で下車してから北東に徒歩3分。旭川駅から乗り換え無しで向かうことが出来る上、片道二車線の大きな通り沿いなので比較的分かりやすいと言えるだろう。
今回来訪予定の場所は全て事前調査済みだが何があるかは到着してからのお楽しみということであえて情報を仕入れていない。早速訪問することに。
営業開始時間の少し前に到着したので外で少々待つこととなった。・・・うん。有休を取得して平日に来たから他に誰も観光客がいないしスタッフらしき人達の姿も見えない。警備員さんはいるがあくまで場内の安全管理のためにいるだけのようで観光客を相手にする気は無さそうだ。
目の前が広めの国道?だからか大型トラックなどがバンバン走っており場違い感が半端ない。うーむ。祝祭日であればおそらく観光客がたくさん来て賑わっているのだろうが寂しさすら感じるな。。と思いながら待ちわびていたところ車で来訪した観光客が二台ほど到着。観光客は自分ひとりではないのだと少しだけ気持ちが楽になった。
営業時間になったところで開門。さっそく中にお邪魔することに。
門から左側が駐車場。建物入口までの右側にちょっとした庭園が準備されており中心部にはひょうたん池やアーチ型の古い橋、同じく木造の古い水車、池には鯉なども泳いでおり優雅さすら感じさせる。何だこれは門の中と外で大違いではないか。
資料館と銘打っている通り建物内には昔の酒造りの道具が並べられており見学してるだけで楽しい。昔はこんな展示物を見て何が楽しいのかサッパリ分からなかったが、今では「仮に自分が無人島などでゼロから各種道具などを自作するとしたらこのようなモノが作れるだろうか?」と考えながら見学するので細かい部分から全体の構造に至るまで興味深く眺めることが出来る。今ほど文明が発達してない時代によくこれだけ大小様々な器材を作れたものだと感心する次第だ。
道具の他にも酒造りの歴史資料も展示されておりまさにちょっとした博物館の様相を呈している。とは言え正直物理的に残ってる昔の器材などは興味津々で見学できるが紙の資料にはそれほど惹かれない(笑)ので早々に目的の試飲・売店コーナーに向かうことにする。
スタッフの方にこの後運転する予定があるかを慎重に聞かれたあと試飲開始。もちろんこのために不便な思いをしてまで公共交通機関で来訪したのだ。遠慮なく頂くことにする。乾杯!(終わりの始まり)
残念ながら写真に残ってないので何を飲んだかは忘れたが数種類味わうことが出来た。基本的に辛口寄りで珍味と一緒に味わったらより旨さを味わえるだろうなと思いつつココはただの資料館かつ販売所なのでそこまで求めるのは酷だろう。この後も旅行で色々巡る予定なので名残惜しさを感じつつ資料館を後にした。
私が来訪した際は影も形も無かったが昨年ちょっとしたテーマパークのような形の施設がオープンしたらしい。一升瓶型の滑り台もあり遊び心に溢れてるので小さなお子さん連れのご家族も楽しめることだろう。気になる方はチェックして欲しい。
二軒目は高砂酒造。
道北バス[70]当麻線 4条18丁目停留所というこれまた地元民でないとピンと来ないバス停で下車。JRの旭川四条駅と言えば分かる方もいらっしゃるかも知れない。南方面に徒歩10分ほどで到着。全く土地勘が無い場所なので最寄りのバス停や行き方などを色々調べたが正直バスの乗り換えは非常に不安が大きいので多少距離があってもシンプルなルートで向かうことにした。
いつも思うのだがバスは色々な意味で不便極まりないと思うのは私だけだろうか。
渋滞に巻き込まれて時間通りに来ないことは仕方ないとは言え、事前に綿密に下調べしないとそのバスがどのようなルートを通るか全く分からない。更に終点まで行くならともかく途中下車したい場合、何線に乗れば良いかを調べる苦労が他のJRや地下鉄、私鉄と比べ異常なほど下調べコストが高いと思う。
更にバスは電車と異なり停留所の位置が結構離れてることが多く、少しでも下調べが足りないとバス停らしき場所に着いたは良いものの、どの停留所から乗車すれば良いか分からず迷子となるのだ。皆さまの中でも似たような経験ある方はいらっしゃるのではなかろうか。
もちろん最寄り駅が遠すぎるためバスを使用せざるを得ないような場所に住んでおり生活の足として毎日のように利用されてる方であれば熟知してるのだろうが、一見さんや観光客向けでないことは間違いないだろう。
バスに限った話ではないのだろうが運転手不足や利用者不足により減便や廃止の話を聞くたびに「そのような窮地に陥るもっと前に利便性を高めることで利用客を増加する手はあったのでは?」と感じざるを得ない今日この頃だ。
脱線した。元に戻ろう。
こちらは外観がまさに昔ながらの酒蔵という感じで否が応でもテンションが上がる。時代劇に出て来ても不思議ではない外観で思わずにやけてしまう。
お店沿いに国士無双ののぼりが立ち並んでおりこれぞ有名なお酒を造る酒蔵という印象を強く感じさせる。JR旭川駅から徒歩で15分ほどの距離にあるというのも不思議に感じた。酒蔵イコール辺鄙な場所にあるイメージが強いからだ。
こちらは資料館という位置付けではないので販売と試飲を中心としたお店となっている。私は時間の予定が合わなかったので見送ったが案内付きの工場見学も実施してるので気になる方はチェックして欲しい。
酒蔵だからか先ほどの資料館と異なり入店直後から甘い香りが店中に漂っておりワクワク感を盛り上げてくれる。小さめな大人向けテーマパークと言ったところだろうか。もちろん外観の素晴らしさに感動した後だからというのもあるだろうが香りというのも人を非日常の世界に連れていってくれるのだなと新たな発見を覚えた。
八種類前後の日本酒を試飲できるのだが正直先ほど飲んだ分も含めこれ以上試飲を重ねると寝落ちする未来がありありと脳裏に浮かぶ。なので二つほど試飲させて頂いてお暇することに。うん。こちらも旨い。持ち帰りではなく郵送する手段もあるようだが宅飲みで日本酒に手を出したら沼にハマりそうだったので名残惜しさを感じつつ酒蔵を後にした。
最後は大雪地ビール館。
こちらは高砂酒造から真っ直ぐJR旭川駅に向かう道中にあるお店。道路から少し奥に引っ込んだ形だが道路沿いに看板があるので迷うことは無い。レンガ造りの趣ある建物が特徴のお店だ。
こちらは何と言ってもJR旭川駅から徒歩6分という好立地に位置してるのだ。飲むということは運転しないということなので公共交通機関が近くにあるのは有り難いの一言に尽きる。
入口から想像できないほど中は広めなビアホールとなっている。私は旭川駅に向かう道中に立ち寄って軽く飲むだけのつもりだったから知らなかったがどうやらこちらも資料が置いてあったりビールの精製場所を見ることが出来るらしい。気になる方はチェックして欲しい。
四~五種類のクラフトビールがメニューにあったので全て一番小さいサイズで注文。どれも旨かったがやはり私はピルスナー系が好きなのだなと再認識した。日本人好みだから当たり前なのだろうがいつも同じメニューだけでは世界が広がらないのも間違いない。クラフトビールのお店に来訪した際は出来るだけ知らない銘柄にチャレンジしていこうと改めて心に誓う今日この頃だ。
飲むことを前提とする場合運転できないのが不便だが事前に詳しく下調べすることである程度の距離であれば日本酒とクラフトビールを半日程度ではしごでき大満足だった。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。