バスセンター前で 家庭料理
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日は家庭料理にしよう。
札幌市営地下鉄東西線バスセンター前駅から南に向かって徒歩5分。
鈴○家だ。
こちらは住宅街にあるのだがなかなかディープなお店だ。何故ならば一軒家を改装したお店なので外観はまんま一軒家だからだ。一応暖簾やのぼり、立て看板、申し訳程度にお店の看板が掲げられてるが初見であれば「お店・・・で良いんだよね?」と首をかしげると思う。その怖じ気具合は良く分かるし正しく危険察知センサーが働いてる証拠だとも思う。何なら勇気を出して入店すると更に衝撃を受けるので気合いを入れ直して欲しいほどだ。
一般的にお店と認識して想定する入店後の店内の様子があると思うがこちらは軽々と想定を覆してくれる。入口の扉を開くと普通に一般家庭の立派な上がり框と大きな靴箱が目に入り軽く眩暈を感じるほどだ。靴を脱いで入店するシステムは良いとしてもお店らしさが微塵も感じられないのは得難い経験だと思う。
勇気を出して入店したら見知らぬ一般家庭にお邪魔してました状態なので脳味噌がバグる。あれ?異世界にでも転移させられた?と思わざるを得ない作りだ。コレは申し訳ないが入店に対するハードルが非常に高いと言わざるを得ないだろう。リフォーム時に誰も突っ込まなかったのかと聞きたい気分を抑えられない。
親戚どころか知らない人の家にお邪魔する気分にしかならないのだ。気分はお店どころではない。お店をやるためにリフォームしたらしいが足らなすぎにも程があると言って良いだろう。せめて店舗部分と住居部分はキッチリ分けるべきだったと思わざるを得ない作りだ。
しかしながらせっかく入店したのだからと奥に進んで行くとリビングに該当するスペースに重厚なテーブル席が複数設けられている。ただし業務用ではなく一般家庭向けの統一感の無いテーブルと座席なのでちぐはぐ感は否めない。こっコレは魔境に足を踏み入れてしまったか・・・(汗)
用意されてる座席なども昭和の香りが色濃く残る作りで落ち着かなさが半端ない。国会議事堂の映像で見るような木で出来た重厚な椅子と言えば良いのだろうか、端的に言うと五十年くらい前のセンスで作られた高級な椅子を模して作られた雰囲気なのだ。口さがない表現で言わせて貰うと昭和の成金が好みそうなデザインと言えば良いだろうか。本日はまだ着席もしてないのに超辛口ですまない。これらは全てイチ個人の感想であり極めて主観的な印象を表現しただけなので皆さんは実物を見て判断して頂きたいと思う。
内心の動揺を抑えながらまずはビールで乾杯!(終わりの始まり)
どうやらお昼にはランチメニューも提供してるらしい。値段はかなり安めなので近隣の方は来訪されてるようだ。お店らしさが無くても気にしない方には使い勝手の良いお店なのかも知れない。
あとこちらは飼い猫が自由にウロウロしている。仮にも飲食店で猫を自由にさせて良いのか疑問符が浮かぶがそのような細かいことが気にならない方や猫アレルギーが無い方向けのお店なのだろう。そう言えば猫カフェでは普通に飲み物や軽食が出るから問題ないのかな?と思考を放棄することにした。
猫カフェと言えば何店舗かお邪魔したことがあるが、私はそんなに積極的に猫と戯れたい派ではないので基本的にボーっと眺めるだけに留めている。
当然在籍?してる猫たちも十人十色というか性格は様々なのでずっと寝てたり構われるのが嫌だったり遊び相手になってくれるサービス精神旺盛な猫だったり色々存在するなと思いながら眺めていた。
私のように眺めてるだけのお客さんもいるが、せっかく猫カフェに来たのだからと積極的に猫と戯れようと遊び道具を片手に興奮してるお客さんもそれなりにいる。人間側としては一期一会だしたまにのことだからと興奮するのは分かるけど猫側にとっては日常生活だ。日頃から相手してたらそりゃ飽きるだろうし嫌にもなるだろう。人間にとっての仕事と一緒だ。
なので私はカフェで時間を潰すよりは多少癒されるということで猫カフェで時間潰しをすることがたまにあるが前述の通りこちらから積極的に猫と戯れる気は無い。むしろ適度な距離感で気配だけ感じさせて欲しいと思っている。
なので本を読みながら時間を潰しつつ気配を堪能してるのだが、猫の中にも気を遣う概念があるのだろうか。わざわざ近寄って来るだけでなく太股の上に乗って来たりする猫もいるのだ。
猫好きの方であれば下手したら悶絶級に喜びを感じる瞬間なのかも知れないが私は違うのだ。そうではない。放置しておいてくれまいか。
当然なのだろうが足を伝って飛び乗ってくる際は爪を出してるし何なら乗った後も不安定だからか爪を出しっぱなしで膝の上に鎮座してたりする。正直ズボンを通り越して素肌に爪が食い込んで少し痛いのでどいて欲しい。コレはアレか。飼い猫を構おうとすると逃げられるのに仕事や趣味に没頭しようとすると邪魔してくると噂のアレか。ツンデレというヤツか(死語だし多分違う)
そのような意味だとこちらのお店の飼い猫たちは大人しいし絡んで来ない。時おり首輪の鈴をシャンシャン鳴らしながら通り過ぎたりする程度の丁度良い距離感だ。私にとって最適と言って良いだろう。他のお客さんも同様に適度な距離感を楽しんでいたので参考にして頂ければと思う。
脱線した。元に戻ろう。
頼んだメニューはこちら。
・冷奴
・タコの唐揚げ
・アジフライ
冷奴。どこで頼んでも間違いない。旨い。
タコの唐揚げ。意外と言っては失礼だが結構旨い。外はサクッと中はプリプリでビールが進む。
アジフライ。こちらも旨い。家庭のキッチンに毛が生えた程度の厨房を想像してたのであまり期待してなかっただけに少し驚いた。
散々色々なこと超辛口に言ったが、こちらは外観や内装の違和感にさえ目を瞑れば値段も安めだし悪くない選択肢だと思う。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。