二条市場の東側で カラオケが出来るバー
この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・店・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
え?似たメニューを知ってる?それは偶然です。偶然ですってば。
今日は何を飲もうかな。
うん。今日はカラオケが出来るバーにしよう。
札幌市営地下鉄東豊線 豊水すすきの駅から北東に向かって徒歩5分。
二条市場の中路地を抜けた場所にあるバーPOJIだ。
有名な観光地である二条市場の南側の裏路地を抜けるので少々アングラな雰囲気を感じると思う。確かに路地の雰囲気は完全に昭和の頃から取り残されたザ☆昭和の繫華街裏路地と言う感じなのだが実際にお店を訪問すると案外普通の店だったりするのでそこまでハードルを上げなくても良いと思うが初見では抵抗を覚える方もいるだろう。どうしても入店のハードルが高く感じる方は事前に食べログやグーグルマップなどで口コミを見てからチャレンジ頂ければと思う。
こちらはカラオケが出来るバーなのだ。スナックよりはもう少しカジュアルなお店と言って良いだろう。
以前も書いた通り私はカラオケ大好きで一時期は独りで四時間みっちり熱唱するレベルに通っていたほどだが、練習を重ねると披露したくなるものなのだ。自己顕示欲の発露なのはもちろん、自分が好きな歌手や曲を他の人にもシェアしたいという布教活動の側面もあるというワケだ。いわゆるファン心理の一端なのだと思う。
東京出張時は毎週のようにスナックに通いカラオケを熱唱してたことを思い出す。
そのスナックは良い意味で接客がいい加減かつ雑で、ツマミとして簡単な軽食は用意されてるものの、開店直後などの準備が間に合わない時は「ツマミまだ準備できてないから適当に近所のコンビニでツマミ買ってきて」とのたまう始末だ。とても接客業と思えない対応だが、そのくらい雑な対応の方がこちらも気を遣わずに済むため居心地良く感じられ常連さんも多かった。
母娘どころか祖母から孫まで含む三代で接客するスタイルで、接客態度もそれぞれ異なっていたので飽きることなく楽しめた。一番若い二十代の孫娘が一番人気かと思いきや意外と母や祖母の方が人気が高く、私も穏やかかつ話題が尽きない祖母との会話が一番楽しめた。年の功というヤツなのだろう。年齢を重ねるのは悪いことばかりではないと若者たちに伝えたい今日この頃だ。
スナックと言うと何やら怪しい雰囲気や危ない感じがする方もいるだろうが、今のところ危ない印象を受ける店に当たったことは無いのでそこまでハードルを上げなくても良いのかな?と個人的には思う。ただ危ない店がゼロとは言わないので気になる方は口コミをチェックして欲しい。
そんな感じでスナックでは習熟度を高めた歌を披露することで自己満足感を得ていたのだが、こちらのお店ではスナックより濃密ではない空間で気軽にカラオケ出来るのだ。二次会以降に最適と言えるだろう。
とりあえずビールで乾杯!(終わりの始まり)
こちらの店も常連さんが多く、いつ訪問しても「あ、あの常連さんまた来店してる」という印象を受ける。きっと私も同じように見られていることだろう(笑)お互いさまということだ。
一応カラオケは常備されているとはいえ全く歌わず飲んでるお客さんも多い。一応遠慮する体を見せつつ「皆さん歌わないなら曲入れて良いすか?」という感じで披露していく。まさにジャイアンの一人リサイタル状態。うーん気持ち良い(笑)
ママさんが気さくでお客さんとも良く喋るのでスナックと似たような印象も受ける。接客方針がかなり緩くワンコを連れてくる常連さんもいるレベル。親戚の家に遊びに来たような居心地の良さも感じる店と言って良いだろう。
こちらも大体二次会以降で来訪するので酔っぱらっており、歌い終わるとワンコとの触れ合いタイム突入となる。飲んで歌えてワンコと触れ合えるなど何と幸せな空間なのだろう。ワンコは大好きだが住んでるマンションはペット不可だし仮にペット可物件だとしてもお世話は大変だし気軽に旅行にも行けなくなるしと色々と理由を付けて実際に飼ったことは無いのだが、常連さんが連れてきたワンコであれば好きなだけ触れ放題なのだ。
飼い主の常連さんも自分のワンコが可愛いがられるのは悪い気がしないらしく放置してくれるので、孫が可愛いと無条件に可愛いがるおじいちゃんのように堪能させて頂く。お腹は柔らかいし頭や背中のモフモフが気持ち良い(笑)
ペットで思い出したが中学生のころ弟がお祭りの屋台でヒヨコを購入したことがあった。お祭りで購入する生き物など短命であることが世の常であると思うのだが何故かそのヒヨコはたくましく生き延び立派な雄鶏となった。
都心の公務員住宅なのでさすがに早朝からニワトリの鳴き声を響かせるワケには行かないと可哀想に思いつつダンボールに入れて日の光が入らないよう育てていたのだが大人?になってもしぶとく生き延びていた。
そんなある日のこと。ケージという名のダンボールを掃除してたところ「こんな窮屈な空間もう嫌だ。逃げ出してやる!」とでも思ったのだろう。ベランダから逃走したのだ。
とは言えココは4階。加えて鳥の一種とは言えニワトリはそんなに飛べるワケではない。予想外に強い重力に驚いたのか必死に羽をばたつかせながらゆっくりと降下していき無事1階の地面に降り立った。
残念ながら私はその場面を目撃出来なかったが、弟の話によると1階まで捕まえに降りたら青い顔?でへたり込んでいたらしい。脈拍は通常の倍くらいになってたのかも知れない。逃げ出さずというか逃げ出すことも出来ず腰が抜けていたのかも知れない。それ以降ニワトリがベランダから脱走することは二度と無かった。
盛大に脱線した。元に戻ろう。
こちらのお店は定番メニューがあるというよりその日に仕入れた食材が提供されるスタイル。なので「今日って何あります?」と聞くことが定番となっていた。
いつも適当に小鉢で提供されるものをつまんでいたがこのお店はそれで良いのだ。居心地の良い空間で緩い繋がりを持てるコミュニティの場とも言って良いかも知れない。学校や職場など決まったコミュニティだけでなく、このような利害関係が絡まないコミュニティにも属することで心の平穏を保つというのは心身の健康にも良いのかもしれない。気になる方はチェックして欲しい。また来ます!
ごちそうさまでした。