放置してたクエストの受注
うーん。このひんやりとした感触。めちゃくちゃ気持ちいい。
「マスター。そこはダメ。くすぐったいよぉ〜」
「マリン!ごめんごめん」
そこは、昨日止まった宿屋だ。そして僕は、マリンに抱きついて寝ていた。こんな役得な中、現実世界に戻っていたのか。なんたる不覚。そして宿屋で、Gを払って出ようとした時。宿屋のおばさんからある定型文が。
「ゆうべは、お楽しみでしたね」
女性パーティと泊まった際に言われる宿屋の定型文。キタァーーーー。といっても何度もマーヤやハルと止まってたので、その文字は、特段珍しいわけではない。僕が嬉しかったのは、魔物であるスライムのマリンが人外娘ときちんと宿屋のおばちゃんに認識されていたことだ。うんうん。こんなに可愛いもんな。きちんと認識されてて良かったよ。2人分の宿代100Gを払い。外へと出て入り口へと向かう。そこには、南の洞窟に蔓延る魔物を倒せのクエスト受注の男がいた。そう、レベル2の魔物は、その洞窟に出る。死体だ。生きる屍。そうゾンビである。いやいや、ゾンビとどうやってやれっていうんだーーーーーーーー。むしろ、向こうがこちらに手を出そうとした瞬間マリンが粉砕しそうだけど。ついでにこのクエストをクリアしておこう。実は、この入口の男性、ギルドマスターなんだよねこの街の。この人がいないって、今のギルドはてんてこ舞いになってるんだよね。そして、初めてこの街に来た時に言い争っていた女性は、このギルドマスターの奥さんなんだよね。このクエストが終わったらギルドが利用できるようになるんだよ。いつかやらないといけないならレベル2の魔物を人外娘に変えるついでに達成しておこうかなと思ってね。男性の元に近づく。
「アンタは、気が変わったのか?」
はいを選択。
「ホントか。俺の彼女ミーシャを助けてくれるのか。ミーシャは、南の洞窟に蔓延る魔物の親玉を倒しに向かった。俺も向かいたいのは、山々なんだが。そのな、仕事が立て込んでるんだ」
だったらここで突っ立ってないでとっとと戻れよとツッコミを入れる。勿論、そんなことを言っても通じないから心の中でだけど。
「無事に助け出したら俺のところに来てくれよな。じゃあ、頼んだぜ」
男は、入口の所定位置へと戻る。だから、そこで待ってるだけならギルドに戻って仕事しろと心の中でツッコミを入れる。
「マスター、洞窟に行くの?」
「うん。そうだよ」
「ワクワク」
マリンが楽しそうで嬉しいよ。道中の魔物のほとんどをマリンが粉砕した。リーダーは、僕だから。弱いと見て挑んでくる魔物を片っ端からマリンがボコボコにしていた。そして、南の洞窟に着いた。ハァ〜、気が重いな。ゾンビとやるのか僕。いや待てよ。ゾンビって男しかいなかったような?女のゾンビなんて見たことねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。男とやんのか。ぜったい嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。でも、ここまで来たんだ覚悟を決めて入るぞ。でも、この洞窟のクリア推奨レベル10なんだよな。大丈夫だ。僕には、マリンがいるんだから。
「ウー、アー、オー」
この声は、早速出たなゾンビ。男だ。マリンが次々に現れるゾンビを粉砕している。
「アー、アー、アー」
ん?今までのゾンビよりなんか声高くないか?やがて、目の前に現れたゾンビは、女だった。女ゾンビ、来ダァァァァァァァァァ。感謝します。これで、男とやることは回避できた。それにしてもマリンが攻撃しない?ってかマリンがいない!それって、女ゾンビとタイマン!無理無理勝てないって、僕のHP2だよ。一応ステータスの確認だよな。
名前 女ゾンビ
職業 魔物
LV.2
HP20
MP0
力10
守1
速1
賢1
運1
攻撃力10
守備力1
スキル 噛み付く(消費MP0。対象者に1.5倍のダメージを与えて噛みつきゾンビ状態にする。ゾンビ状態になった対象者は、敵味方無差別に攻撃する)
うん絶望。僕の防御力は7で相手の攻撃力は10。通常攻撃でワンパンだ。アハハ。こんな時にマリンは、どこいったんだ。何とか隙を見つけるしかない。攻撃を選択。女ゾンビに1のダメージ。女ゾンビの攻撃。会心の一撃フグオに30のダメージ。フグオは死んだフリを使った。えっ待って、敵の会心の一撃率高くない。ってまぁまた死んだフリが発動したわけだけど。いや、のそりのそりと近づいてくるなよ。俺は死んだの。だから来るなって、跨るなって。そして首元に口を近づけるなって。あれこの状態で噛まれたら強制的に教会じゃないか?それは、もっとダメだ。って、ここまで近づかれないと暗くて気付かなかったが身なりがとても良い。まるでどこかのお嬢様のようだ。そして、死臭の中にツーンと香るフローラルな香り。絶対良いとこのお嬢様だ。何でこんなところで女ゾンビに?いや、やばい。ゾンビ相手に反応しないだろうと思ってたけど俺の息子がムクムクとしている。草の下着と草のズボンを貫通している。そして、それは女ゾンビに直撃していた。
「アゥゥゥゥゥ」
そう、コンプレックスである大きさが役に立ったのである。やばい、身体は、こんなにひんやりとしているのに中はまるで生きているみたいにホカホカだなんて、うっヤバい逝くぅぅぅぅぅぅぅぅ。それは、まるで天に昇る気持ちよさだった。そして気を失った。
「あぁ、ますたぁ。あなたはワタクシをすくうゆうしゃさまだったのですね。それなのにワタクシとしたらこうげきしてしまうだなんて。めをさましてくださいませ」
涙が頬に当たる。誰かが泣いているのか?全く罪深い男だぜ。こんな綺麗な女の子を泣かせるなんてって。
「ええええええ」
「ますたぁ。ぶじだったのですね。よかったですわぁ」
目の前には、綺麗な顔をした女性が居た。こんな洞窟にいる女性?誰、コイツ誰?魔物?こんな魔物デモンズフロンティアの世界で見たことないんだが。
ここまでお読みくださりありがとうございます。