次から次へととんでもない素材が出てくるんだが!
俺の言葉を聞いたマリンは待ってましたと言わんばかりにたくさんの素材を吐き出していく。
「ちょっとちょっと待て待て、なんだよこの素材の山は!」
「パピィを連れ回してた時にこんなこともあろうかと色んなところで集めておいたのだ」
「あっあの時ですわね。とんでもない高レベル生物ばっかりのダンジョンに連れて行かれましたわね」
「あの時は、私もまだゾンビ娘という人外娘でしたから」
あーあの時か、パピィが王女と判明してすぐの頃だったっけ、レベル5のパピィがいつのまにかレベル99になって帰ってきたんだよな。そして今は村人NPC扱い。おいおい、王女様補正は何処行ったんだ。
「妾たちは、拠点の木集めの時に危なくならんように周りを掃除するついでに集めたんじゃ」
あー、バニーがお祭りだとか騒いで、みんなで競争して勝手に俺の身を賭け事に使われた時か。ハニーは、なんやかんやみんなのことを気遣ってくれるんだよな。だって人外娘たちが普通1時間のハンデ貰って、人間のハルに負けるわけないもんな。あらかじめ掃除して疲れてたってことだろ。それなら納得だ。そういえば、あの時も真っ先にハニーが言ったんだよな。俺の許可も取らずに勝手に賭け事の対象にしたんだから無効だって。なんやかんや一番周りに気を遣うんだよなハニーは。でもこんな高ランクの素材ばっかり、何処で?まさか王都パピルスの近くの木って、コイツら死樹の森に行ってたわけじゃないよな?多くの者が初見殺しに遭う死樹の森。入ったが最後、魔王城周辺に生息してる高ランクの魔物が跋扈してるんだよな。なんで知ってるかって?勿論、勇者ラディッシュだった時に、情けないことにその初見殺しに遭った1人だからだよ。それにしても、こんなに高ランクの素材ばっかりだと最高級の武器になるな。寧ろ選り取り見取りで悩む。先ずは、この金属の塊だがこれはカルビンタートルという魔物が落とす素材で、とにかく硬い。次にこれだが最強のドラゴンとして名高いニーズヘッグドラゴンから取れる牙だ。これで噛みきれないものはない。次にこれだが、恐らく状態異常が得意なハニーが使うことで、最強の銃弾になり得るありとあらゆる状態異常を引き起こすという状態異常玉だ。エフェクトラットが落とすのだが、このエフェクトラット、見た目はどう見てもただのネズミなのだが油断していると足元を掬われる。全ての状態異常を無効にしていないと状態異常からの即死攻撃で葬ってくる厄介な敵なのだ。そしてこれは最強の爪を持つというラーテルウィーセルという魔物が落とす。見た目はイタチに似ているのだがこの爪から繰り出される攻撃には防御貫通が付いているんだよな。これを見て、察したんだよ。コイツが生息してるのは、死樹の森だけなんだよな。しかもドラゴンに引けを取らない程の戦闘力を持ってる。ヤバいやつだ。そして、これだが貫通魔石という素材でペネトレイトデーモンという魔物が落とす。このペネトレイトデーモンの見た目は、2本の角を持ち身体が骸骨の見た目をしていて、明らかに脳筋の見た目をしていながら使ってくるのは魔法ばかりで、その魔法の全てが防御貫通になるという貫通魔法の使い手だ。槍の素材にピッタリだろう。そして、一番驚いたのがこの素材だ。特攻野郎と俺が勝手に名付けているボンバーストーンという魔物が自爆以外で倒された時に落とす灼熱玉という素材だ。コイツは特攻野郎という渾名に相応しいぐらい初手で大爆発を使う。そう、初手で自爆してくるのだ。そして、なんと耐久力だけでなく速さもドップクラスに高い。だが残念なことにこのゲームの大爆発の仕様が残HPの2倍のダメージを与えるというもので、このボンバーストーンのHPなのだが300程度だ。耐久力ピカイチでダメージも通らないが大爆発したところでコチラも死にはしない。だが何が厄介かというと、コイツ俺がさっきあげたペネトレイトデーモンやラーテルウィーセルのお供で出てくる。即ち何が言いたいかというとパーティを半壊させた後、後はよろしくと託されたペネトレイトデーモンやラーテルウィーセルの攻撃で殺される。そう最強の特攻野郎なのだ。これをワンパンで倒す人外娘たちの素早さと力に驚いている。だって、あのボンバーストーンの速さの数値は999となっていて、人外娘たちと同じ速さだったから、行動順は完全ランダムだったはずだ。そこを先手を取って、1ターンで処理してるんだから改めて人外娘たちに驚かされたわけだ。
「マスター、どうなのだ。これでマリンたちの武器作れるのだ?足りないならまだ集めてくるのだ」
「これもダーリンを守るためじゃ。妾も集めるとしようぞ」
「イェーイ、魔物狩りなのですわ〜」
「はっはずかちぃけどこれもマスターを守るためなのですぅ」
「御主人様の盾となり剣となるべく、素材を集めて参ります」
「ボムも殿の役に立ちたい。素材、集める」
「いやいやいや、アンタたちオーバーキル過ぎるのよ。普通こんな素材、ポンポン出ないから。フグオのあの表情は驚きすぎて固まってるだけだから」
「いやいやいや、ラディッシュだった時のフグオ君ですらこんな素材取れなかったよ。そもそも、灼熱玉なんて素材、買う以外だと初めて見たし、そもそも売られてたけどどうやって取ってたんだろう?」
「俺が知ってるわけないだろ。そもそも、灼熱玉なんて買わないと取れないって認識だったし、そもそもボンバーストーンの速さを上回れる装備が実装されてないのに単純に無理だから。可能性として考えられるのは、シーフを極めた時に覚える素早さの心得を習得し1%の確率でどんな相手よりも先制を取れるに賭けて、マーシャルアーティストの職業を極めた時に覚える会心の心得で職業効果と合わせて75%の確率を誇る防御無視の会心の一撃を狙うやり方だろうな」
「その手しかないよね」
「取り敢えず、この素材を有効活用して、皆んなの武器を作るよ」
人外娘たちが喜ぶのを見て、俺は制作に移るのだった。
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