木の温もりを感じられる新たな拠点
なんとかビギニングの街から横穴洞窟拠点に戻って来れた。出迎えてくれるちびスライム娘たち。
「パパーおかえりなちゃい」
「あぁ、ただいま。お前たちのおかげで事なきを得られたよ」
「エヘヘなのー」
「本当に助かったよ。この御礼はいずれ必ず」
「要らないのー。パパを助けるのは当たり前なのー。ここの防衛も任してくれていいのー」
「助かるよ。じゃあ戻るね」
「はーいなのー」
またこれなんだな。そりゃそうか。またあのベタベタする感触を味合わなくてはならないのか。もっといいファストトラベルの方法は無かったのか。
「おかえりなのだ。ちょうど良いクライミングだったのだ」
クライミング?山登り?マリンは何と言い間違えてんだ。あっタイミングか!?ちょうど気づいた時にマーヤが言い直していた。
「それを言うならタイミングでしょマリン。ほら、ハルも拗ねないの。勝てるわけないんだから当然でしょ」
「マーヤ、あんなのずるいよ。身体に吸収して吐き出すなんて、私は丸太を一個づつせっせと運んだのにー」
「ハル、ずるいとは酷い言いがかりなのだ。あれこそ算術なのだ」
「算術じゃなくて戦術ね」
「そうとも言う〜」
「そんなマリン様も私に負けましたけど」
「ピグミィ、次行ったらどうなるかわかってるのだ」
「ひっ、すみません〜もう言いませんから〜触手コショコショだけは勘弁してください〜」
へぇーマリンが一位だと思ってたけどピグミィが一位だったんだ。マリンは吸収して吐き出すだからおそらく一度も戻っていないはず。ピグミィは一体どうやって?
「ダーリンが困惑しておるだろう。やめんか馬鹿ども」
「まぁまぁ、私たちはハルよりも少なかったんですからぁ」
「ハンデは2人だけと思ってたら私達までだったんですぅ。仕方ないのですぅ」
「そもそも、ダーリンの許可も取らず勝手に賭け事の対象にしたんじゃ。そもそも無効であろう」
「うん。ハニーのいう通り。僕は知らないから無効だよ。ハハッ」
「嘘ですよね御主人様。私、御主人様を独り占めにしたくて頑張ったのに〜」
「無効、そうよね。フグオ君が言うなら仕方ないよね」
「おいハル、俺の肩持ってもダメだよ?言い出しっぺはハルだから」
「そっそんな〜。嘘だよねフグオ君」
「マーヤ、あんたね。だから私は止めたのよ」
「まぁまぁ、良いではありませんか。こうした祭りみたいなのもたまには楽しいものですわね」
「パピィ様に負けた。メイド失格だー」
「あらあら、大丈夫よキャサリン。よく頑張ったわ」
「なんのフォローにもなってないですよパピィ様」
「やれやれ。でっ集めたのを組むのは誰がやるんだ?」
全員が俺を見る。
「おいおい。嘘だろ。全部丸投げかよ」
「いやそもそも私クラフトスキル持ってないし」
「まぁ、そういうのは全部ラディッシュに任せてたしな。まぁフグオなんだけどさ」
「あっその話、結局どういう事よ。ラディッシュがフグオ君って」
「そのままの意味よ。あの最強勇者で私達を凌辱してたラディッシュの正体がフグオなのよ」
「えっあの入れられても入れられた気がしない粗末なものの持ち主が?」
「粗末なもので悪かったな。コンプレックスだったんだよ。大きいからってお前らが虐めるから」
「あっごめん。今なら確実に言える。今のフグオ君のが10倍いや100倍カッコいいよ」
「煩いわ。手伝いぐらいはしてもらうぞ」
全員が頷いたので、テキパキと指示を出す。マリンには触手で高いところの骨組みを。ハニーとシャインは飛べることを活かして、屋根を組んでもらう。バニーとピグミィには板張りを。マーヤ・ハル・パピィ・キャサリンが内装を担当した。
「こんな感じなのだ?」
「もう数センチ右だ。ハニーもシャインも屋根がズレてるぞ。バニーとピグミィは板張りも大事なんだから適当にやんなっての」
「ダーリンは人使いが荒いのぅ」
「これ、重たいのですぅ」
何が重たいだ!お前らの力999だろうが、ひょっとして力のパラメータって重さとかあんまり関係ないのか?あくまで攻撃力っていうことだけ?全く、でもそうかこいつらみんな力持ちなら1時間のハンデとはいえ資材集めでマーヤやハルに負けるなんてことあるわけないよな。
「こんな繊細な仕事、私には無理だから応援するね。イェーイ」
「御主人様、力を入れただけで板が粉々に」
お前ら、戦闘以外はゴミ性能とかあかんやろ!徹底的に鍛えたらなあかんな。
「マーヤもハルも良いじゃねぇか」
「当然でしょ。リビングルームはこんな感じで、次は風呂場と洗面所ね」
「キッチンも作ろうよ。フグオ君がラディッシュってことは料理のスキルもピカイチってことだよね。ジュルリ」
「ハル、アンタね。でもそれ良いわね採用」
「あらあら、お庭も欲しいですわね」
「パピィ様、私は1人部屋が欲しいです」
マーヤとハルを褒めたことがマリンたちに火をつけたみたいで、その後は順調に出来上がった。
「やっとできたのだ」
「はわわ〜疲れたのですぅ」
「ダーリン、もこれなら満足であろう」
「板張り、マジ勘弁。もう絶対嫌」
「板張りを通じて、力の使い方を学べた気がします」
「これがお前らが簡単にクラフトしてる用に見てたことだ。でも、みんなで作った家だ。愛着が湧くだろう?」
「フグオの言う通りね」
「フグオ君の手料理がデュフフ」
「ハル、アンタ少し気持ち悪いわよ」
木の温もりの溢れる拠点が完成したのだった。
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