モヤモヤを抜けた先はビギニングの街近くに作った拠点だった!
青いモヤモヤの中を進む。うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。なんだこれ。ベタベタする。ファストトラベルってこういうもんなの?それとも俺だけ特殊とか?それにしてもなんなんだよこれ。まるで身体全体をスライムが包み込んで高速で移動してる感じだ。光が見える?出口ってことか。スポーンと放り出されたそこはビギニングの街近くの横穴洞窟拠点だった。
「帰りたい時は、その拠点のスライムに飛び込めば良いのだ」
マリンの声が聞こえる?成程、確か。この横穴洞窟拠点の防衛を担ってくれているスライムはマリンの分身体だったな。それにしてもコイツらどうやって生まれたんだ。
「あっパパ。おかえりなちゃい」
「おかえりなちゃい」
いや、俺はお前たちのパパでは無いのだが。
「ママから聞いたのー。帰る時は話しかけてくれると良いのー」
ピョンピョン跳ね回ったり動き回ったりなんだよ。ちびスライム娘。可愛いじゃねぇか。良いよ良いよ。今日から俺が君たちのパパだ。うんうん。こんなに可愛いんだ。能力値もって待て待てコイツら戦闘能力おかしいだろ。
名前 マリンドーター
職業 スライム娘
LV.♾️
HP♾️
MP♾️
力♾️
守♾️
速♾️
賢♾️
運♾️
所持スキル 溶解液(ママとパパのどちらかが登録していない侵入者を溶かす液を発射する。確定死)合体(たくさんのマリンドーターと合体して、スライム魔神になる)振り下ろす一撃(スライム魔神時限定。侵入してきた敵全体に確定死を与える)守護神(常時発動。横穴洞窟拠点付近から外に出ると死ぬ。但し横穴洞窟拠点に居る間は無敵)
名前がマリンドーター?ドーターって確か英語で娘って意味だよな。成程マリンの娘ってことか。それにしてもなんだよレベル・能力値共に無限大って。しかも、スキルの全部が確定死じゃねぇか。この拠点から出ると死んじゃうのかなんて可哀想な娘なんだ。うんうん、頻繁に会いにきてご飯あげるからな。許してくれよな。さて、ビギニングの街に向かうか。
「パパー、そのままだと危険なのー。これ被るのー」
フード?何が危険だっていうんだ?まぁ、心配してくれてる娘たちを不安にさせる必要はない。被ろう。
「似合ってるのー。みんなで頑張って作ったのー。パパが草から鎧作ってたの見て、真似てみたのー」
うんうん。なんて良い娘たちだ。ってそんな前のこと知ってんの!?
「じゃあ、行ってくるよ」
「いってらっさいなのー」
ビギニングの街について、マリン娘たちが言ってたことを理解した。街の中に居る冒険者たちの様子がおかしいのだ。まるで誰かを探しているのだ。
「おい、本当にこの村で見たんだろうな?」
「あぁ、間違いねぇ。ついこの間まではここによく顔を出してたんだ」
「懸賞金1億Gだぞ。この世界で最強装備が一瞬で整う金額が手に入るどころか一生遊んで暮らせる大金が手に入るんだ。何としても見つけ出せ」
「わかってるって」
「副賞に連れてる魔物を好きにして良いってのも良い。あぁいうのを喜ぶ奴らに売り捌けばさらに金を得られる」
魔物を連れてる誰かを探してるってことか?成程、それで俺が狙われてるかもしれないって用心のためにくれたんだな。ほんとできた娘たちだよ。ドレッサーと衝立と姿見とお風呂とトイレだっけ?まず、何から行く?家具屋に行ってドレッサーと衝立と姿見を手に入れるとするか。確か商業施設はギルドの近くだったな。前も買ったはずなんだけど、ここは本当に広いからな。ギルドの横を通った時にギルドに貼られている手配書を見て驚いた。そこには、俺の顔が貼られていたのだ。それも懸賞金1億Gと書かれていた。
「おっ、お前さんも冒険者なら当然これに惹かれるよな。その見た目ってことは職業はシーフってとこだろ?こんな大金手に入れたら夢が広がるもんな」
「あっあぁ。そうだな」
おいおいおい待て待て。なんだよこれ?俺が何したってんだよ!なんでお尋ね者にされなきゃならない。入口の冒険者たちは俺を探していたってことだ。こんなところに長居したら不味いな。とっとと買い物を済ませて戻らないと。
「ドレッサーと衝立と姿見の用意ができました。こちら3点で、3800Gとなりますが宜しいでしょうか?」
「あぁ、宜しければお運びしましょうか?いや、収納できるので問題ない」
「そうでしたか。これは失礼しました。それでは」
「あぁ」
次は、風呂とトイレだな。両方とも扱っている専門店が近くにあったはずだ。確かRIKIRだったかな。現実世界で似た名前の専門店があったからよく覚えている。あっちは確かLIなんとかだったけど。ん、ここはTETE?なんだよこのトイレ。全自動だと!?なんだよこの高級感溢れるお風呂は!?マジかよ。値段は?13万6千G。トイレとお風呂合わせて20万越えか。だが、風呂って気持ちいいんだよなぁ。ここでケチるなんて良くない。魔物の素材を売り捌き金を確保して、手に入れた。良し、帰るとしよう。
「おい、お前だよ。冒険者の癖にあの貼り紙に興味ねぇのかよ。お前も探すのに協力しろ」
「済まないが急いでいる」
「おいおい、待てよ。お前なんか怪しいなぁ。おい、そのフードを取れよ」
「何故、従う必要がある。断る」
「こっちは見つからなくてムシャクシャしてんだ。いいから言うこと聞けや」
「はぁ。あの手配書の男ならギルド近くの商業施設で見た。今行けばいるんじゃないか。俺は、金よりもパーティの1人が病で苦しんでいてな。拠点設備と一緒に薬を買いに来ただけだ。もう行ってもいいか?」
「はやく言えってんだ。お前ら聞いたか?商業施設に行くぞ。徹底的に探し出せ」
「おぅ」
こうして、俺はなんとか危機を脱し、戻ることに成功するのだった。
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