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いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜  作者: 揚惇命
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

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frontier社での非常事態

【frontier社 映像管理室】


 研究主任の秋塚が上がってきた戦闘データをまとめていた。そして、そこで偶然映り込んだ会話映像を発見した。

「(まさか作智坊ちゃんが生きていてくださったとは、作斗様が行方不明となられた今。作智坊ちゃまだけは、何としても御守りせねば、この会話データは削除しておこう。研究主任である俺にできるのはこんなことぐらいだ。後、なんとかして彼らと接触を図り、向こうの世界で不用意に本当の名前を呼ばないように言わなければ、偶然俺が発見したから良かったものの。こんなことが専務の域のかかる面々にバレたら作智坊ちゃまがどんな目に合わされるか)」

「おい、秋塚。まだ終わんねぇのか。お前ってひょっとして無能。まぁ無能な馬鹿兄貴よりマシか」

「申し訳ありません和様。これが司様が負けた時の一部始終の映像です」

「おい、秋塚。司様だ?アイツは御離羅家を追い出されたんだ。何、様付けなんてしてんだよ」

 御離羅和に何度も蹴り付けられる秋塚。

「ぐふぅ。ガハッ。ハァハァ」

「次、様付けしたら。お父様に言いつけて、お前を左遷させてやるからな」

「ハァハァハァハァ。はい。肝に銘じておきます(どうして御離羅家の面々はこうも残酷なことができるのだ。未智様に作斗様、何処に居られるのです。お2人の大事な御子息は御無事だったというに)」

「わかれば良いんだよ無能が。へぇ、可愛い女連れてんじゃねぇの。ハーレム王ってか虫唾が走るぜ。それ全部俺が貰ってお前の目の前で粉々に打ち砕いてやるよ」

 ニヤリと笑みを浮かべる御離羅貞朝の次男御離羅和であった。


【frontier社 社長室】


 frontier社の社長室では、目の前にいた今宮春香が姿を消したことで、御離羅貞朝が慌てふためいていた。

「(何が起こったというのだ。目の前にいた今宮春香の姿が消えた。このようなことが現実で起こるはずがない。現に、デモンズフロンティアの世界に閉じ込めた面々は、今もあの薄暗い地下室に居るはずだ。確認に向かうべきか)」

 ガチャリと音を立てて薬師桃葉が入ってくる。

「失礼しますお父様」

「何をしにきた。お前とは親子の縁を切ったはずだが」

「はい。でも和を次の党首にしたいというお父様の願いを聞き、私は司を裏切ったのです。見返りを頂きたい。せめて、私とお父様との子に」

「お前は私を脅しにきたのだな。そもそも認知もしていないガキだ。ワシの子ではないな」

「そんな酷い。お父様が言ったのではないですか。子供を産めば御離羅家の一員として認めてやると。それなのにお父様は、私に子供ができたと知るや懇意にしていた薬師家に嫁入りさせるなんて、私はこんなにもお父様を愛しているのに」

「そういうところが気持ち悪いのだ。寝ているワシのアレを勝手に入れてできた子だ。そんなのを認知なぞできるか馬鹿者。とっとと出ていけ。2度とこちらに顔を出すな」

「そんな、それだけはお父様のためならなんだってしますから」

「ほぅ。なんでもか?」

「はい」

「では、お前の学校にいる肝田河豚男という男を事故死に見せかけて殺し、天谷麻弥と今宮春香という女子生徒を攫ってこい。良いな」

「お父様のためならそのようなこと造作もありません」

「失敗したらわかっているな」

「はい、心得ております」

「良し、行け(一応地下室の確認に向かうとするか)」

 地下室へと向かう御離羅貞朝。扉を開け、2人の人物が姿を消していることに気が付く。

「(馬鹿な!?ここは外からしか鍵がかけられない部屋で中から外に出ることは不可能な密閉空間だぞ。何故、風呂階財閥の御令嬢とその使用人の姿が無いのだ。やはり殺しておくべきだったか。今からでも?いや、この数の死体を隠すのは容易ではない。ここに監視を付けるべきか?いやこのことを他の連中に知られるのは良くない。いつ誰が裏切るとも限らんからな。ならどうする?こんなことなら桃葉にこいつらの処理を任せるんだった。今からでも?いや、肝田河豚男の方が厄介だ。どうやったか知らんが天谷麻弥に続き今宮春香まで。ああいう読めない奴ほど怖いものはない。捕まえて閉じ込めるよりも殺しておきたい。どうせ捕まろうが自ら死のうが痛くもない娘だ。この件はしばらく様子見するとしよう。この後は会議であったな向かうとしよう)」


【frontier社 クエスト管理室】


 御離羅貞朝から新たな冒険者ギルドのクエストの発令を宣言される。

「よく集まってくれた。今、世間を騒がす人外娘とやらのせいで大変迷惑している。そこでどうだろう。冒険者ギルドクエストで人外娘討伐指令を与えるというのは。報酬は勿論、倒した人外娘を好きにして良いという権利だ」

「おお、さすが専務。いや次期社長。大変素晴らしいと思います」

「報酬が人外娘というのも冒険者たちの心をくすぐるのではないですかな」

「秋塚、お前はどう思う?」

「!?(口を挟むべきではない。個人的な懸賞金レベルではない。作智坊ちゃま、どうかこのピンチをお切り抜けください)異論はありません」

「そうかそうか珍しく無口だったものでな。司に協力したことを心配しているのなら何も心配は要らない。あれはあのクズが勝手にしたこと。お前に責任はない」

「寛大な御処置痛み入ります」

「良い良い、デモンズフロンティアの運営にお前は欠かせないからな」

「そこまで評価してくださるとは感謝します」

 人外娘たちに懸けられた懸賞金は10億。これにプラスして、その人外娘を好き勝手にできるのだ。冒険者たち全てが敵に回ってもおかしくない状況の変化だった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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