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第65話 準決勝へ

「うう~、嬉しいけどなんか釈然としない~」


「一応、ルール違反はなかったからな」


 昨日行われたダンバストーナメントで、俺たちは見事準決勝進出を決めた。


 だがそれは最下位となったチーム・シバが俺たちのアシストをしたからであった。


「あ奴ら、ハナから勝ち上がるつもりがなかったようじゃからな」


「記録を再生しますね」


「ふむ」


 フェリナが本部から入手した試合映像を再生してくれる。


 チーム・シバは、試合開始と同時に世界ランク25位のチーム・ブルーに対し奇襲を仕掛けた。

 ”ダーク・プリズン”ほどの効果は無いが、デバフ系のオリジナル魔法を連打し、チーム・ブルーの防御力を大幅に下げる。


 追撃の大チャンス……なのだが、スキルポイントを使い果たした彼らはエイドステーションに撤退してしまった。


「それを余らは美味しく頂いたわけじゃが……」


 こんなチャンスを見逃す手はない。

 俺たちは動きを止めたチーム・ブルーを攻撃し、大量にスコアをゲットした。


「世界ランク8位のオジサンたちにはとても敵わなかったけどね~」


 準決勝進出の大本命、世界ランク8位のチーム・ジョージは魔法スキルの被ダメージを半分にする”固有スキル”を持つ超強豪……

 リーサとミアの極大魔法を切り札の一つとする俺たちには相性の悪い相手だ。


「なるべく会敵しないよう気を付けていたけど……」


「さすがに逃げ切れなかったよね!」


 試合の終盤、チーム・ジョージと会敵した俺たちは、攻撃強化技を使った俺の打撃で粘るものの、あえなく全滅する。


「チーム・ブルーに逆転された時はもうダメかと思いましたけど……」


 その時、ダントツ最下位だったチーム・シバが起死回生の逆転を狙い、俺たちを襲撃してきたのだ。


「魔法スキル中心のスキル構成なのに、()()()()()


 デバフ魔法の為に魔力とMP、魔法スキル使用回数に全振りした彼らは、近接戦闘では俺たちの敵じゃなかった。

 俺の剣技、リーサとミアの格闘技であっさりと全滅する。


「くくっ、リーサの蹴りは見事じゃったの」


「ミアちゃんのパンチもね」


 特に、バランスよくステータスに割り振っていたリーサの活躍は鮮やかだった。


 試合終了間際に彼らを全滅させたことで、俺たちは2位に浮上し準決勝進出を決めた。


「あまりに絶妙なタイミングだったので、本部のチェックが入りましたが……問題なしとの裁定が下りました」


「……結局チーム・シバはノーツ関係だったんだろ?」


 俺の言葉にフェリナが頷く。


「はい……直接の傘下ではなく、ノーツのグループ企業の1つが出資するギルドのメンバーでしたね」


 どうやら、マクライド氏はどうしても俺たちを決勝まで連れていきたいらしい。


「ブレンダおねーちゃんとの約束もあるし、こーなったら行くしかないよね。

 せっかくだし、わたし頑張りたい!」


「……そうだな」


 あくまで前向きなリーサの様子に、気持ちが軽くなる。


「わたくしが調べた範囲では、準決勝の対戦相手にノーツ関係者はいません。

 3チームすべてが世界ランク200位以内……腕がなりますね」


 にっこりと笑うフェリナ。


「ふ……そろそろアレの出番かの?」


「にひっ☆」


「もう一度コンビネーションを確認しておくか」


 俺たちは準決勝を見据え、手近なダンジョンへ向かうのだった。



 ***  ***


『さあ、準決勝第1試合は大激戦です!!

 勝ち上がるのはいったいどのチームになるのか!!』


 わああああああああああっ!!


 アナウンサーの声と共に、大歓声がイヤホンから聞こえてくる。


『エイドステーションを確保、手早く補給を済ませてください』


「了解だ」


 目の前に浮かぶオーブをダンバスアプリでスキャンし、スキルポイント5000が充当されていることを確認する。


「残り時間は15分、一気に勝負に出るぞ」


『スコア状況を再確認しましょう』


 フェリナが現在の順位を表示してくれる。


 ======

 ■準決勝第1試合スコア速報

 チーム・ドーン    1032

 チーム・玄武     912

 チーム・キルト    901

 チーム・アカシア   756

 ======


 俺たちは少し離されての最下位。

 だが、まだ逆転は可能だ。


「首位のチーム・ドーンは安全圏にいる。

 チーム・玄武とキルトは2位の座を掛けて直接対決する可能性が高い」


「そこに余らのチャンスがあるわけじゃな」


「”アレ”だね!!」


 ふたりの言葉に頷く。

 正直皆ボロボロだが、決勝進出の為にはこのチャンスに掛けるしかない。

 俺はエイドステーションから獲得したスキルポイントを、3人のステータスに割り振る。


 ======

 明石アカシ ユウ

 ■ステータス

 HP  :170/550

 MP  :0/50

 攻撃力 :250(+150)

 防御力 :160(+50)

 素早さ :100

 魔力  :0

 運の良さ:20


 ■装備/スキル

 武器:ダマスカスブレード+(150×1回)

 防具:ダマスカスメイル(50×0回)

 特殊スキル:ヒールLV2(100×0回)、攻撃強化技15%(150×0回)

      戦技リンク(1500×1回)

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 ======

 アカシ リーサ・レンフィード

 ■ステータス

 HP  :75/400

 MP  :60/250

 攻撃力 :100(+50)

 防御力 :50(+50)

 素早さ :100

 魔力  :300

 運の良さ:20

 武器:チタンボウガン+(50×0回)

 防具:ファイバーブレザー+(50×0回)

 特殊スキル:ファイアLV2(50×0回)、ブリザードLV2(50×0回)

      エンチャント(50×0回)、フレア・バースト(300×1回)

      戦技リンク(1500×1回)

 ======

 ======

 アカシ ミア

 ■ステータス

 HP  :80/450

 MP  :100/200

 攻撃力 :150(+50)

 防御力 :50(+50)

 素早さ :150

 魔力  :250

 運の良さ:20

 武器:ハンドファング+(50×0回)

 防具:ホワイトローブ+(50×0回)

 特殊スキル:ウインドカッターLV2(30×0回)、カーズLV2(30×0回)

      ダークバスター(300×1回)

      戦技リンク(1500×1回)

 固有装備:シルバーオーブ

 ======


「にひ☆」


「燃えるのぉ!」


 スキルポイント的に、防具や定型魔法の使用回数を回復する余裕がない。

 HPの回復も無理だ。


「チャンスは一度きり……か!」


『タイミングはわたくしの方で指示します。

 ご武運を!』


 決勝進出を掛け、チーム・アカシアの大勝負が始まろうとしていた。


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