表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/76

第52話 ダンジョンバスター競技大会

『あ、見えました!

 世界ランク一位、イギリス政府の要人でもあるルーク・ウィンストン選手です!

 そばにいるのは娘さんのブレンダ選手でしょうか』


「ふおお……こんな朝からダンジョンバスターのニュースをやってるよ!」


 テレビに流れるニュースを見て、ホットサンドを頬張っていたリーサの手が止まる。


『ヤマダ・シロー選手率いる日本代表、最強のライバルです!

 あ、その後ろには世界ランク5位の……』


「いや、本当に凄いな……これ、全国ニュースだろ?」


「他局でもトップニュース扱いだそうですよ」


「マジか」


 年も明け、「世界ダンジョンバスター競技大会」の開会式を明日に控えた日本のニュースはダンジョンバスター一色だった。


 今まではごくたまにシローさんら世界ランカーの活躍がニュースで報じられることはあったものの、このようにトップニュースで取り上げられる事なんてほぼなかった。


『それでは、わが日本代表の注目選手を見てみましょう』


 映像はスタジオに戻り、アナウンサーがダンジョンバスター日本代表の面々を紹介していく。


『まずはやっぱりヤマダ シロー選手と妻のレミリア選手ですね。

 小学生に聞いた憧れの有名人ランキングで、唯一ランクインしたダンジョンバスターで……』


 話題の中心になるのはもちろんシローさんたちだ。

 世界に名だたるランカーで、日本で発生した数々の災害ダンジョンを退治した実績を持つ。

 シローさんは渋いイケメンだし、レミリアさんも(黙っていれば)超絶美人なので、人気が出るのは当然である。


「いや~、シローさんたちが書類上とはいえうちのギルドに所属しているというのがいまだに信じられませんね」


 フェリナの言葉に心から同意する。


『今回の大会では、ダンジョンバスターのランク別競技もあるのですが、そこにも注目選手がいます!』


「……お?」


 ひと通りシローさんたちを紹介した後、女性アナウンサーが情報ボードを切り替える。


『地元出身のアカシ ユウ選手です!

 ユウ選手もシロー選手と同じく異世界帰りで、わずか半年でランクをFからBに上げた今注目のダンジョンバスターです』


「ぶっ!?」


 突然出て来た自分の顔に、思わずお茶を吹き出してしまう。


『なんと、ダンジョンバスターの歴史上はじめてダンジョン内からの生配信を行い、ユウ選手の配信ちゃんねるは登録者が100万人を突破したそうです!』


 映像が切り替わり、ダンジョン内で戦う俺が映る。

 うう、無駄にポーズを取ってるし……冷静に見るとすごく恥ずかしい。


『ユウ選手は20年前に日本を襲った”ブレイクインパクト”の生き残りで、あの悲劇を繰り返さないようにとダンジョンバスターを目指したとか。

 いやぁ、まだお若いのに素晴らしい志ですよね……その優しい雰囲気に女性ファンも増えているそうです』


「ふふん、ユウは世界一のパパなんだから!

 とーぜんだよね!」


 自分の事のように喜んでくれるリーサは超絶ウルトラかわいいが、俺は生活のためにダンバスを始めただけなのでこのように持ち上げられるとむずがゆくなってくる。


 ……それにしてもいつの間にこんな映像を作ったのだろうか?

 配信動画から切り抜いたにしては綺麗すぎる。


「……まさか?」


 俺はフェリナの方を見る。


「ええ、テレビ局さんから打診があった段階で最高の素材を(独断で)提供させていただきました!

 あ、このあと3局で似たような特集が組まれてますので」


「むがああああっ!?」


 フェリナがニヤニヤしていることから、サプライズのつもりだったのだろう。

 くそ、さすがうちのギルドマスターは有能だな!


 羞恥で床をのたうち回る俺を笑いをこらえながら見ていたリーサとミアだったが、

 テレビの中のアナウンサーが追撃を仕掛けてくる。


『しかもですね、ユウ選手にはふたりの可愛い娘さんがおられます!

 ウワサでは異世界で共に歩んだパートナーだったとか……いやぁ、ロマンチックですね』


「……ふお?」

「……なぬ?」


『彼女たち、ものすごく可愛いんですよ!

 私、ファンになっちゃいました!』


 次の瞬間、映像はリーサとミアに切り替わる。

 魔法少女チックな変身シーンや、あざといキメポーズが台詞付きで……。


「ふ、ふおおおおおおおおおおおっ!?」


「な、何じゃと!?

 闇の魔王の威厳がああああああああっ!?」


 真っ赤になり、同じく床を転げまわるリーサとミア。


 すっかり有名人にされた俺たちは、近所で学校で、質問攻めにあうことになるのだった。


 なお、俺とリーサ、ミアは結託してフェリナのだらしないエピソードをテレビ局に垂れ込んだのは言うまでもない。


 いよいよ、「世界ダンジョンバスター競技大会」の幕が上がる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ