彼女の誕生日には彼女が好きな映画を二人で見に行った(200文字小説)
「どこか行きたいところとかありますか?」
僕は訊ねた。彼女の誕生日をお祝いしてあげるために。
「見たい映画があるの」
「では、その映画を見に行きましょう」
「面白かったね」
映画を見終わった後、彼女が言う。
「えっ? う、うん…」
「ちゃんと見てた? まさか居眠りとかしてなかったよね?」
「まさか! でも、ちゃんとは見られませんでした」
「こういうの、好きじゃなかった?」
「いや、隣に君が居て、ずっとドキドキしていたから」