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200文字小説集 vol.3

彼女の誕生日には彼女が好きな映画を二人で見に行った(200文字小説)

作者: 日下部良介

「どこか行きたいところとかありますか?」

 僕は訊ねた。彼女の誕生日をお祝いしてあげるために。


「見たい映画があるの」

「では、その映画を見に行きましょう」



「面白かったね」

 映画を見終わった後、彼女が言う。

「えっ? う、うん…」

「ちゃんと見てた? まさか居眠りとかしてなかったよね?」

「まさか! でも、ちゃんとは見られませんでした」

「こういうの、好きじゃなかった?」

「いや、隣に君が居て、ずっとドキドキしていたから」




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