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男女逆転世界でキャンプをしよう!  作者: くもくも
1章 男女逆転世界のキャンパーさん
4/24

4-1話 ボクっ子長女とキャンパーさん

 僕が優雅にキャンプを進める間、すでに2人の女性に話しかけられた。

 一人は余った薪があるからプレゼントするよ、というお姉さん。


 前世の時代では、性別は逆だがこういうおじさんがよくいた。

 が、はっきり言おう。

 貴様の残りものの薪などゴミと同じだ。なんか怖いし。

 余るほど買うな。きちんと使いきれ。使いきれないなら責任もって持ち帰れ。


 もう一人は特に意味もなく近づいてきて、写真を撮らせてくれというお姉さん。

 SNSにでもアップするつもりかだろうか。なぜ僕が貴様のいいね稼ぎに付き合わなければならないのか。


 予想はできていたイベントだったが、やっぱり気持ちが萎えてしまう。

 まあ、キャンプ場にいる限り僕の精神力は無限に回復するけども。

 

 結局、妹の雫も、里美さんの三人娘も、こういうわけのわからん女性たちと比べ、人間ができているのだとはっきり感じる。

 過保護すぎるのがたまにキズだけど。


 携帯にメッセージが届いた。まあ雫たちだろう。

 『お兄ちゃんキャンプ場つきましたかー浮気してませんかー』

 『やっぱりボクもいきたかったよう 悪い女の子に着いていったらダメだからね』

 『亮一の置いてったポテチうまー』

 『炊事場と女子トイレはきれいですか 写真希望』


 やれやれ感が出てしまうが、まあ雫が馴染んでいて何より。4人姉妹と言っても違和感なしだ。

 『このなかに女子トイレの写真を男子に撮らせようとするアホがいます。次に会うときは法廷でよろしくどうぞ。』

 と返しつつ、先に撮影しておいた炊事場の写真を送るのがスマートな男というものだ。


 『写真の奥に小さく女性の姿あり!緊急事態です!』

 雫のメッセージを見ると、ちょっとおばかさんたちの影響を受けすぎたかな……と心配になる。

 携帯を閉じて空を見上げる。ああ、空が青い。


 面倒なやつらだと思いつつも、なんだかんだ自分の気持ちが晴れていくのを感じる。


 里美さんちの三人娘で、僕のはとこにあたる、今は愛すべき家族、遥、葵、雪、この三人と、おじさんの記憶を受けついだこの僕との顔合わせについて、次に振り返ろう。



◇◇◇◇◇



 里美さんの家に着いたとき感動したのは、駐車場の脇にそれなりに広い芝生の庭が広がっていたことだ。

 田舎というほどではないが、ご近所とはそれなりの距離があるので、庭でバーベキューなんかもできそうな感じである。素晴らしい。


 「粗末なうちですが、いらっしゃいませえ。」

 冗談めかして言う里美さん。

 とんでもございません。こういうのがいいんだよ、こういうのが。

 

 「里美さん、改めて、これからお世話になります。僕と雫のこと、気にかけていて下さっていて、本当に感謝しています」

 僕が後部座席から頭を下げると、あわてて横で雫もそれに続いた。


 「ふたりのお母さんとの約束だったんだあ。シングルママ同士、お互い何かあったら、お互いの子供のことを助けようって。だから、これは当たり前のこと。……もっと早くに、無理やりにでも二人を連れてくるべきだったのかも知れないけどねえ」

 里美さんは、少し寂しそうに笑っている。母を思い出してくれているのだろうか。


 車が着くなり、その川口家の扉が開いて、長身でボーイッシュな長女、遥が出迎えにきてくれた。

 「おかえり。亮一くん久しぶりだねえ。あ、荷物持つの手伝うよ。」


 遥は僕より2歳年上の大学生だ。昔からいつも僕たちより少し大人で、憧れのお姉さんという感じだった。

 声も声代わり前の男の子みたいで、大学でもたいそうモテているらしい。主に女子に。

 尊し。


 「遥姉さん、お久しぶりです。このたびはご心配おかけしました。改めて今日からお世話になります。」

 ペコリと頭を下げた僕の頭を、遥はポンポンと軽く撫でてくれた。こういうボディタッチに全く嫌らしさを感じないのがこの人のすごいところだ。

 そして身長170cmの僕より若干背が高い…


 「お母さんのことがあってから、無理しすぎてたのかもしれないね。まずは何も考えないで、ゆっくりしてね。これからはボクのことも本当のお姉さんだと思ってたくさん頼っていいから」

 これはお姉さんどころかバブみすら感じますわ。


 さりげなく荷物を持ってくれるのも実にスマートで、これはさぞかしモテるだろうと感じる。主に女子に。


 あべこべになってきた世界とはいえ、男女の魅力のありかたはあまり変化していない。男女比が崩れてきたとはいえ、それもたかだか20年程度だ。

 筋力があるのは男の方だし、力強い男や紳士的な男の方が、やっぱり女子にはモテる。モテなくても相手に困るようなケースは稀だけど。


 社会的な役割は徐々に女性側に依存していっており、若い男性の就職率も劇的に低下しているが、相手を魅力的だと感じる条件までは、それほど変化していないのだ。


 つまり、遥はそっちの気のある女の子たちにはまあモテるだろう。

 近年ではこの世界、あたりまえのように女性の同性愛は一般的になってきている。女子の比率が増えているのだから、まあそうなる。

 この点は実に尊い世界だ。


 「遥姉さんが大学生になってからは会えてなかったけど、昔と同じでやっぱりすごくお綺麗ですね。服もおしゃれだし、ちょっと緊張しちゃいます。」

 僕がそう言った瞬間、後ろから雫の蹴りがケツに飛んできた。

 このブラコンめ。兄に暴力を振るうとは、再教育が必要だな。


 明らかに使うつもりのない、僕の見せかけだけのげんこつから、キャッキャウフフと楽しそうに逃げる雫を見て、遥も嬉しそうに笑っている。


 「仲良しだねえ。雫ちゃんが、お兄ちゃんが急に優しくなったーって騒いでたんだけど、本当なんだね。ボクの大学の男子より、亮一くんの方がよっぽど大人に見えるよ。男子3日会わざればなんとやらだ。」

 そりゃ全部で60年分くらいの記憶があるからね、とは言えないが。


 「前に会ったときなんかは、僕、すごく嫌な奴だったでしょう? 今回のことで自分を見直すきっかけになったと思うんです。これからは心機一転、まともな人間になろうと思ってます。先日は生意気な態度で本当にごめんなさい」


 遥さんはなんと、少しうるうるした目で、うんうんとうなずいてくれた。

 揺れるショートカットもキラキラした大きな目も、びっくりするほど綺麗である。


 「男子なら今どきあれくらい普通だよ。今の亮一くんのそういうとこ、本当にかっこいいと思う。ていうかボク、こんな大人な男の子、映画とかでしか見たことないかも」

 人情家の長女陥落なり!


 なんて言わず、素直にありがたい。

 親の教育もいいんだろうね。里美さんにも改めて感謝が必要だ。


 「さ、立ち話はここまでにして早くうちに入ろう。他の二人も楽しみに待ってたからさ。」

 先に扉へ向かう遥の後ろ姿は、背が高く、素晴らしいスタイルで、目を奪われてしまう。


 引き締まっていそうで僕好みなそのケツを重点的にガン見しながら、密かに僕はにやりと笑う。

 いやあ、良いお尻ですね!ぜひ今度触らせて下さい!

ブクマと評価が大好物! 是非ともよろしくお願いします!

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